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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『大激闘/マッドポリス'80』#15

2021-02-08 20:20:15 | 刑事ドラマ'80年代










 
☆第15話『005便で来た狙撃者(スナイパー)』

(1980.7.15.OA/脚本=高田 純/監督=田中秀夫)

「ダンヒル」と呼ばれるニューヨークの凄腕スナイパーがジャパンマフィアに雇われ、我らが氷室キャップ(渡瀬恒彦)を殺しにやって来る!という情報をキャッチしたマッドポリスは、紅一点の悠子(堀川まゆみ)を渡米させるんだけどダンヒルの正体は不明のまま。

仕方なく日本に戻る飛行機の中で、悠子は隣席に乗り合わせたお調子者の自称ギタリスト(岩城滉一)と親しくなるんだけど、もちろん岩城さんが演じるからにはそいつがダンヒルに決まってますw

で、まんまと悠子を人質にしたダンヒルが氷室に挑戦状を叩きつけ、受けて立った氷室はマッドポリスの仲間たちと共に取引現場へと向かい、真正面から突っ込んで行くという緻密な作戦でダンヒルと対決するのでした。……以上w

相変わらずドラマらしいドラマも捻りも無いこの番組は、レビューするのがすこぶる楽チンw だけど二転三転四転する内にどーでも良くなっちゃう昨今の謎解き「だけの」刑事ドラマより百万倍は面白い!

特にラストシーン。狙撃に失敗したダンヒルは逃走し、新宿の雑踏内へと消えるんだけど、氷室キャップはビルの屋上から狙撃スコープで彼を見つけ出し、愛銃M16アサルトライフルでその眉間を撃ち抜いちゃう。騒然となった群衆を背に平然と帰路に着いたキャップが、ふとカメラ(つまり我々)に向かって指鉄砲をBANG!!とキメたところでジ・エンド。渡瀬恒彦さんならではの茶目っ気で、たぶんアドリブでしょう。

かかか、かっこいい! クールだよヤバいよおいちょ待てよ!

それに比べ、新田刑事=片桐竜次さんのアドリブは今回どうでしょう?w ジャパンマフィアの手下どもと銃撃戦を繰り広げ、背後から狙われるも振り向きざまにマグナム44をぶっ放し、ニヤリと笑ってこの一言。

「こういうのを間一髪っちゅーのかな?」

なにが面白いのかさっぱり分かりませんw(今回もw)

それもこれも現在のテレビ番組じゃ決して観られない、俺ジナル溢れる漢の世界。観られたとしても今の若い俳優さんには似合いません。

雑踏の中で犯人を射殺して終わり、なんて締め括りも現在の地上波ドラマじゃあり得ないでしょう。ただ突っ立って謎を解くだけの刑事ドラマが悪いとは言わない。けど、猫も杓子もそればっかりじゃつまんない。俺ジナルが足りないんですよ俺ジナルが!

ところで今回、清水峰夫さんのナレーションにより「ジャパンマフィアにようやく翳りが見え始めた」って最後に語られるんだけど、ニューヨークの殺し屋がひとり死んだぐらいでなぜ?っていう疑問に答えようともしないまま次回、唐突に『大激闘/マッドポリス'80』は最終回を迎えますw

その理由は過去の記事に何度となく書いて来ましたが、次回レビューにてあらためて解説させて頂きたいと思います。


 


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『Gメン'75』#268

2021-01-23 00:05:05 | 刑事ドラマ'80年代









 
☆第268話『Gメン 対 世界最強の香港カラテ PART2』

(1980.7.19.OA/脚本=高久進/監督=鷹森立一)

謎の風来坊=ドラゴン(ブルース・リィこと何宗道)は、実は香港警察本部の周警部(高品 格)と繋がっていた!

