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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『SP/警視庁警備部警護課第四係』2007~2008

2019-06-02 00:00:18 | 刑事ドラマ HISTORY






 
2007年の11月から'08年の1月にかけて、フジテレビ系列の土曜深夜枠で放映された全11話の連続ドラマ。好評につきスペシャルドラマと劇場版が2本ずつ製作されました。

V6の岡田准一くん(あおいちゃんを返せ!)が異常に五感の発達したSP=セキュリティポリスに扮する、いわゆる「特殊能力を備えた刑事や探偵」番組のはしりでしょうか?

ジャニーズのイケメンが主役で、しかも超能力で事件を解決する刑事物なんか断じて認めたくなかった私は、評判を聞きながらも完全無視してました。

けど再放送を観たら面白かったですw とにかく岡田くんがよく動くのが素晴らしい! よく走り、よく跳んで、しかも格闘アクションにキレがある。(彼は後にカリ、ジークンドーのインストラクター資格を取得しており、元より格闘技がお好きだったみたいです)

落ち着きがなく、いつも手錠を忘れて同僚から借りる等、トボケた味わいのキャラクターも私好みです。

その相棒を演じるのがスーパーボインの真木よう子さんで、直属の上司がスーパーサラリーマン堤 真一さん。さらに松尾 諭、神尾 佑、野間口 徹、平田敦子、飯田基祐、山本 圭etc…と役者が揃ってます。

後に『BORDER/警視庁捜査一課殺人犯捜査第四係』('14) そして『CRISIS/公安機動捜査隊特捜班』('17) という刑事アクションドラマの力作を手掛けられる、金城一紀さんのオリジナル脚本で「誰にも要請されずに制作し、フジテレビに押し売りした企画」なんだそうです。

この『SP』と上記2作が言わば金城さんの刑事アクション三部作で、それ以外に私を唸らせてくれた2000年代のアクションドラマは('19年現在)ほぼ皆無ですから、今となっては貴重な作品。当時ちゃんと観て応援すれば良かったです。

ただし、テロリストが真木よう子さんを拘束しながら服も脱がさないなど、著しくリアリティーに欠ける描写があるのが残念。そこで乳を揉むのが男として最低限のマナーですからね。

そういうことも含めてTVドラマ業界、もっともっと頑張って欲しいです。
 
コメント (6)
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『ジョシデカ!/女子刑事』2007

2019-06-01 12:00:33 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2007年の秋シーズン、TBS系列の木曜夜10時枠で全10話が放映された刑事ドラマ。

東京・日暮警察署の刑事課に配属された、ドジで天然だけど射撃の腕だけはピカイチの新米刑事・畑山来実(仲間由紀恵)が、署内検挙率ナンバー1のベテラン刑事・桜 華子(泉ピン子)にシゴかれ(イビられ?)ながら連続猟奇殺人事件を捜査し、成長していく姿がコメディータッチで描かれてます。

ほか、刑事課の課長に益岡 徹、刑事に大倉孝二、鈴木浩介、本庁捜査一課の管理官に田中哲司(由紀恵ちゃんを返せ!)、警察学校の教官に片平なぎさ、TVレポーターに吉瀬美智子、華子を母のように慕う謎の韓国人にリュ・シウォン、といったレギュラーキャスト陣。(仲間さんがフジテレビで主演された刑事ドラマ『顔』と似たようなポジションで田中さんと益岡さんが出ておられるのは偶然?)

女性どうしのバディ物は珍しいし、コメディータッチも大歓迎なんだけど、このドラマに私は全く乗れませんでした。世間一般的にもそうだったらしく、視聴率が二桁に届いたのは最初の2話だけみたいです。

その主たる原因はやっぱり、泉ピン子さんにあるんだろうと思います。知名度は高いけど、刑事ドラマで主役を張るには好感度があまりに低すぎたw

いや、悪いのはピン子さんご本人じゃなく、バラエティー番組におけるピン子さんの「ご意見番」的な毒舌キャラをそのままドラマに持ち込んだ、創り手側の致命的ミスじゃないでしょうか。

