ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『ハリウッド的殺人事件』

2020-03-07 11:11:14 | ハリソン・フォード










 
ハリソン・フォードのポリス・ムービー第4弾は、2003年に公開されたロン・シェルトン監督によるアメリカ映画。当時若手の注目株だったジョシュ・ハートネットとのダブル主演作です。

それまでハリソンが出演してきた刑事物は「どシリアス」な作品ばかりだったのが、ここに来て初めてライトタッチの作品に出てくれて、私はとても嬉しかったです。

なにしろオープニング曲がヒップホップなんです。初めて観たとき「うわっ、ハリソンの映画でラップがかかってる!」ってw、私は驚いたし時代の流れを痛感したもんです。ハリソンの使用拳銃もM10と同じS&W製ながら近代オートマチックで、ぐっとモダンになりました。

『エアフォース・ワン』('97) を最後に大ヒット作が出なくなり、マネーメイキング・スターの座を降りつつあった当時のハリソンだけど、だからこそこういうB級テイストの作品にも出られるようになったのかも知れず、売れるにも良し悪しあるんだって事が、1人のスターをずっと見続けてるとよく分かります。

ハリソンは根っから真面目な人らしいから、ご自分で作品を選ぶと自然とシリアスな方へ片寄っちゃうんだろうと思います。だけど元来「ハン・ソロ」と「インディアナ・ジョーンズ」でスターになった人なんだから、そういうコミック的キャラを演じた時こそ一番魅力を発揮するんですよね。

今回ハリソンが演じたのは、ロサンゼルス市警ハリウッド署の強盗殺人課刑事=ジョー・ギャビラン。腕利きだけど副業の不動産仲介に振り回され、どっちが本業なんだか判らない多忙な日々。

そしてその相棒を務めるのが、ジョシュ・ハートネット扮する若手刑事=K.C.コールデン。刑事としては半人前なのに副業で営むヨガ教室で高収入を得ており、実は俳優志望でハリウッドの大物たちへの売り込みに余念がない、これまた多忙な日々。

そんな二人が人気ヒップホップグループを狙った連続殺人事件を担当し、片や邸宅を売りながら、片や銀幕デビューのチャンスを探りながら、ついでに捜査して犯人を挙げるという、ハリソン映画史上おそらく最も不真面目なお話(なにしろ犯人とカーチェイスしながら電話で買い手と値段交渉してる)w

だけどこれは決してバカげた設定でもなく、アメリカじゃ警察官の副業が普通に認められており、ロス市警には実際に不動産屋を兼ねた刑事も俳優志望の刑事もいたそうです。笑えるようデフォルメはしてるにせよ、結構リアルなお話なんですね。

場所がハリウッドなだけにアメリカ芸能界の興味深い裏側も見えて来るし、これはなかなか面白い。ハリソン本来の軽妙な魅力に加え、相方のジョシュ・ハートネットもすこぶるチャーミングだし、アクティブさにおいてはハリソンの刑事映画の中で一番だし、これはもっと話題になりヒットして然るべき作品だったと思います。

ただ1つだけ残念だったのは、今回もハリソンと若手共演者、すなわちジョシュとの不仲説が流れてしまったこと。いや、説というより、ジョシュが「現場でハリソンにほとんど無視されてた」みたいなことをインタビューでバラしたのが話題になっちゃった。

だけどこれは「あえて距離を取った」とハリソン自身も語っており、決して名コンビとは言えないチグハグな(役柄上の)関係を演出する為の、言わば役作りだったみたいです。

そもそも共演者とは一切ベタベタしない、ビジネスライクな姿勢で知られるハリソンですから、フレンドシップを求める若手俳優から見れば「冷たい人」と感じるのも仕方ないかも知れません。恐らくブラピやジョシュは特にその想いが強く、過剰に反応しちゃったんでしょう。

と、いうような事はしかし、長年のファンでハリソンに関する記事を読みあさって来た私だから推理できることで、そこまでマニアックじゃないファンの多くが離れていく要因の1つには、多分なったでしょう。

そのちょっと前に2番目の奥さんとの離婚が報じられ、急にピアスを付け始めたりするハリソンには、この私ですら「おいおい、どうしたハリソン」ってw、正直思ってました。そりゃ人間ですから色々ありますよね。

『ハリウッド的殺人事件』に話を戻すと、ハリソン扮するギャビラン刑事の恋人を色気たっぷりに演じられた女優さんは、『存在の耐えられない軽さ』や『蜘蛛女』等で知られるレナ・オリン。清楚な人が選ばれがちなハリソンの相手役としては異彩を放っており、とても印象深いです。
 


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2 コメント

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反日 (biti)
2020-03-12 17:14:42
って?噂ありますが、どうなんでしょうね?
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Unknown (harrison2018)
2020-03-12 17:23:23
それは無いと思いますよ。キャンペーンで10回以上は来日してるし、全盛期(つまり無理して稼がなくてもいい時期)に日本のCMに何本も出てますし。

『モスキート・コースト』で日本嫌いの発明家の役を演じたから、そう思い込んだ人がいるのでは?
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