当初は日本総領事官の身代金100万ドルをネコババして山分けするつもりだったけど、正義感に目覚めた周警部が香港ギャングに殺されてしまい、復讐を誓ったドラゴンはGメンと協定を結び、東南アジア最凶の犯罪組織と死闘を繰り広げるのでした。

……てな感じで、ストーリーは完全にドラゴンを中心に回っており、最強の用心棒にしてボクらの筋肉アイドル=ヤン・スエとクライマックスで対決するのもドラゴン、香港ギャングを壊滅させるのもまたドラゴン。

Gメンは途中でギャングの雑魚どもと闘いはするものの、あとは全部ドラゴンに任せて香港ツアーを満喫w 黒木警視正(丹波哲郎)と立花警部(若林 豪)に至っては東京から「早く解決させろ」と電話でハッパをかけるだけで、いっさい仕事をしていない!w 丹波ボスはいつもの事だけど、いよいよ若林さんまで!w

てなワケで私はいまいちノレなかった今回の香港カラテ前後編だけど、そもそも『Gメン'75』がレギュラーの刑事よりゲスト(犯人や被害者)側を主役にしがちな番組ですから、単に自分の好みに合わなかっただけのこと。もしかすると当時のチビッコたちは「うわっ、ブルース・リーが出てる!」ってw、まんまと騙されて熱狂してたのかも知れません。

そんなブルース・リィ(黎小龍)さんに興味がおありの方には超オススメですw

元々はジェームズ・ホーという芸名でスタントマンをされてたのが、ブルース・リー御大が亡くなってからソックリさんとして担ぎ上げられ、御大の伝記映画や続編、バッタもん映画でさんざんモノマネをやらされて、ご本人はきっとウンザリされてたんでしょう、今回のOPタイトルには本名の何宗道(ホー・チョンドー)でクレジットされてます。

それでも役名は「ドラゴン」でヌンチャク技をやらされてますから、リー御大の呪縛から逃れることは出来ず、やがて映画界からフェードアウトされていく事になります。

世紀のカリスマ・スターに似てなければスタントマンだけで終わってた筈で、果たしてどっちの道がご本人にとって幸せだったのか、我々には知る由もありません。ただ、こうして日本のTVドラマで堂々と主役が張れたんだから、そっくりさん稼業も捨てたもんじゃありません。

セクシーショットは4代目となる女性Gメン=吹雪杏子を演じられた中島はるみさん、当時21歳。グラビアモデルからスタートされ、深夜バラエティー『11PM』のカバーガールに選ばれた'80年に『Gメン~』にも抜擢され、翌'81年には歌手デビューも果たされてます。'89年に結婚・引退されるも2013年に復帰、最近では『警視庁・捜査一課長2020』#15にもゲスト出演されてます。

ちなみに上の画像2枚目と3枚目で中島さんと一緒に写ってる女性は、日本総領事官の娘を演じられた好井ひとみさん、当時20歳。この方も竹井みどりさんに負けじと通算7回『Gメン~』に登場されてる常連ゲストで、後に『仮面ライダーBLACK』('87~'88) の敵幹部「大神官ビシュム」役で注目される女優さんです。

コメント (2)
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『Gメン'75』#267

2021-01-21 23:13:11 | 刑事ドラマ'80年代










 
☆第267話『Gメン 対 世界最強の香港カラテ』

(1980.7.12.OA/脚本=高久進/監督=鷹森立一)

香港の日本総領事官が、東南アジア最凶の犯罪組織=香港ギャング(用心棒はもちろんボクらの筋肉アイドル=ヤン・スエ!)に誘拐された!

香港ギャングは日本政府を相手どり100万ドルの身代金を要求! 密命を受けた警視庁の南雲警視(川津祐介)は、Gメンの中屋(伊吹 剛)、島谷(宮内 洋)、田口(千葉 裕)、吹雪(中島はるみ)と合流して香港へ飛び、香港警察本部の周警部(高品 格)の協力を得て、香港ギャングと血で血を洗う死闘を繰り広げるのでした。アチョーッ!!

……って書くと面白そうなんだけど……w

どうにも困ったことに、肝心のGメンがあまり活躍しないんですよね。『Gメン'75』の代名詞とも言えるこの「香港カラテシリーズ」って、そもそもGメンのカラテ番長=草野刑事(倉田保昭)のアクションを存分に見せる為の企画だった筈で、倉田さんの降板後は我らがV3(ブイスリャアアアーッ!!)こと宮内洋さんがその座を引き継いだものと思ってたのに、どうやらそうじゃないらしく……

じゃあ、今回の主役はいったい誰なのかと言えば、『大都会』シリーズの頃より更に体重と貫禄が増した高品格さん(ちゃんと香港人に見える!w)かと思いきやそれも違い、じゃあ筋肉がメリメリ唸るヤン・スエさんが満を持して主役に昇格!かと思えば相変わらず芝居は出来ず……w

