ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『プロハンター』#06

2018-11-04 12:00:10 | 探偵・青春・アクションドラマ









 
1981年の4月~9月に日本テレビ系列・火曜夜9時枠で全25話が放映された探偵ドラマ。制作は『探偵物語』のセントラル・アーツで、本作が『大都会/闘いの日々』から連なる日テレ火9アクションドラマの最終作となります。

舞台は横浜。元新聞記者の竜崎駿介(草刈正雄)と元刑事の水原 淳(藤 竜也)が一攫千金を夢見て立ち上げた「M&R探偵事務所」に持ち込まれるのは、警察が手を出さない犯罪スレスレの危険な仕事ばかり。

だからこそ冒険心をくすぐられ、命懸けのミッションを楽しみながら遂行する、自由人コンビの活躍が遊びごころ満載で描かれます。

藤竜也さんが横浜を舞台に同じ「水原」という名の刑事を演じた火9アクション『大追跡』の軽いノリを継承し、それを更にエスカレートさせたような「ぶっとんだ」作風は、後の『あぶない刑事』や『ベイシティ刑事』の原型とも言えましょう。

加えて、二人に半ば無理やり協力させられる元怪盗の五島 (柴田恭兵)、二人に儲け仕事や情報を提供する雑誌編集長の礼子(小川真由美)、M&R探偵事務所と同じビルで花屋を営むマドンナ的存在のユミ(名取裕子)、セントラル・アーツの探偵ドラマに付き物のずっこけ刑事コンビ・菊島(宍戸 錠)&木戸(小林稔侍)、といったメンバーが脇を固めます。(柴田恭兵さんは出たり出なかったりで、残念ながら今回は欠席です)


☆第6話『俺の愛した赤い靴』

(1981.5.12.OA/脚本=那須真知子/監督=小澤啓一)

ある日突然、竜崎が「結婚した」と言いだして水原を驚かせます。

相手は10億円もの遺産を遺して死んだ富豪・佐々木の隠し子だという小夜子(森下愛子)で、彼女に遺産を相続させる条件として婿を取るよう佐々木が言い残し、小夜子の叔父にあたる画商の桂木(根上 淳)が弁護士の山田(北村総一朗)と相談し、何でも屋みたいな探偵・竜崎に偽装結婚を依頼したのでした。

隠し子で母親も他界したという小夜子の境遇に同情する竜崎は、100万円の報酬にも眼がくらんで引き受けたワケだけど、小夜子と桂木に単なる親戚関係を超えた何かを感じた水原は、二人の身辺を調査します。

で、遺産を狙うヤクザたちも絡んですったもんだがあり、竜崎は命を狙われるんだけど、なぜ小夜子じゃなく竜崎が狙われるのかが解らない。

一方、水原は死んだ佐々木が実は無精子症だった=小夜子が佐々木の隠し子でも何でもないという事実を掴みます。これは一体、どういう事なのか?

真相は、桂木と山田弁護士が竜崎を殺そうとした事で明らかになります。なんと、佐々木が遺産を相続させようとしていたのは、小夜子じゃなくて竜崎だった! 竜崎本人も知らなかったその事実を知った桂木が、山田弁護士と結託して小夜子を利用し、遺産を横取りしようとしたワケです。

なぜ、佐々木は遺産相続人に竜崎を指名したのか? その理由は、15年前に川で溺れていた佐々木の愛犬を助けたから。

で、めでたく10億円を頂けると思ったのも束の間、よく調べたら犬を助けたのは竜崎と同姓同名の別人だった事実が判明し、チャンチャン!という実にアホらしいお話でしたw

これが『プロハンター』の世界観、'80年代セントラル・アーツの作風ですw 東宝製作の『大追跡』や『俺たちは天使だ!』が、おちゃらけながらもギリギリ守ってたリアリティーを、本作はあっさり放棄しちゃってるんですよね。面白ければ何でもアリの世界。

それを「んなヤツはおらんやろ」って言ってシラケるか、マンガと割りきって受け入れるかで、本作への評価は大きく違って来るかと思います。

以前の私は前者でした。同じ日テレ・アクションドラマでも東宝製作の『太陽にほえろ!』という、とても生真面目な作品を長年観て育ちましたから、ほぼ100%あり得ないような話にはどうしても気が乗らない。

『大追跡』や『俺たちは天使だ!』はオチャラケ度じゃ『プロハンター』に近いんだけど、ストーリーそのものは意外にちゃんとしてるんですよね。やっぱ東宝だから根は真面目なんです。

セントラル・アーツの作品は、根っからフザケてるw 私は数年前までそれが受け入れられなかったんだけど、最近はちょっと変わって来ました。その「あり得なさ」こそを楽しめるようになっちゃった。

理由は恐らく、あまりに昨今のTVドラマがリアリティーに囚われ過ぎてるから。それが作品を(特にアクション系のドラマを)つまらなくしてると思うから。

いや、リアルな作品はリアルな作品で面白いんだけど、それ一辺倒になっちゃってるのがつまんない。一方でリアリティーなんか気にしないハチャメチャな作品も無いとバランスが取れない。

同じコメディ路線の探偵アクションでも、『プロハンター』と『俺たちは天使だ!』とじゃ世界観(におけるルール)に違いがあった。どっちの世界観に乗っかるか、当時の私たちには選択肢があったんです。

それが今やリアリズム一辺倒ですから、そうじゃない『プロハンター』がとても輝いて見えるワケです。ああ、なんて自由なんだ! なんてバカバカしいんだ!ってw

とは言え、今の若い役者さんでこれと同じ事をやっても、たぶんダメなんでしょう。やっぱり草刈正雄、藤竜也、柴田恭兵といった人たちが演じてこそサマになる世界。

だから、本放映当時よりも今観た方が『プロハンター』は面白い。こんなドラマはもう、新作では二度と観られないですから。

セクシーショットはゲストの森下愛子さん。最初は冴えないメガネっ子として登場しますが、それでも超絶に可愛くて、萌えますw
 

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1 コメント

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いやいやいや (竜崎駿介)
2020-09-20 17:38:39
この第6話、最大の見せ場はいっちゃん最後よ!

俺天だったら、名前(犬猫違い)で終わっているだろうけど、こちらはさ、草刈さんの渾身の演技が最後に来る!
「馬鹿だな!女って・・・」と言うセリフと、野球をやっていただけに、綺麗なサウスポーからの靴投げ・・・
子供の頃は痺れたもんです!

今日、再放送をたまたま見ましたけどやっぱり最後は良いねえ!

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