ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『太陽にほえろ!』#451

2022-08-17 22:33:38 | 刑事ドラマ'80年代

ずいぶんと間が空いちゃいました。言わば本ブログのメインディッシュである『太陽にほえろ!』レビューなのに……いや、だからこそ、取り組むときには気合が要るワケです。

自分の中でマンネリを感じてる側面もあるし、先はまだまだ長いですから、今後もゆっくり、こんなペースでやって行きたいと思ってます。

レビュー記事は基本的に女優さんのセクシーショットを載せる為に書いてるワケだけど、今回は女っ気ゼロで載せようがありません。やる気が湧かなかった最大の原因はそこかも?

だけど『太陽〜』屈指のGUNアクション編の1本ですから、これは外せませんでした。



☆第451話『ゴリ、勝負一発!』

(1981.4.3.OA/脚本=小川 英&四十物光男/監督=木下 亮)

街中で大学生らしき若者がチンピラ3人組に襲われてる!との通報を受けたゴリさん(竜 雷太)とドック(神田正輝)が駆けつけてみると、チンピラ3人が3人共、それぞれ銃弾1発で射殺されてたから驚いた! 犯人は射撃のプロ? 大学生っぽいのに?

目撃証言と一致する若者を発見した両刑事が、新宿駅の地下まで追い詰めるんだけど、そいつが人混みの中で発砲しようとした為、やむなく射殺。



恐らく深夜か早朝に撮影したんでしょうけど、確かに新宿駅の構内で発砲、派手な弾着まで仕掛けてる! 現在じゃモデルガンを振り回すことすら許可されないでしょうから、そりゃ突っ立って謎解きするしか無いワケです。

さて、死んだ犯人は古川保という名の大学生(鈴木弘道)と判明。どうやら東南アジアの射撃場に通い詰めてたらしく、最近そういう場所で射撃の腕を磨く「異常なガンマニア」が増えてるらしい。

…………えっ?

「古川のような異常なガンマニアが、ほかにもいるかも知れないな」

……なんですって?

「よし、異常なガンマニアを片っ端から洗い出せ!」

だっ、誰が異常なガンマニアじゃこりゃあああぁぁぁーーーっ!?



残念ながら、七曲署の刑事たちは私の家まで来ませんでしたが、ある夜、どこで情報が漏れたのか、もう1人の異常なガンマニアがゴリさんの前に現れました。

「古川を撃ったもう1人の刑事は誰だ?」

「お前、古川の仲間か!」



モーゼルM712という、まさにマニアックなマシンピストルを誇示するその若者は、どうやら古川を射殺した刑事2人に復讐しようとしてる。それも正面から堂々と。

つまり「決闘」を望んでるワケだけど、あいにく帰宅途中のゴリさんは拳銃を所持してません。

「間が抜けてるよな、日本の警察は。そんな奴らにやられるなんて、古川もどうかしてるよ」

ガッカリするそいつのスキを見て、ゴリさんは歩道橋から走行中の大型トラックに決死のダイブ! みごと荷台に着地するんだけど、モーゼルで右腕を撃たれてしまいます。

死んだ古川に負けず劣らずの射撃スキルと、公表されてなかった射殺刑事=ゴリさんの身元をみごと突き止めた情報収集力は、只者じゃない。まさに異常なガンマニア!

あのとき、ゴリさんと同時に古川を撃った相棒がドックであることも、ヤツはそのうち突き止めるに違いない! そう考えたゴリさんは、ドックを東南アジアの射撃場へ出張捜査させるよう山さん(露口 茂)に提言します。



そんなワケで、何も知らないまま東南アジアへ飛んだドックに替わり、今度はスコッチ(沖 雅也)がゴリさんの相棒、というよりボディーガードを務めることに。

ゴリさんがどうせ病院を抜け出すだろうと予測したボス(石原裕次郎)が、愛銃COLTトルーパーMk-IIIを手土産にスコッチを送り込んだのでした。



もうホント、痺れますよね。スコッチほど頼りになるボディーガードは他にいない! 極めて正確無比な判断力と射撃スキルと、何より、人を撃ち殺すことを一切ためらわない冷酷さ!w この人さえいれば安倍元総理も死なずに済んだかも!?