言っちゃ悪いけどああいうルックスで、意地悪な性格を隠そうともせず、ダミ声と荒っぽい言葉で若者をやたら罵りまくるキャラクターは、バラエティー番組で観てる分には面白いかも知れないけど、警察という体制組織に所属するキャラクター、つまり絶対的な権力を持つ人物として見れば、これほど不愉快なヤツは他にいません。

だから、天然ボケを連発する仲間さんに大声でツッコミを入れまくるピン子さんっていう、漫才ノリの図式が全く笑えない。ただひたすらピン子さんが横柄で、仲間さんが痛々しく見えちゃうだけなんですね。

もう1つ、このドラマを観て私が不快に感じたことがあります。それは、連続猟奇殺人という深刻極まりない事件を扱いながら、刑事たちが終始フザケてること。

当時まだ若手だった大倉孝二さんや鈴木浩介さん等、小劇団系のガツガツした連中を集めればそりゃ競ってウケを狙うに決まってます。けど、単純にそれは不謹慎でしょ?って話です。あまりに正論すぎて書くのがアホらしいくらいです。

百歩譲って「彼らはバカだから仕方ない」と割りきっても、主役の仲間さんやピン子さんまで同じレベルじゃ我々はとても感情移入できません。

いや、人の生死など何とも思わない主人公がいても、それはそれでブラックコメディーとして成立するかも知れません。でも、本作の主人公たちはそんな風に描かれてません。

第1話で犯人の人質にされた女性を、仲間さんが得意の射撃で救出するんだけど、その女性が猟奇殺人の犠牲者となって遺体で発見されちゃう。

当然ながら仲間さんは大変なショックを受け、犯人を絶対に許さない!って怒りを露にするんだけど、その直後のシーンではピン子さんとの漫才ノリを再開しちゃってるんですよね。それも陰惨な猟奇殺人の現場で!

このドラマの創り手たちは、頭がおかしいんじゃないかと思いました。よっぽどモラルが麻痺してるのか、前後の流れを考えずに撮影してるのか、いずれにせよ人間として大事な何かが欠落してる……としか思えません。そういう番組がこの時期から増えて来たような気がします。

調べたら『ジョシデカ!』の脚本家=秦 健日子(はた たけひこ、男性)さんは篠原涼子主演の刑事ドラマ『アンフェア』の原作者。道理で、何もかもがゲーム感覚なんですよね。

『アンフェア』は(原作は読んでないけどドラマ版は)作風がシリアスだからそれほど違和感なかったけど、この『ジョシデカ!』みたいにベタベタなコメディーで陰惨な猟奇殺人を扱うのは、どう考えてもアンバランスだし不謹慎。そんな脚本に誰も異を唱えない制作現場が私には信じられません。

加えて、当時の「韓流ブーム」に乗っかって、リュ・シウォンとかいうロクに芝居も出来ない韓国人俳優をやたらフィーチャーする姿勢にも辟易したし、刑事ドラマフェチの私をして「見てられない」とまで言わしめた作品は、これを除けば香取慎吾くんの怪演が炸裂しまくる『MONSTERS』とクドカンさんの『うぬぼれ刑事』ぐらいしか思い当たりませんw

あともう1つ、主役コンビが「女性だから」という理由でやたら差別され、邪魔者扱いされる描写もえらく時代錯誤。現実の警察が相変わらず男性社会であるにしても、テレビ界じゃ当時すでに女性刑事が主役で当たり前の時代になってましたから。

よく走り、射撃ポーズもキマってる仲間由紀恵さんがすこぶる魅力的なだけに、もうちょっと何とかならんかったの?って言わずにいられない、非常に残念度の高い作品でした。こうしてアクション系の刑事ドラマが自滅して行くんですよね……
 

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『ガリレオ』シリーズ '07~'13

2019-06-01 00:00:12 | 刑事ドラマ HISTORY







 
2007年の秋シーズン、フジテレビ系列の「月9」枠で全10話が放映された、東野圭吾 原作の刑事ドラマ……と言うよりミステリードラマ。

2013年には第2シリーズ全11話が放映された他、スピンオフドラマ2本と劇場版2本も製作された人気シリーズ。

頭脳明晰な物理学者=湯川 学(福山雅治)が、新米刑事=内海 薫(柴咲コウ)の依頼を受け、超常現象が絡む難事件の謎を解き明かすというストーリー。第2シリーズではヒロインがキャリア組の岸谷美砂(吉高由里子)にバトンタッチされてます。