真の主役はなんと、映画『用心棒』よろしく香港ギャングとGメンの両方にその腕っぷしをアピールし、雇わせてあわよくば100万ドルをネコババしようと企む謎の風来坊、その名はドラゴン! 演じるのはホー・チョンドー(何宗道)、別名=ブルース・リィ!w

幾多いるブルース・リー御大そっくりさんの第一人者で、香港映画やカンフー物に詳しい方なら「おおっ!」てなるかも知れないけど、そうでもない私から見れば単に得体の知れないガイジンですw

そんなよく分からん人がいくら活躍しても、どんなに凄いカンフー技を見せてくれても、気持ちが入らないもんでドラマとして楽しめません。

そりゃあ確かに、さすが本場のカンフースターだけあって、我らがGメンとは動きの速さも迫力も格段に違います。だからGメンと闘わせるよりも、香港スターどうしで闘わせる方がよりハイレベルなアクションが撮れると制作陣は判断したんでしょう。

あるいは、このシリーズが香港で大変な視聴率を稼いでるもんで、香港スターを主役にすればもっと盛り上がるだろうっていう目算があったのかも?

いずれにせよ残念です。その判断は完全に間違ってます。以前までの香港カラテシリーズは、本場のカンフースターほどは動けないGメンが、無理してバケモンみたいな敵と闘うからこそ面白かったんですよ!

少なくとも私は、カンフーそのものに興味があるワケじゃない。だから本物のカンフースターがいくら出て来ようが別に嬉しくない。(ジャッキー・チェンやユン・ピョウが出てくりゃ話は別だけど)

これって、石原プロが『西部警察』の平成復活版でわざわざ大枚叩いて海外のスーパーカーを取り寄せて、扱いきれずに事故を起こしちゃった愚行と似てませんか? ファンは(少なくとも私は)別にスーパーカーが見たいんじゃなくて、デコレートした日産車をスーパーマシンだと言い張る中学生感覚こそが好きだったのに!

そんなワケで今回の香港カラテはイマイチなんだけど、日本のテレビ番組でこんな事やってた時代がやっぱり懐かしいし、観たことない読者さんにも雰囲気だけ味わって欲しくてレビューしました。

セクシーショットはドラゴンの妹(つまり香港娘)を演じられた、当時21歳の竹井みどりさん。刑事ドラマのミューズと呼ばせて頂きたい女優さんの一人で、この『Gメン'75』だけでも10回近くゲスト出演されてます。
 

コメント (4)
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『太陽にほえろ!』#420

2021-01-05 00:00:15 | 刑事ドラマ'80年代










 
☆第420話『あなたは早瀬婦警を妻としますか』

(1980.8.22.OA/脚本=柏原寛司/監督=鈴木一平)

まあ私としてはロッキー(木之元 亮)が結婚しようがしまいがどーでもいいんだけどw、お相手が後にマミー刑事となられる早瀬令子さん(長谷直美)となるとレビューしないワケにはいきません。

#407『都会の潮騒』で急接近してから3ヶ月ほど経ち、どうやらチョメチョメを繰り返す仲になった2人なんだけど、令子はプロポーズを待ってるのにロッキーがどうにも煮え切らない。

顔を毛むくじゃらにしながら「刑事の仕事と家庭は両立出来るものなんですか?」と訊ねてくるロッキーに、長さん(下川辰平)は「ボンや殿下のことを考えてるのか?」と坊主頭を研磨しながら鋭いツッコミを返します。

そう、いつ命を落とすことになるか分からない危険な仕事……と言うより危険な職場に身を置くロッキーとしては、令子をいずれ不幸にしてしまうかも知れないことが怖い様子です。(実際、そうなっちゃうワケですが)

そのくせ、令子との約束をすっぽかして張り込みを続け、スニーカー(山下真司)に「電話ぐらいしてあげればいいのに」ってもっともなことを言われても、毛だらけの顔をキリッとさせて「いいんだ!」とか言ってるロッキーが、ほんと古臭くてダサいですw

私がいつもロッキーを笑いのネタにしたくなる理由が、これでハッキリ判りました。そう、古臭くてダサいからですw キャラクターも演技スタイルもアクションも、格好のつけ方に至るまで何もかもが古臭くて、ダサい!w

そんな七曲署で最もダサい人が一時期、若手刑事の筆頭=番組の看板役を務めようとしたもんだから、あやうく『太陽』は沈みかけたんです。ダサいのに思いっきり二枚目を演じるもんだから、見てて痛々しかったワケです。

ロッキーをちゃんとダサい人として扱うボン(宮内 淳)がいてくれる内は、痛々しくならずに済んでたんです。そしてその役目をこのたびドック(神田正輝)が引き継いでくれたお陰で、彼は相変わらずダサいままでいられる。だからドックは救世主だって言うんです!

