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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『マリグナント/凶暴な悪夢』

2022-08-05 00:10:03 | 外国映画

2021年に公開されたホラー映画のDVDを2本、観ました。どちらも面白く、共通点も沢山あるんだけど、観た感触がそれぞれ全然違うんですよね!

是非とも皆さんにオススメしたい作品は後回しにしてw、ホラー好きの方、それも変化球をお求めの方にだけオススメの作品から、先にご紹介します。

なお、これはネタバレ抜きじゃ語りようのない映画なので、手短にだけど浜村淳します。(つまり結末まで言っちゃいます)

『Saw』『死霊館』『アクアマン』等で知られるジェームズ・ワン監督による作品です。



妊娠中のヒロイン=マディソン(アナベル・ウォーリス)がDV夫の暴力により後頭部を強打した直後、彼女の目前でそのDV夫が惨殺され、彼女自身も気絶して流産しちゃいます。

それをきっかけに、マディソンは同じ犯人による連続殺人を夢(幻覚?)で見るようになるんだけど、それらが全て現実で起こってしまい、警察から最有力容疑者としてマークされちゃいます。

で、捜査が進むにつれ、マディソンが幼少期に「ガブリエル」という架空の弟(?)とよく会話してたこと、そして彼女がガブリエルを犯人だと思ってることも判って来ます。

ということは、犯人はマディソン自身(の中にいる別人格)なのか? つまりこれはサイコ・スリラー?

もしそうなら、似たような話は五万とありますから「変化球」だなんて書かないし、わざわざここでレビューもしません。当然、予想の斜め上をいく真相が待ってるワケです。

さて、犯人の正体はいったい何なのか? ヒントは「マリグナント」っていうタイトルの意味(悪性の○○)と、私のフェイバリット漫画である『ブラック・ジャック』にあります。(以下よりネタバレ)



そう、ピノコですよピノコ! 犯人は、ピノコみたいなやつ。えっ、ピンと来ませんか?

私は観てすぐに「これってピノコやん!」って思ったのに、いくつか読んだレビューでは『ブラック・ジャック』のブの字も出て来ない。なぜ?(追記:over-the-magicさんはチラッと書かれてましたね)

ホラー映画は若い人向けだから『ブラック・ジャック』はもう通じないと判断された? いや、ブラック・ジャックやピノコは知ってても、ピノコがどうやって生まれたキャラクターなのかは、昭和世代でも知らない人が多いのかも?



ピノコは元々、とある女性の身体にくっついた「畸形嚢腫(きけいのうしゅ)」でした。

畸形嚢腫ってのは、双子で生まれて来るはずだった1人の身体の一部が、もう1人の体内に包まれて(腫れ物みたいな状態で)生まれたもの。

ふつうは切り取られて処分されるんだけど、その畸形嚢腫が発する呪いの念波により誰も手が出せない。そこで天才外科医ブラック・ジャックは、畸形嚢腫に「私はキミを殺したりはしない」と言って眠らせ、女性から切り離したあと、合成繊維で足りない部位を補って、約束どおり人間に仕立て上げた。それがピノコ。

「ガブリエル」の場合、マディソンと後頭部が(つまり脳も)繋がってたのを切り離され、セオリー通り殺処分されたんだけど、マディソンの脳に残ってた僅かな破片が、後頭部を強打したことにより覚醒し、一時的に彼女の身体を乗っ取って殺人を犯してたワケです。

こうして説明するとメチャクチャな話だけどw、そこに説得力を持たせるのが映画作家の腕の見せどころ。ピノコだってメチャクチャだけど、ちゃんと皆に愛されるキャラになってましたよね。



創り手が『ブラック・ジャック』からヒントを得たかどうかは知る由もないけど、生まれた経緯も凶暴な性格もピノコによく似てるのは確か。

だから、殺人モンスターでありながら妙に憎めない。最初に殺したのはヒロインに酷い暴力を振るったDV夫だし、その後の連続殺人もガブリエルを殺処分した医者や学者たちへの復讐だから、情状酌量の余地がある。

