
☆第60話『パラシュート殺人部隊』
(1969.5.24.OA/脚本=高久 進&佐藤 肇/監督=佐藤 肇)
ヒバトニア共和国(明らかにソ連をイメージした架空の国)の宇宙衛星「スペクター2号」が軌道から外れ、消息を絶ちます。
砂漠に軟着陸したスペクター2号のパイロット=イワノフ大佐はいち早く駆けつけたFBIエージェントに保護され、謎のフィルムを手渡します。
そのフィルムには、某・敵対国(FBIが出てきた以上、アメリカ以外にあり得ませんw)のミサイル基地を衛星から撮影した映像が記録されており、どうやらイワノフは敵対国に協力し、計画的に衛星を墜落させたようです。
当然ながら共和国のスパイ組織がフィルムとイワノフの命を狙って来るんだけど、刺客はなぜか日本人ばかり(原 良子、室田日出男etc)なもんで視聴者は困惑しますw
で、イワノフを匿ったFBIエージェントは殺されるんだけど、フィルムの行方が分からない。世界大戦の引き金になりかねないフィルムを奪還すべく、キイハンターも行方を追います。
吸った揉んだあって風間(千葉真一)と撃ち合い、敗れた室田日出男さんが風間に言い遺します。
「北の国から吹雪が来る……イワノフを殺しに来る……」
吹雪というのは、ヒバトニア共和国に雇われた「裏切り者専門の殺し屋」の名前。共和国はなぜ日本人ばかり雇うのか?w
かくして、イワノフの行方を追う風間は、わざわざヘリコプターで派手に登場した吹雪(川口 浩)と対決……したのも束の間、共和国のパラシュート殺人部隊が空から飛来するや、あっという間に吹雪と意気投合しw、見事なコンビネーションで敵を皆殺しにするのでした。
それもその筈、吹雪の正体はFBI捜査官。キイハンターたちと共闘し、フィルムの奪還に成功した吹雪は、黒木ボス(丹波哲郎)に気に入られ、キイハンターの仲間入りを果たすのでした。FBI→キイハンターが栄転なのか左遷なのかは微妙なところですw
放映開始1周年を経過し、視聴率も好調で予算がアップされたのでしょう、今回から補強メンバーとして川口浩さんがレギュラー入り。後の探検隊長です。
注目すべきは丹波哲郎さんの出番の少なさで、早くも手抜きを覚えたみたいですねw エピソードの序盤、中盤、終盤のポイントにちょこっと顔を出すだけで、激しいことはすっかり千葉真一さんにお任せ状態。
『太陽にほえろ!』のスタートを待たずしてこの調子ですから、石原裕次郎さん(のまとめ撮りテクニック)を真似したワケじゃないんですねw(逆に『太陽~』が『キイハンター』方式に倣ったのかも?)
悪く言えば一番高いギャラを貰いながらラクしてるワケだけど、見方を変えれば若手に花を持たせてるとも言えます。『西部警察』の渡哲也さんや『大捜査線』の杉良太郎さんは見せ場をぜんぶ独り占めしちゃうけど、それはそれで主役の責任を果たすため頑張ったとも言えるし、ビッグスターの在り方、扱われ方にも色々あるって事ですね。
それにしても千葉真一さんの活躍ぶりが目覚ましく、この番組がいかに千葉さん人気に支えられたかがよく分かります。アクションだけでなく、ユーモアの要素も千葉さんが引っ張ってる感があり、そりゃ人気者になりますよね。
壮大すぎるストーリーは相変わらずツッコミどころ満載だけどw、千葉さんを中心としたアクションとユーモアを観てるだけで楽しく、やっぱりこれが刑事ドラマの本来あるべき姿だと、私はつくづく思いました。
映像で魅せるなら動かないと意味がない。そもそも「活動写真」なんだから当たり前の事です。ただ突っ立って謎解きするだけなら、小説か紙芝居で充分なんだから。
大好きで毎週見てました。今の私がドラマを見なくなったのは、キーハンターほど“見たくなる”ドラマが少なくなったからだろうと思っています。
主題歌の「非情のライセンス」がまた好きでして・・・。
♪昨日恋して燃えて 今日は敵と味方の二人
と歌われる部分は、子供には理解の外でしたよ。
キーハンター、放映日が待ち遠しいドラマでした。
ストーリーは分からなくても、その熱気と楽しさは子供にも伝わった事でしょう。私にとっては『仮面ライダー』や『太陽にほえろ!』がそうでした。今の子供たちはテレビよりゲームなのかなぁ……
あははは~そういうお人なのです、根っからの富豪の出ですから?しかしこの、壮大なテーマを正味50分弱で解決してしまうとは!驚きですね(^^)