そして#407のレビュー記事にも書いた通り、令子さんと結婚することによって新たな「ホームドラマ担当」としてのポジションを得られるんだから、ほんとロッキーじゃなくてラッキーそのもの。令子さんの尻に敷かれてこそ本領発揮ですよマジで!

なんかボロクソ書いちゃってますけどw、私は決してロッキーも木之元亮さんも嫌いじゃないんです。ただ、その演技は、そのアクションは古臭くてダサいですよってw、見てるとどうしても言いたくなる。それを劇中で代弁してくれる人がようやく現れたと、そういうワケなんです。

閑話休題。たとえ古臭くてもダサくても、おまけに顔じゅう毛だらけでも、とにかくプロポーズしてくれなきゃ話が進まない!と不安を募らせる令子に、ボス(石原裕次郎)がフォローを入れます。

「もう少し待ってやってくれねえか? ロッキーにもいずれ分かる時が来る。ヤツ自身が生きていくのに必要な人間は誰かってことがね」

その言葉どおり、例によっていつものごとく犯人(深水三章)に追い詰められ、死を意識した時にふと令子さんの顔が頭をよぎったロッキーは、事件解決後に速攻でプロポーズし、籍も入れないまま同棲を始めたもんだから「お前ら翔びすぎなんだよ!」とボスや同僚たちに呆れられます。当時『翔んだカップル』っていう漫画(とそれを原作にした映画やドラマ)が流行ってたんですねw

そんなワケでロッキーと令子はいわゆる「電撃結婚」であり、画像のウェディング姿はナーコ(友 直子)の妄想という形で披露されました。

結婚が幸せなもんだとはどうしても思えない私は、特になんの感慨もありませんw とにかくロッキーに新たなポジションが与えられたことが、何よりめでたいと思う次第です。






 

PS. また自分でうっかり「いいね」ボタンを押してしまった。触れてしまったのは自分のミスだから仕方ないとして、それを自分で消す方法は無いのかよ、gooブログさんよ? 恥ずかしいからホント何とかして欲しい。


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『太陽にほえろ!』#419

2021-01-04 00:00:07 | 刑事ドラマ'80年代









 
登場編から3話挟んでのドック(神田正輝)活躍編。間が空いたのはたぶん、神田さんの『大捜査線』撮影がまだ終わってなかったからでしょう。

本来なら登場編の翌週に来る筈だったであろうこのエピソードで、実はただのお調子者じゃないドック刑事の本質と、そのルーツが明かされます。

また、傷心のドックをさりげなくフォローするスコッチ(沖 雅也)や、ドックに対する誤解を改めるゴリさん(竜 雷太)等、チーム内の人間模様もよく描かれた好編となってます。

加えて、以前レビューした『あさひが丘の大統領』#19でハンソク先生(宮内 淳=ボン)の高校時代のガールフレンドを演じた水原ゆう紀さんが、今回はドックの大学時代のガールフレンドとして登場されてるのも注目ポイント。ついでに『探偵物語』の撮影を終えた山西道広さんも、水原さんの同僚役でゲスト出演されてます。


☆第419話『禁じられた怒り』

(1980.8.15.OA/脚本=長野 洋/監督=鈴木一平)

東友商事の経理部長=竹下が自社ビルの屋上から飛び降り自殺します。その裏にどうやら大がかりな贈賄事件が絡んでると見て、藤堂チームが捜査に乗り出します。

そんな折り、ドックの大学時代のガールフレンド=坂上美津子(水原ゆう紀)が他殺死体で発見されます。彼女はついこないだ、日曜日に街で偶然ドックと再会し、二人でつかの間のデートを楽しんだばかりでした。

美津子は大学時代、ドックと一緒にボランティア活動に勤しみ、その熱が高じて大学を中退し、現在は福祉施設の保母さんとしてやはり熱心に働いてました。そんな彼女がなぜ殺されないといけなかったのか?