取調べにおいても、このコンビに睨まれたら何もかも吐くしかないワケです。



極めて紳士的な2人の捜査により、ドックが向かってる東南アジアの射撃場が「実戦経験者のコーチが何人もいて急激に腕が上がるから」日本の若者に大人気であることが判って来ます。

「おかしな世の中になったもんだ。親のスネかじりが外国のそんな所に入り浸って、拳銃のバケモノになって帰ってくる」

「腕が上がれば当然、拳銃は手放したくなくなる。持てば必ず、撃ちたくなる」

「そういうこった。こっちは暴力団だけでも手を焼いてるってのに、そんなバケモノにウロつかれちゃたまらんな」

その手を焼いてる暴力団の情報筋から、やはり東南アジアへ繰り返し旅行してる若いセールスマン=有田修一(古城和孝)に容疑が絞られ、最強コンビがそいつのアパートに向かいます。



「ゴリ、気をつけろ。右腕が使えないのを忘れるな」

ボスが心配するのも無理ないけど、相手が銃を抜く前にスコッチが撃ち殺すに決まってますから無問題w

「ゴリさん、撃ち合いはオレに任せてもらいます」

「心配すんなって。オレはこういう時のために左手の練習もしてるんだよ」

「それでも利き腕のようにはいかんでしょう」

「だがな、スコッチ」

「オレの腕じゃ敵わないって事ですか?」

「……分かった、お前さんの指示に従うよ」

「けっこう」

ほんと痺れます。ゴリ&スコッチの組み合わせでないと成立しない、なんとカッコいいセリフの応酬!

もうすぐ沖雅也さんが体調不良で戦線離脱しちゃいますから、こういう場面はホントに貴重。もっともっと観たかった!



さて、さすがは異常なガンマニア。部屋にはドアノブと引金をワイヤーで連動させた、ライフル銃のデス・トラップが仕掛けてありました。これも百戦錬磨の2人でなけりゃ避けられなかったでしょう。

そしてライフルの傍らには「石塚刑事 せいぜい拳銃の腕をみがいておけ」と書いた有田の置き手紙が。

「我々が来るのを知っていた……そういう事ですか」

「恐らくそんなこったろう」

「なぜ、そうまでしてゴリさんの命を?」

「銃でオレを殺すのがヤツの生き甲斐なんだよ。射撃のトップを争った古川保をオレが射殺した。そのオレを殺して、自分の腕を誇示したいんだ」

狂気の沙汰ではあるけど、これが男という生きものの本質。その欲求不満を発散させる為にスポーツやゲームが生まれたんでしょう。



しかし、敵の狙いはあくまでゴリさん。決闘に応じることが一番の解決策ってことで、あらためて射撃レンチで左手撃ちを練習するゴリさんだけど、やっぱり右手のようにはいきません。

そこにボスがやって来て、一体どこから調達したのか、有田が使ってるのと同じモーゼルM712 を連射し、みごとターゲットの真ん中に全弾命中させ、ドヤ顔を見せます。



「弾の衝撃力、有効射程距離、共にずば抜けて高い。スピードは音速を超す。ゴリ、左腕じゃヤツに勝てんぞ」



左腕じゃ勝てない。しかし今、右腕は激しい動きに耐えられない。さて、どうする?

考えあぐねた末にゴリさんが選んだのは、ヘンメリーというスイス製の競技用ピストルでした。



銃器装備室の係員が驚きます。

「まさか石塚さん、その手で犯人と撃ち合うんじゃないでしょうね? それに、そいつは1発しか撃てないんですよ?」

そう、ヘンメリーは弾丸1発しか装填できない。その代わり軽量で、恐ろしく正確な命中精度を誇る狙撃銃。ゴリさんは、この1発に勝負を賭けようとしてる。



ガード役のスコッチと2人、あえて堂々と聞き込み捜査に歩き回るゴリさん。自らオトリになって有田を誘い出そうってワケです。さて、有田はどう出るか?

まず聞き込み先を予測した有田は、ゴリさんを待ち伏せてビル5階の窓から狙撃し、みごと左胸に命中させます。

当然、それを予測してたゴリさんも防弾チョッキで対抗! すぐさま起き上がり、スコッチと共にビル内へと駆け込んだ!



ところが有田はそれも予測し、あらかじめ逃走経路を決めてたらしく、みごとに姿を消しちゃいます。

それで仕方なく、ボスに報告するためスコッチが覆面車に戻るのですが……そこに1台の車が突っ込んで来た!