クライマックスに至っては、女子刑務所に放り込まれたマディソンを理不尽にリンチする女囚たちが相手だから、気がつけば「行けーっ、ぶっ殺せーっ!!」って応援しちゃってる自分がいる。動きがまたシャープでカッコいいんですよ! こんなホラー映画、初めて観ましたw



だから、これはホラーというより新種のダークヒーロー物かも知れません。すっかりネタをバラしちゃったけど、新鮮な娯楽映画をお求めの方にオススメしときます。


 

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『Mr.ノーバディ』

2022-03-20 00:00:35 | 外国映画

2020年に公開されたイリア・ナイシュラー監督によるアメリカ映画。『ジョン・ウィック』の脚本家デレク・コルスタッドと製作デビッド・リーチが再タッグを組み、人気TVシリーズ『ベター・コール・ソウル』のボブ・オデンカークが主演したハードアクション物です。

配給会社が発信した宣伝用のあらすじは、こんな感じ。↓

「一見ごく普通の中年男が、世の中の理不尽に怒りを爆発させて大暴れし、やがて武装集団やマフィアを相手に激しい戦いを繰り広げる姿を描いた、痛快ハードボイルドアクション!」

あおっ、それなら私の大好物! きっと’90年代にマイケル・ダグラス氏が主演した『フォーリング・ダウン』をもっと派手にしたような映画に違いない! ……って予想してたんだけど、観たら驚いた!

そんな話と全然違うやん!w けど、これはこれでめっぽう面白い!

最近『007』や『マトリックス』の新作を観ても全然ワクワクしなかったもんで、私はもうアクション映画に飽きてしまったのかと思ってたけど、そんな事はなかったです。久々にワクワクしたし手に汗握りました!

以下、ネタバレになります。まだこの作品を観てなくて、私と同じように「ちゃんと面白いアクション映画」に飢えてる方は、とりあえずここで読むのをやめて、観てから続きを読んで頂ければと思います。

上にコピペした粗筋と一体どう違うのか? そこに本作の面白さが集約されてると私は思います。



確かに主人公のハッチ(ボブ・オデンカーク)は一見ごく普通の中年男で、勤め先の工場では過小評価され、家庭では妻(コニー・ニールセン)に距離を置かれて息子からも尊敬されず、単調で冴えない日々を送ってる。

で、そんなある夜、家に男女2人組の強盗が押し入って来て、息子が果敢に男を取り押さえるんだけど、ハッチが女を殴ることを躊躇したせいで逃げられちゃう。

駆けつけた警官には「手を出さなくて正解だったけど、俺なら(家族を守る為に)戦ったね」なんて言われて、ますます居場所が無くなっちゃう。

ところが! まだ幼い娘が大切にしてたキーホルダーが、お金と一緒に無くなってることに気づいた瞬間、ハッチの顔つきが変わります。

「ちょっと、出かけて来る」

なんとハッチは、介護施設で暮らす元軍人の父親(クリストファー・ロイド)から拳銃を借りて、実に手際よく強盗2人組(夫婦)の居場所を捜索し、キーホルダーを取り戻しに行くんですよね。

だけど彼らに産まれたばかりの赤ちゃんがいたもんで、仕方なく退散する。その帰りにバスに乗るんだけど、見るからにタチの悪そうなチンピラたちが後から乗って来ちゃう。

なるほど、ここで我がもの顔でバスを占拠するチンピラどもにブチ切れて銃をぶっ放し、タガが外れて「フォーリング・ダウン」して行くワケだな。よっしゃ、やれ!

