ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『代表取締役刑事』#44

2022-05-18 00:00:44 | 刑事ドラマ'90年代

’80年代アイドル特集第16弾は、石川ひとみさん。歌手デビューは’78年だけど『まちぶせ』の大ヒットでブレイクされたのは’81年のこと。

女優としての活動は意外と控えめで、Wikipediaに記載されてるTVドラマは4本だけ。そのうちの1本がこの『代表取締役刑事』第44話で、刑事ドラマとしては唯一の作品。

正直なところ良作とは言えない回だけど、石川さんの素晴らしいセクシーショットを何が何でも載せなきゃいけないので、サラッとレビューさせて頂きます。



石川ひとみさんが演じられたのは小学校の先生で、明るい笑顔の裏に暗い過去を秘めたキャラクター。刑事ドラマのゲストはだいたいそんな感じですw

で、例によって例のごとく、その過去に絡んだ殺人事件が起きちゃうワケです。



☆第44話『青春の光と影』(1991.9.22.OA/脚本=宮下隼一&鈴木やすゆき/監督=澤田幸弘)

ちなみに兵頭係長(舘ひろし)の相棒を今回務めるのは、第25話で本庁へ異動となった五十嵐巡査(市川翔子)の後任=南条巡査(木之原賀子)。



木之原賀子(きのはら よしこ)さんはスカウトがきっかけで芸能界入りし、最初から女優としてデビューされた方。

’89年に『高速戦隊ターボレンジャー』のピンクターボ=森川はるな役で注目され、本作のレギュラーを経て『さすらい刑事旅情編』や『はぐれ刑事純情派』にもゲスト出演。’93年に本名の犬塚賀子に改名されるも、程なくして引退されたみたいです。



で、今回の事件。7年前に兵頭係長が挙げた殺人未遂犯=城戸(山口 仁)が刑期を終え、出所してすぐにチンピラを拳銃で撃って姿を消しちゃう。

その撃たれたチンピラが、なぜか石川ひとみさん扮する早坂先生の名刺を持ってたもんで、兵頭と南条が話を聞きに行くんだけど、そんな男は知らない、落とした名刺を拾っただけだろうと彼女は言う。

何かを隠してると直感した兵頭は、南条に早坂先生の身辺を探らせ……

サクサク行きましょう。城戸がチンピラを撃ったのは、そいつが早坂先生を探してたから。そのチンピラは、城戸が7年前に殺し損ねた梅津という暴力団員の手下。つまり梅津が早坂先生に近づこうとしてるのを、城戸は止めようと……いや、近づく前に今度こそ殺そうとしてる。

それが分かってて早坂先生はなぜ「知らない」と主張するのか? 7年前に早坂先生と親しくなり、どうやら惚れてるらしい城戸が、なぜそこまで梅津を憎んでるのか? もうお分かりですね? よくあるパターンです。



そう、7年前、城戸と同じ暴走族に所属してた梅津が、早坂先生をレイプした。それを知って怒り狂い、梅津を殺そうとした城戸を、駆けつけた兵頭が阻止し、逮捕した。城戸はその犯行動機を7年間、ずっと隠し続けて来たワケです。

後はもう、再び暴走する城戸をすんでのところで兵頭が食い止め、梅津を守り抜くっていう展開しかあり得ません。

で、早坂先生からの「何年でも私は待ってます!」ってな熱いメッセージを、拘置所に向かう城戸に兵頭が伝えて、なんとなく美談な感じでジ・エンド。



しかしこれ、ホントに美談なんでしょうか? 私はちっとも美しいと思えませんでした。そもそも暴走族にいたような輩に共感しようがないワケだけど、それはとりあえず置いといて。

惚れた女が他の男に犯されて、そりゃあ許せない気持ちにはなるだろうけど、だからってそいつを殺せば彼女が救われるんかい?って私は思う。むしろ逆とちゃうんかい?って。

レイプされて、そのせいで恋人が殺人犯になっちゃったら、それこそ彼女は地獄ですよね? 惚れた男が本来やるべきなのは、レイプされた彼女を全面的に受け入れ、支えてやることじゃないですか?

あの城戸ってヤツがやってることって、レイプされた女はもう終わり、価値ナシって言ってるようなもんですよね? 挙げ句の果てに、これから少なくとも10年以上、女盛りの早坂先生を待たせるって……

自分の感情が最優先で相手のことは何も考えない、最低最悪のクソ野郎じゃないスか! こんなの美談でも何でもない!



恋人や妻が実はかつて風俗嬢、あるいはAV女優だった!って判明した途端、気持ちが冷めちゃったみたいな話をよく聞くけど(いや、身の回りじゃ聞かないけど、メディアで)……そんなに罪深いことなんですかねえ? 本当に惚れてるなら受け入れられると思うんだけど、綺麗事ですかね?

貞操に関する世間一般の感覚が、私にはよく解らない。浮気された場合はまた別の話だけど。

そんなワケで、今回のエピソードはまったく共感できませんでした。この次の回=市川森一さんが脚本を書かれ、神田正輝さんがゲスト出演された最終回(すでにレビュー済み)は舘ひろし史上ナンバー1の大傑作!と思うだけに、なおさら勿体なく感じます。

つくづくこの番組、市川脚本の回だけ突出し過ぎてました。市川さんが抜けちゃった次作『愛しの刑事』はかなりイマイチで、石原プロにトドメをさしたと私は思ってます。


 

 


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2 コメント

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Unknown (ムーミン)
2022-05-18 10:20:13
レイプは被害者のはずなのにレイプ被害者に対して世間は冷たいですね。ホントは社会で守られなければいけない存在なのにおかしな社会です。風俗もAVもなければもっと性犯罪が増えて女性が安心して生活できない社会になるはずです。男性は定期的に性処理をしないと若い頃は特に正常な心理で生活できない生き物なので合法的に男性の願望を叶えてくれるAV孃も風俗孃も天使のような存在です。たまに風俗を利用することもある私には本当にありがたい女神様です。そんな方々に冷たい社会っていやな社会だとつくづく思います。
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Unknown (harrison2018)
2022-05-18 11:32:28
おっしゃる通り! 私も風俗の女の子たちには感謝しかありません。中にはあからさまにヤル気ない子もいたけどw、疑似恋愛を味わわせてくれるプロフェッショナルも何人かいました。どれだけ救われたことか!

昨今、コロナであの業界が一体どうなってるのか、メディアじゃいっさい触れてくれないので心配です。ほんとに、風俗が滅びたら国も滅びちゃいますよね。
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