調べてみると、美津子が夜はコンパニオンとして働いていたこと、そこで知り合った竹下経理部長と何度か会っていたこと、そして彼女の勤める福祉施設に毎月100万円が寄付されてたことが判明します。

そう、竹下の弱味を握った美津子が彼を通じて東友商事を脅迫し、寄付金を巻き上げていた。そしてその重みに耐えかねた竹下が自殺し、美津子は東友商事が雇った殺し屋に消されたのでした。

しかし、竹下が死んだ時点で脅迫のネタは無くなった筈なのに、会社はなぜ美津子を殺す必要があったのか?

「危険が迫ったと判断したからじゃないですか?」

スコッチは、美津子が警察に全てを訴えるんじゃないかと、会社が恐れたからだと推理します。そのきっかけは……

「滝さん……それじゃ、俺が日曜日に彼女と一緒にいたから?」

好きだった女の子に悪魔みたいな裏の顔があり、しかも自分とデートしたせいで殺されたとあって、さすがのドックも凹みます。とことん凹みます。

「俺なのか? 俺と会ったことがキミを死に追いやったのか?!」

しかしスコッチは、あえて慰めの言葉はかけず、代わりに地道な捜査で得た手がかりをドックに伝え、ハッパをかけます。それがスコッチなりの優しさなんでしょう。

で、その手がかりを元にドックが捜査に駆け回ると、行く先々で藤堂チームの面々に出くわし、仲間の有難さを痛感するという熱い『太陽』イズム。作風は軽くなっても根っこの部分は変わりません。

その捜査により、竹下以外にも汚職の弱味を握られてた人物や会社が芋づる式に露呈し、結果的に数々の不正が暴かれることになるのでした。

ドックは、大学時代から美津子が世の中に対する不信感と、弱者が搾取され強者が私腹を肥やす理不尽に対する怒りを、人一倍強く持ってたことを思い出します。タイトルの「禁じられた怒り」っていうのはガールフレンドを殺されたドックの怒りじゃなく、美津子の持つ行きすぎた怒りの事だったワケです。

「でも、彼女がそうやって集めたカネで、現実に何人もの人間が助かってるって事も、事実なんです」

ドックは、ゴリさんに本音を吐露します。

「そりゃあ、そんなカネじゃ本当の幸せは買えないって人もいるかも知れない……でも、それは綺麗事ですよ。どんな手段で集めたカネであろうと、カネはカネなんです」

「そうか、それでやっと分かったよ」

「何がですか?」

「お前さんが刑事になったワケだ。お前は彼女と同じ動機で、世の中の矛盾や不公平と闘うために刑事になった。そうだろ?」

ドックもやはり、せっかく入った医大を自らの意志で中退し、医者ではなく警察官になった変わり者。

「冗談じゃないですよ、そんな立派な動機じゃないです。前にも言ったじゃないですか、モノの弾みでなっちゃったんです」

「へへっ、まぁいいや。そんならそういう事にしとこう」

これを機にゴリさんがドックに一目置くようになり、やがて若手を引っ張るリーダーの座を譲ることになるんですよね。それを知ってる今あらためて観ると、ちょっと感慨深いものがあります。

で、なんだかんだあって美津子を殺した実行犯も判明し、ドックが珍しく拳銃を使わずに、ドックならではの闘い方でノックアウトして見事に逮捕します。

「拳銃振り回すだけがデカじゃないんだよ。……覆面車に忘れて来ちゃった」

そんなオチをつけてロッキー(木之元 亮)やスニーカー(山下真司)をズッコケさせることも忘れないドック、やっぱ最高ですw

さて、地検特捜部も動き出し、東友商事の汚職にも本格的に捜査のメスが入ることになりました。

「手段は悪かったが、坂上美津子の怒りが1つ実を結んだワケだ」

ボス(石原裕次郎)もボスなりに、傷心のドックに気を遣ってるみたいです。

「どうだ、今夜あたり一杯やるか?」

「ボス……やっとボランティア精神に目覚めましたね?」

「え?」

「みんなに話して来ます!」

「いやいや、おいっ、ちょ待てよ!」

ホントいい職場ですよねw
 
コメント (5)
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