……って思うじゃないですか、上の粗筋を事前に読んでれば。けど、違うんですよね! いや確かに、乗客の女の子が襲われそうになった時、ハッチは立ち上がるんだけど、なんだか妙に冷静なんです。

私だって拳銃を持ってれば立ち上がるかも知れないけど、たぶんアドレナリンが出まくって手も足も声も震えるだろうと思います。

だけどハッチは落ち着いてるどころか、なんとわざわざ銃から弾丸を全部抜いて見せちゃう! で、一言。

「お前ら、ブチのめす」



ここまで読んで、皆さんはもう察しがついておられるかも知れません。で、こうも思われたかも? またそれかよ!って。

そう、ハッチはただの冴えない中年男じゃなかった。『Mr. ノーバディ』っていうタイトルは「ヒーローでも何でもない名も無き男」っていう意味かと思いきや、そうじゃなくて「三文字の組織」(つまり諜報機関でしょう) によって存在を無かったことにされた、たぶん元特殊工作員。

「映画秘宝」流に言えば「ナメてた相手が実は殺人マシーンだった」ムービーで、このブログでも『96時間』や『イコライザー』『ジョン・ウィック』等を取り上げて来た、もはや1つのジャンルになっちゃってるお馴染みの設定。

なんだけど、この『Mr.ノーバディ』は一味違うワケです。そうでなきゃレビューしてません。

これまでの「ナメてた相手が実は殺人マシーンだった」ムービーと決定的に違うのは、主人公がそうであることを我々観客に悟らせない工夫がハンパない!っていう点。

まず、リーアム・ニーソン氏やデンゼル・ワシントン氏みたいな大男じゃなく、全然強そうに見えないボブ・オデンカーク氏を主役に据えたこと。

そして何より、先の押し入り強盗のシーンです。ハッチが反撃しなかったのは「相手が女性だから」っていう明確な理由があるもんだから、我々はてっきり彼を優しい人間だと思い込まされちゃう。

けど、後から思えば違うんですよね! 確かに「相手が女性」ってのも理由の1つなんだけど、ハッチはそれ以前に「彼らは素人」だから抵抗さえしなければ「家族に危害が及ぶ心配は無い」って、冷静に判断したからこそ手を出さなかった!

で、赤ちゃんを見てキーホルダー奪還を諦めたのも、優しいからというより、それ以上やると自分が赤ちゃんの両親を殺しちゃうのが分かってたから。

そのあと1人になってアパートの壁を殴りまくるのも、何も出来ない自分が情けなくて自暴自棄になってるように見えるんだけど、実は火が点いちゃってる暴力欲求を抑える為だった!

それもこれも「後から思えば」解ることで、リアルタイムでは気づかない。1つ1つが「ハッチは優し過ぎて戦えない男」だと思い込ませるミスリードになってる。

私なんか事前に件の粗筋を読んでたもんだから見事に騙されましたw 配給会社もそれを狙ってあえて間違った記述をしたんでしょう。

言わば二重構造の作品で、あの『カメラを止めるな!』(憶えてますか?) と似たような仕掛け。だから前情報なしで観た方が絶対面白い。この映画を紹介して下さったキアヌさんもきっと、今頃ほくそ笑んでおられる筈ですw

バスでハッチがチンピラどもをブチのめしてもなお、私は「人間、あそこまで自暴自棄になったら強いよね」ってw、まだ思ってましたから!

だって、この場面でのハッチはまだ、リーアムやデンゼルみたいに圧倒的に強いワケじゃなく、けっこう打撃を食らってるんです。なのに全然ひるまないし、反撃にも躊躇がまったく見えない。

これもその時は「ヤケクソだから」「打たれ強いから」って解釈しちゃうんだけど、後になってハッチには20年間のブランクがあったことが判り「ああ、なるほど」ってなる。まだ半分しか覚醒してなかったワケです。



で、ブチのめして重傷を負わせたチンピラの1人が、実は非常にヤバいロシアン・マフィアのボスの息子で、当然ながらマフィアに命を狙われる羽目になるんだけど、ハッチは全く動じない! ここらでようやく私も気づくワケです。ガッデム、作者に騙されてたよ!ってw

そうして徐々に正体が明かされるにつれハッチは強くなり、アクションの描き方もリアルからファンタジーへと変遷していく。だから飽きが来ない!