ほか、北村一輝、品川祐、真矢みき、澤部佑、渡辺いっけいetc…といったレギュラーキャスト陣。

たぶん企画の原点は日本版『X-FILES』かと思われますが、この『ガリレオ』の大ヒットが日本のテレビ界を「天才(たいてい変人)が難事件の謎を解くドラマ」だらけにしてしまった、その罪は非常に重いかも知れません。

その切っ掛けを作ったのは『相棒』だけど、刑事が学者(変人)だの大富豪(変人)だのを頼るパターンが急増したのは間違いなく『ガリレオ』のせいで、近作でも『IQ246』『スニッファー』など枚挙に暇ありません。

もちろん中には面白い作品もあるんだけど、謎解きにあまり興味が無い私にとっては迷惑な事です。刑事物からアクティブな要素を奪い、すっかり地味なジャンルにしてしまった罪は本当に重い!

とは言え、最近になって初めて観た『ガリレオ』第1シリーズは、さすがに面白かったです。

同じ謎解きでも超常現象と思われた事件を物理学で解明していくストーリーはユニークだし、唐沢寿明、広末涼子、香取慎吾、堀北真希、深田恭子、久米宏etc…といったゲスト陣の豪華さは、さすが「月9」と言うほかありません。

メイン2人のキャラクターが魅力的だし、謎解きの過程も実に論理的でスリリング。このクオリティーをずっと保って行けたなら、そりゃあ大ヒットにも納得せざるを得ません。

事件の謎が深ければ深いほど喜ぶというキャラ設定は、後に登場する類似番組『MONSTERS』や『IQ246』の主人公たちも同じなんだけど、そんな不謹慎さを『ガリレオ』では「人が1人死んでるのに!」って、ちゃんとヒロインが諌めてるんですよね。それで主人公も素直に反省するという。

そんな当たり前のモラルが『MONSTERS』や『IQ246』では完全スルーされ、ゆえに主人公がただの謎解きマシーンにしか見えず、感情移入できないどころか薄気味悪くさえありました。

上記2番組の人気は『ガリレオ』に遠く及ばず、その原因を主演俳優さんの演技力と見る声も多かったけど、それ以前に当たり前のモラルすら忘れて、ただヒット作の上っ面だけ真似すりゃ当たるだろうっていう、創り手の姿勢にこそ問題があったと私は思います。

『ガリレオ』がなぜ面白くて、なぜ視聴者のハートを掴んだのか? 数ある亜流ドラマ制作者の皆さんには、もう一度この作品を観直して、よ~く考えて頂きたいもんです。
 

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『警視庁捜査ファイル/さくら署の女たち』2007

2019-05-31 12:00:18 | 刑事ドラマ HISTORY





 
2007年の夏シーズンにテレビ朝日系列の水曜夜9時枠で全9話が放映された刑事ドラマ。前年に土曜ワイド劇場枠で放映された2時間ドラマの連ドラ化です。制作はテレビ朝日&東映。

警視庁さくら署刑事課のメンバーを演じるのは、高島礼子、とよた真帆、岡本 麗、モト冬樹、木村 元、そして課長が眞野あずさ、鑑識課主任がはしのえみ……と、大半を女性が占めてるのが特徴で、キャッチコピーも「ここの刑事課、女だらけ」。

それ以外に特筆すべきことはありませんw 中村玉緒さん扮する姑に高島さんがいつもイビられてたり、藤田まことさんがゲスト出演して岡本麗さんに「どこかでお会いしましたっけ?」なんて言ったりと、『必殺仕事人』『はぐれ刑事純情派』のパロディや楽屋落ち(同じスタッフなんでしょう)が見られるのは楽しいんだけど、基本はありきたりな謎解き捜査物。ただそれを女性中心でやってるだけの話。