「しまった! スコッチ、逃げろっ!!」



有田の方が一枚上手でした。ヤツの本当の狙いは、優秀すぎるボディーガード=スコッチを排除することにあった!

「スコッチ、大丈夫かっ!?」

「う、動けないだけです」

「救急車呼ぶからな!」

「もう連絡しました」

こんな時でも冷静沈着なスコッチが凄すぎて笑えますw

で、ゴリさんは気づいてしまう。有田が車を停め、決闘の地へと誘ってることに。



「罠ですよ、ヤツの誘いに乗っちゃいけない! ゴリさん!」

スコッチの制止も空しく、ゴリさんはあえて誘いに乗ります。もうすぐドックも帰って来るし、ここで全てを終わらせようと決断したんでしょう。通りがかりの年代物BMWを一般市民から強奪したゴリさんはw、有田の車を追うのでした。



そんな事態になってるとはつゆ知らず、東南アジアから帰国したドックは、愛銃M59を受け取りに寄った銃器装備室で、係員からヘンメリーの話を聞いて仰天します。

「ゴリさんは、オレを庇うために海外へ行かせたんですか? 自分1人で犯人の標的になるために!」



「標的になるためじゃない。危険を最小限に抑えて、犯人を逮捕するためだ」

ボスから真相を聞き、山さんから情報を得たドックは、ゴリさんに加勢すべく決闘場所を推理し、駆けつけます。

そのとき有田は、フルオート射撃が可能なモーゼルM712で、物陰からゴリさんを蜂の巣にしようとしてました。

「有田! あのとき古川を射殺したのはオレだ!」

ドックがそう叫んで有田の気を逸らせたお陰で、ゴリさんは間一髪、命拾いしました。

しかし、有田が得意げにフルオートで撃ちまくるモーゼルに、普通の拳銃じゃとうてい勝ち目はありません。ヤツを倒すには「1発勝負」に持ち込むしかない!



「有田! それがお前の腕か! マシンガンでなきゃオレに勝てないかっ!?」

「言うじゃないか! 右手が使えないようなデカなんて雑魚と同じだからな! あっさり片づける事にしたんだ!」

「いや、右手は使えるぞ! でかい口を叩くなら勝負したらどうだっ!?」

ゴリさんはドックに待機を命じ、右手にヘンメリーを下げて1人、その身を晒します。



有田の目的は復讐じゃない。ただナンバーワン射撃手を倒した刑事を撃ち殺し、自分がナンバーワンと呼ばれたいだけ。なんというアホでしょうw

まんまと挑発に乗った有田は、モーゼルをフルオートからセミオートに切り替え、西部劇よろしく真正面からゴリさんと向き合います。



勝負はまさに一瞬で、あっけなくケリがつきました。

ゴリさんが防弾チョッキを着てるのを知ってる有田は、必ず頭を狙って来る。だからゴリさんはまず、有田が銃を構えると同時に地面に伏せ、モーゼルが1発目を放った反動でわずかに跳ね上がった瞬間、1発必中のヘンメリーで有田の右腕を射抜いたのでした。

ゴリ、勝負1発! 15連発のM59に頼りっきりのドックはもう、シャッポを脱ぐしかありません。



すこぶる残念なのは、モーゼルのフルオート射撃が効果音のみで、映像で見られなかったこと。おそらく電気発火式のプロップゆえ単発でしか撃てなかったんでしょう。

マニアックな視点を抜きにしても、音だけじゃフルオートの迫力が伝わりませんから、場面そのものの緊張感もイマイチになっちゃう。せっかくのマシンピストルなのに勿体なかったです。

それともう1つ、有田に扮した東京キッドブラザース(当時)の若手俳優=古城和孝さんの演技が、すこぶる大根なのも興醒めでした。

ハンサムだし、黙ってる分には雰囲気があって良いんだけど、セリフを喋ると滑舌悪いわ棒読みだわでガクッと来ちゃう。現在はそこまで下手な人をテレビで見かける機会が無いから、逆に新鮮と言えなくもないけど……

それ以外に関しては文句なし! 特に中盤のゴリ&スコッチによる攻防戦はレア度も高く、『太陽〜』屈指の名場面として胸に刻まれてます。

今回のセクシーショットはそれに尽きますw おっぱいだけが人生じゃない!

 

コメント (7)
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