老人ホームにいたお父さんも実はノーバディで、親子でドンパチし始めちゃうクライマックスに至っては完全にコミックの世界w だからクリストファー・ロイド氏なんですよね!(言うまでもないけど『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクさんです)



92分という短めの尺もまた素晴らしい!(昨今のアクション映画は2時間超えが当たり前でそもそも長過ぎる!)

もちろんアクションだけでなく、ハッチが奥さんとの絆を取り戻すラブストーリーの側面もあり、だけどお涙頂戴には走らない絶妙なバランス感覚。大いに気に入りました。ハリウッド映画のDVDを久々に買う事になりそうです。

というワケで、セクシーショットは奥さん役のコニー・ニールセンさん。『ワンダーウーマン』シリーズでヒロインのお母さんを演じておられる方です。


 

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『ゴジラVSコング』

2022-03-17 12:25:21 | 外国映画

ギャレス・エドワーズ監督による『GODZILLA/ゴジラ』(’14) を起点とするレジェンダリー製作「モンスターバース」シリーズの第4弾、アダム・ウィンガード監督による2021年公開作品『ゴジラVSコング』をレンタルDVDで観ました。

これから観るのを楽しみにされてる方は、ネタバレがあるので先は読まないことをオススメします。



感想としては、あくまでアトラクションと割り切って観れば良く出来た映画で、私は退屈せずに楽しめました。ただ、なにせアトラクションですから翌日には忘れますw

それで良いんじゃないでしょうか。ゴジラとキングコングが闘う映画に、感動とか教訓とか求めてもしょうがないですから。



前作まではSF的な要素がまだあったと思うけど、ここまで来るとほぼファンタジーで、リアリティーを求める方にはオススメ出来ません。

思えばオリジナルの東宝版『ゴジラ』シリーズも回を重ねる毎にファンタジー化してましたから、そこまで忠実に再現してるレジェンダリーはむしろ天晴れかと思います。

ただ、すこぶる残念だったのが、小栗旬くんの扱われ方。以下、ネタバレになります。



メカゴジラの登場が今回最大のサプライズで、それを操縦するのが小栗くん扮する芹沢蓮っていう男なんだけど、映画を観る限りじゃ彼が何者でなんの為に命懸けでメカゴジラを動かしてるのかが全然わかんない!

実は2作目で亡くなった芹沢博士(渡辺 謙)の息子で、父親が怪獣研究に没頭するあまり家庭をないがしろにした。だから怪獣を恨んでて、怪獣を倒す為に開発されたメカゴジラの操縦を志願したっていう設定がちゃんとあり、それを解説するシーンも撮影されてたのに、ばっさりカットされちゃったんだそうです。

その上、平成ゴジラ「VSシリーズ」の釈由美子さんみたいにメカゴジラに乗り込むのかと思いきや、離れた場所から脳髄をシンクロさせて遠隔操作するというマトリックス方式。しかも、さぁいよいよ出撃するぞ!って時にメカゴジラが自分の意志で暴走し始めて、けっきょく小栗くんは全く活躍しないまま死んでしまう! そりゃあんまりだ! なんかダサいぞ!?

まぁしかし、ハリウッド映画におけるアジア人俳優の扱われ方って、だいたいこんなもんですよね。大河ドラマや日曜劇場で主役を張ってる小栗君とてこのレベル。渡辺謙さんが如何にスペシャルな存在であったかをあらためて痛感させられます。

で、そんな謙さんをも遥かに超える日本のスーパースターがGODZILLAなんですよね。アメリカが生んだスーパースターであるKING KONGと互角どころか、まともに闘ってゴジラに勝てる怪獣はいないって認めるような描き方してますから。ゴジラって、下手すると日本人よりアメリカ人の方にこそ人気があるのかも?