高島さん&とよたさんのコンビは格好良いし、眞野さん演じるボスもクールだし、はしのえみさんも可愛いけど、刑事ドラマとしてのクオリティーは可もなく不可もなく。

その凡庸さこそが、特筆すべき事なのかも知れません。女性ばかりのサスペンスドラマとなれば、昔ならお色気サービスが必須だったけど、それ無しでも番組が成立するようになったワケですから。

でも、それがイマイチ面白さに繋がってない。カッコイイ美人刑事たちが、なぜかそれほど魅力的に見えない。やっぱり美人刑事は掃き溜めに鶴、いかつい男どもの中にいてこそ輝くのかも知れません。やっぱり、脱ぐべきなんですよね。

それはともかくこの時期、テレビ朝日&東映による謎解き刑事ドラマのフォーマットがすっかり定着して来ました。主役を1人の天才(たいてい変人)に絞るかチームにするか、それを誰が演じるかだけの違いで、内容はどれも似たり寄ったり。

そんな番組が安定した視聴率を稼ぐもんだから他の民放各局もこぞって模倣し、やがて似たような刑事ドラマばかりが溢れかえる無個性の時代が到来します。タイトルからして『警視庁なんたら課チョメチョメ班』みたいなのばっかりで。

それは如何に他の番組と違うことをやるかを第一に考え、各局が激しく個性を競い合った昭和時代の熱い刑事物ブームとは全く質が違ってて、無難に数字が取れる番組作りのフォーマットに旬の人気俳優たちをただ当てはめただけの、言わば流れ作業。斬新な企画が浮かばないから刑事物でお茶を濁しとけっていう制作姿勢。

かつてはテレビの花形、各局の4番バッターだった筈の刑事ドラマが、ただ番組編成の穴を埋めるだけの下位打線、ホームランなどハナから期待されないバント要員に成り下がっちゃうワケです。

もちろん下位打線もバント要員もいないと困るワケだけど、彼らの全盛期、その華やかなりし黄金時代を見て来た世代としては、実に寂しい。後はもう引退を待つだけの状態ですからね。

そんな時代の刑事ドラマをレビューしてると、このブログまで活気が無くなって来たような気がしますw
 

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『その男、副署長』シリーズ '07~'09

2019-05-31 00:00:05 | 刑事ドラマ HISTORY





 
2007年の春シーズン、テレビ朝日系列の木曜夜8時枠で全8話が放映された、2時間サスペンスの帝王=船越英一郎さん初の連ドラ主演作。

好視聴率を稼ぎ、2008年の夏シーズンと2009年の秋シーズンに続編(いずれも全10話)が制作されました。

シーズン2までは『京都河原町署事件ファイル』というサブタイトルがつき、船越さん扮する池永警視は所轄・河原町署の副署長に就任したばかりの元敏腕刑事という設定。

病弱な妻の心労を減らすため内勤を志願したものの、ひたすら書類決裁に追われる日々にストレスを溜め、また事件捜査の難航がどうしても見過ごせず、やおら制服を脱ぎ捨て「俺の我慢もここまでだ!」と現場に赴き、勝手に事件を解決させて署長(萬田久子)に叱られる、っていうのがお約束パターン。

基本は内勤ゆえ手錠は持たず、犯人には自首を促す人情路線。あまり死人を出さない作劇も特徴で、当然ながらアクティブな要素は希薄なんだけど、キャラクターの魅力だけで見せ切っちゃう、船越さんならではのドラマになってます。

イケメンでも渋メンでもなく、卓越した演技力を誇るワケでもないけれど、こういうキャラクターなら船越英一郎に任せとこう、みたいな安心感、安定感こそが、この人の強みなんだろうと思います。ストーリーが地味でも退屈はさせない吸引力があるんですよね。

ほか、池永の元上司で現在は部下となる警務課長に本田博太郎、刑事課の刑事に宇梶剛士、鈴木一真、課長に石丸謙二郎、池永の妹=交通課婦警に田中美里、池永の一人娘に永井 杏、といったレギュラー陣でした。
 
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