ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『ラストナイト・イン・ソーホー』

2022-08-07 19:19:21 | 外国映画

2021年に公開された、エドガー・ライト監督&脚本によるイギリス映画。これは面白い! ちょー面白い! ホラー映画ファンじゃない方にも是非オススメしたいです。

ところが世間じゃ賛否両論らしく、私が最も信頼してきた映画雑誌『映画秘宝』(残念ながら休刊中) の年間ベストテンでも『マリグナント/凶暴な悪夢』より評価が低い!

と言っても2位『マリグナント』で3位『ラストナイト・イン・ソーホー』だから僅差なんだけど、こっちはワーストテン(7位)にも入っちゃってる。

まぁ確かに、冷静に振り返ればメチャクチャな話ではあるんだけど、その点じゃ『マリグナント』の方がメチャクチャですからね!w

ワーストに票を入れた人たちは、一体なにが気に食わなかったんでしょう? 文句なしで面白いと感じた私との温度差は何なのか? そのへんも考察しつつレビューしたいと思います。(今回は超オススメだから重要なネタバレは控えます)



ファッションデザイナーを目指す18歳の主人公=エロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は、ロンドンの繁華街・ソーホーにある専門学校の試験に合格し、田舎町からルンルン気分で上京するんだけど、寮でルームメイトになった女は意地悪グループのリーダーだし、騒がしいパーティーには馴染めないしで初日から意気消沈。

そこでエロイーズは寮生活にさっさと見切りをつけ、格安の下宿先を見つけて独り暮らしを始めちゃう! いいぞ偉いぞエロイーズ!

この時点でもう、私は彼女にばっちり感情移入できたワケだけど、学生時代に多数派グループ(いわゆるカーストの上位)に属してたような人たち、つまり私とは一生解り合えないパーソナルをお持ちの方々は、逆に冷めちゃうのかも知れません。ここがたぶん最初の分岐点。

ちなみにエロイーズ役のトーマシン・マッケンジーは意外とボインちゃんで、そういう意味でも掴みはバッチリ!



で、本筋はここから。エロイーズが引っ越した下宿先の部屋で、いろいろ起きるワケです。

エロイーズにはどうやら、幽霊……というより他者の残留思念みたいなものが見えちゃう、生まれついての特殊能力がある。

ある夜、エロイーズが特に憧れを抱く「’60年代」にその部屋に住んでた、サンディという歌手志望の女の子(アニャ・テイラー=ジョイ)の残留思念とシンクロした彼女は、なんと1965年(私が生まれた年!)のソーホーにタイムリープしちゃう!



そして、時には身も心もサンディと一体化しちゃうエロイーズは、現実世界でも垢抜けてどんどんサンディに近づいていき……



そういう設定が現実に「あり得ない」から没頭できない、なんて言う人もいるかも知れないけど、そんな人はそもそも映画なんか観なけりゃいいと思う。論外だからこのブログも金輪際、読まないで頂きたい。



さて、エロイーズ以上にボインちゃんでお目目パッチリの、まるでプリクラから飛び出たみたいなルックスのサンディは、すぐさま有名ナイトクラブのイケメンマネージャー(マット・スミス)に見初められ、恋にも落ち、スター歌手への階段を一気に駆け上がっていく!……かのように見えたんだけど……



’60年代のロンドンは、そんな甘い世界じゃなかった。いや、ロンドンに限らず、まだ男尊女卑がはびこってた時代の大都市には、普通によくある話だった事でしょう。

歌手デビューするはずが実際はストリップショーのバックダンサーをやらされ、唄いたければ顧客を掴めと脅されたサンディは、何人もの男と……そう、イケメンマネージャーの正体は裏社会のポン引き野郎だった!



だからイケメンなんか信用すんなって、いつも書いてるのに! イケメンは全員、とっとと死ねえーーーっ!!!



で、なんとかサンディを救ってあげたいエロイーズだけど何も出来ず、挙げ句にあのポン引き野郎にサンディが惨殺される現場を目撃してしまう!

せめて、現在もソーホーの街にいるであろう犯人を突き止めようとするエロイーズに、なぜかサンディを「買った」男たちの亡霊が襲いかかり、青春物からタイムリープ物、ロマンス物へと変遷して来た本作も、ここらでいよいよスリラー&ホラーとしての本質を見せるワケです。



歌手を夢見たサンディの末路があまりに悲惨すぎることも、ワーストに票を入れた人たちをモヤモヤさせた要因なのかも知れません。

けど、サンディは、ただ単に悲惨なだけじゃないんですよ! これ以上はネタバレになるから書けないけど、ある意味、前回レビューした『マリグナント』のガブリエルと似たキャラクターかも?

だから私は、むしろ痛快にも感じたし、しかも最後はエロイーズのサクセスストーリーに帰結するしで、めっちゃ気分よく観終えることが出来たワケです。

これはホントに人それぞれ、観る人それぞれの感じ方、考え方で評価が大きく変わる作品。だからこそ余計にオススメしたいです。

1965年のロンドン、あの時代の文化と風俗を存分に味わえる映画っていう、その一点だけでも観る価値大いにアリ! もちろん主役2人のおっぱいも! ボインぼよよ〜んっ!!


 

コメント (2)
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