そんなワケで小栗くんは残念だったけど、ハリウッド大作の撮影を経験出来ただけでも得るものは大きいでしょうから、今後の活躍にますます期待です。

ちなみに本作を彩る女優陣は『ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ』(’19) に続いてご登場のミリー・ボビー・ブラウンさんと、キングコング研究チーム・リーダー役のレベッカ・ホールさん、コングと対話できる少女役のケイリー・ホトルちゃん、そしてボインぼよよ〜ん!と味方を裏切っちゃうセクシー博士役の、エイザ・ゴンザレスさん。このボインを見よ!↓


 

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『マトリックス レザレクションズ』

2022-01-04 22:22:07 | 外国映画

こちらは公開が始まったばかりなのでネタバレは控えますが、それでも先入観を持たずに観たい方には読まないことをオススメします。

1999年に公開された『マトリックス』第1作目はとても面白く、当時まだ自主制作映画をやってた私は大いに影響を受けたけど、多くの映画ファンがそうだったように2作目、3作目と進むにつれ満足度は急降下。

1作目でスカッと解決した話を2作目以降で掘り下げて行く手法だったと思うけど『スター・ウォーズ』みたいには上手くいかず、私は1作目しかDVDを持ってません。

しかし超人的アクションに「仮想現実」っていう理由をつけてリアリティーを持たせるアイデアは(ジャパニメーションのパクリだとしても)画期的だったと思うし、あそこまでオタク臭に溢れたハリウッド大作もそれまで無かったから、やっぱり忘れられない作品の1つです。

で、まさかまさかの、約18年ぶりとなる続編の登場です。監督のラナ・ウォシャウスキー、主演のキアヌ・リーブス&キャリー=アン・モスもそのまま続投!となれば観ないワケにいきません。

もうねぇ、面白いかどうかはどっちでもいいんですw かつて熱狂させてくれたヒーローたちが老体に鞭打ってカムバックしてくれる。それを「見届けたい」っていう思いだけで私は映画館に足を運ぶ。今やモチベーションがそこにしか無いんです。

だからここ数年はハリソンやスタローンやシュワちゃんの映画しか劇場では観てませんw まだまだ現役って感じのキアヌやトム・クルーズの映画も観てるけど、彼らだってけっこうな歳ですからね。旬の若いスターたちには全く興味が湧きません。



さて、そんなワケで観て来た『マトリックス レザレクションズ』ですが、私にはサッパリ解りませんでしたw 何をやってるのか解んない、何を目指してるのかも解んない。

当然、しっかりと練られたストーリーがあって言わんとするテーマもあるんだろうけど、それを読み解くゲームに参加するエネルギーが湧いて来ない。

仕切り直しの1本目だから、ひとまずシンプルな活劇に戻ってくれることを期待したのに、真逆でしたw より深く深く掘り下げようとするもんだから難解さがパワーアップしてる!

謎解きが大好きな人はもしかしたらハマるかも知れないけど、いくつになっても悪者をぶっ殺してスカッとしたい私には要らないんです、謎解きなんてのは。

エンドクレジットの最後に昨今流行りのオマケ映像があるんだけど、なんかスタッフらしき人たちが楽屋オチみたいなコントをやってて、これもサッパリ解んない!w

たぶん、わざと中身の無いことをやって、オマケ映像で次回に期待を持たせるアメコミ映画の手法を皮肉ってるんだろうと私は解釈したけど、なんにせよ豪快にスベってましたw



どうやら世間でもこの作品は酷評されてるみたいです。そうなると大ヒットとは行かず、さらなる続編の製作は難しいかも知れません。

でもねえ、私はつくづく思いました。ここまで豪快にスベってくれたら、むしろ清々しいですよ!w いやホントに、やっちゃったねえ〜とは思うけど、不思議と腹は立ちません。

日本の映画やドラマでこういう大作をやると、あらゆる保険をかけて無難に無難に作るから、ここまで豪快にはスベリようが無いワケです。

同じ失敗作でも、思いっきり金をかけてやりたい事をやり切った作品と、とにかく失敗しないよう失敗しないよう無難に無難に作った作品と、一体どっちが観てて楽しいか、言うまでもないですよね?

