ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『警視庁捜査ファイル/さくら署の女たち』2007

2019-05-31 12:00:18 | 刑事ドラマ HISTORY





 
2007年の夏シーズンにテレビ朝日系列の水曜夜9時枠で全9話が放映された刑事ドラマ。前年に土曜ワイド劇場枠で放映された2時間ドラマの連ドラ化です。制作はテレビ朝日&東映。

警視庁さくら署刑事課のメンバーを演じるのは、高島礼子、とよた真帆、岡本 麗、モト冬樹、木村 元、そして課長が眞野あずさ、鑑識課主任がはしのえみ……と、大半を女性が占めてるのが特徴で、キャッチコピーも「ここの刑事課、女だらけ」。

それ以外に特筆すべきことはありませんw 中村玉緒さん扮する姑に高島さんがいつもイビられてたり、藤田まことさんがゲスト出演して岡本麗さんに「どこかでお会いしましたっけ?」なんて言ったりと、『必殺仕事人』『はぐれ刑事純情派』のパロディや楽屋落ち(同じスタッフなんでしょう)が見られるのは楽しいんだけど、基本はありきたりな謎解き捜査物。ただそれを女性中心でやってるだけの話。

高島さん&とよたさんのコンビは格好良いし、眞野さん演じるボスもクールだし、はしのえみさんも可愛いけど、刑事ドラマとしてのクオリティーは可もなく不可もなく。

その凡庸さこそが、特筆すべき事なのかも知れません。女性ばかりのサスペンスドラマとなれば、昔ならお色気サービスが必須だったけど、それ無しでも番組が成立するようになったワケですから。

でも、それがイマイチ面白さに繋がってない。カッコイイ美人刑事たちが、なぜかそれほど魅力的に見えない。やっぱり美人刑事は掃き溜めに鶴、いかつい男どもの中にいてこそ輝くのかも知れません。やっぱり、脱ぐべきなんですよね。

それはともかくこの時期、テレビ朝日&東映による謎解き刑事ドラマのフォーマットがすっかり定着して来ました。主役を1人の天才(たいてい変人)に絞るかチームにするか、それを誰が演じるかだけの違いで、内容はどれも似たり寄ったり。

そんな番組が安定した視聴率を稼ぐもんだから他の民放各局もこぞって模倣し、やがて似たような刑事ドラマばかりが溢れかえる無個性の時代が到来します。タイトルからして『警視庁なんたら課チョメチョメ班』みたいなのばっかりで。

それは如何に他の番組と違うことをやるかを第一に考え、各局が激しく個性を競い合った昭和時代の熱い刑事物ブームとは全く質が違ってて、無難に数字が取れる番組作りのフォーマットに旬の人気俳優たちをただ当てはめただけの、言わば流れ作業。斬新な企画が浮かばないから刑事物でお茶を濁しとけっていう制作姿勢。

かつてはテレビの花形、各局の4番バッターだった筈の刑事ドラマが、ただ番組編成の穴を埋めるだけの下位打線、ホームランなどハナから期待されないバント要員に成り下がっちゃうワケです。

もちろん下位打線もバント要員もいないと困るワケだけど、彼らの全盛期、その華やかなりし黄金時代を見て来た世代としては、実に寂しい。後はもう引退を待つだけの状態ですからね。

そんな時代の刑事ドラマをレビューしてると、このブログまで活気が無くなって来たような気がしますw
 

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