どれくらい豪快にスベってるか、ある意味オススメですw もしかしたら後々「カルト」と呼ばれる作品になるかも?



でも、サッパリ解らなかったって書きましたけど、ネオ(キアヌ)とトリニティー(キャリー)の純愛物語だけはベタと言っていいほどストレートで、そこに重点を置いて観ればけっこう泣ける映画かも知れません。

ちょっと『時をかける少女』とか『君の名は。』的な要素もあるんですよね。意外と女性にはウケるかも?


 


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『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』

2022-01-03 19:32:27 | 外国映画

ご存知ジェームズ・ボンドの華麗なる活躍を描くスパイアクション・シリーズの第25弾。6代目ボンド=ダニエル・クレイグの最終作を観て来ました。

こないだの記事に書いた通り、私としては残念な内容でオススメ出来ないし、もう公開期間もほぼ終わりなので、結末を言っちゃいます。シリーズの熱心なファンで、万が一まだ観てない方がおられたら、ここから先は読まないで下さい。



率直に言います。今回、ラストシーンでボンドが死んじゃいます。「実は生きてました」っていう逃げ道を自ら断つような死に方だし、ダニエルは前作で辞めるつもりだったらしいから、ハッキリ死んだと断言して良さそうです。

簡単に言えば世界の平和を守るための自己犠牲。ありとあらゆる作品で描かれて来た殉死のパターンで、驚きがあるとすれば「えっ、007映画でそれをやっちゃうの!?」っていう驚き。

だけどダニエル・ボンドのシリーズは明らかに以前のシリーズとは一線を画しており、どんどんシリアスな方向に来てましたから、私はさして驚いてません。そこに至るまでのストーリーが面白ければ感動したかも知れないけど、途中ですでに冷めてたもんで「ああ、ソレやっちゃうんだ」ってな受け止め方しか出来ませんでした。

私の感性が老いたせいもあるだろうけど、前々作あたりから「コレじゃない」感が増してたし、あまり期待もせず「とにかく見届けたい」っていう思いだけで観ましたから。もし10年前に同じことやられたらハイパー激怒したかも知れないけれど。



ドラマ『アバランチ』最終回のレビュー記事に書いた通り、私はアクション物に対してカタルシスを常に求めてますから、スカッと出来る場面が無いと評価がグンと下がっちゃいます。

ボンドが死ぬのは別に構わないけど、そこに至るまでに1つでもスカッとさせてくれる場面が欲しかった! オープニングから終始一貫して空気が重かったのが最大の不満点。私は007映画にシリアスさは求めない!

別にロジャー・ムーア(3代目)みたいにいつもフザケてろとは言わないけど、ダニエル・シリーズはやっぱ別物でしたね。格好良かったけど好きにはなれなかった。

ちなみに007シリーズそのものが今回で終わるワケじゃなさそうです。007は「ただの数字」って劇中で繰り返し言ってたし、最後に「ジェームズ・ボンドは帰ってくる」っていうテロップも出てました。(昨今流行りの“別ユニバース”のボンドだと言い張れば何度でも甦れます)



今回のボンドガール(今はそう呼んじゃいけないんでしたっけ?)は前作に続いて『アデル、ブルーは熱い色』のレア・セドゥ、そして『ブレードランナー2049』のアナ・デ・アルマス!



アナが演じた新米スパイ=パロマが活躍するシーンだけは「これぞ007映画!」って言えるユーモアに溢れて、ダントツに面白かった! ところが残念なことに出番が少ない!w

やっぱりねえ、せめて『007』ぐらい楽しく観させてよって思う。いくらバカバカしくたって許されるシリーズなんだから! 時代によって作風が変わるのは仕方ないけど、根底から変えちゃうならもう『007』でなくたってええやん!って話です。

求む、本当の意味での原点回帰! ちなみに私はピアース・ブロスナン(5代目)のボンドが一番好きです。


 

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