goo blog サービス終了のお知らせ 

ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『刑事のまなざし』2013

2019-09-05 00:00:23 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2013年の秋シーズン、TBS系列の月曜夜8時「月曜ミステリーシアター」枠で全11話が放映された刑事ドラマ。薬丸岳さんの同名小説を映像化した作品です。

少年鑑別所で更正のサポートをする法務技官から警察官に転職し、東池袋署・刑事課強行犯係に配属されて43歳の新米刑事となった男=夏目信人(椎名桔平)が、カウンセラーにも似た眼差しで被害者やその遺族の感情に寄り添いつつ、殺人事件の謎を解いていきます。

要は巷に溢れる人情系ミステリー番組の1本に過ぎない、ってことで放映当時は即座に切り捨てたんだけど、今あらためて観ると非常に丁寧に創られた作品で、泣ける謎解きドラマをお求めの方にはオススメ出来そうです。

夏目が法務技官から刑事に転職したのは、幼い娘が通り魔事件の被害に遭って植物状態となったのがキッカケで、救うべきは加害者より被害者だと思い直したから。

そんな背景があるだけに、扱われる事件の内容も毎回ヘビーで、例えば初回はシングルマザー(森口瑤子)の家に住みついたロクデナシ男が放火で殺され、そいつとの再婚に反対してた息子(野村周平)が自首するんだけど、夏目刑事は真犯人が母親であり、息子は母親から逃げたくて自首して来たことを見抜きます。

つまり、母親は息子を殺すつもりだったのに手違いで交際相手を死なせてしまった。動機は、息子を誰よりも愛してるがゆえに、その存在を消さないと自分の(女としての)幸せを犠牲にしてしまいそうだから、という恐ろしく身勝手なもの。

全く有り得ない話じゃないにせよ、あまりにレアケース過ぎて私は感情移入しづらいです。ただ、心が壊れかけた息子に人間らしい感情を取り戻させる為に、夏目が植物状態の我が娘の姿を見せて励ますラストシーンには、野村周平くんの好演もあって泣かされました。あくまでも被害者を救済していくドラマとして、実に正しい結末だったと思います。

かように人間の心情が多面的に描かれ、心理学ドラマとしての見所もあり、謎解きにも捻りが効いてて力作だし、良く出来た作品だとは思います。ただし、毎週観たい作品かと問われると、やっぱり私は「いや、それほどでも」と言わざるを得ません。

いつも書いてるように、私は「良いドラマ」が観たいんじゃなくて「面白いドラマ」が観たい。どんなに真摯な姿勢で創られ、どんなにクオリティーが高くても、そこに新鮮な「面白味」が無いとダメなんです。

あまりにマイペースな夏目刑事に同僚たちが振り回されるコミカルな描写もあるにはあるんだけど、そういうのは過去のドラマでさんざん見て来ましたから「ああ、そのパターンね」ってなもんでスパイスとしては効き目が弱い。その程度の面白味じゃ重いストーリーに弾みはつきません。

やっぱり、あまりにも型に嵌まり過ぎてるんですよね。主人公のキャラクター、同僚刑事たちの配置の仕方、ストーリーの進め方、まとめ方、そして泣かせパターンと、鉄壁とも言えるスタンダードスタイルから一歩もはみ出さない。

真犯人が最も意外な人物であることすらお約束の1つですから、もはや新鮮な驚きはどこにも無い。真面目にやればやるほどそうなっちゃう。刑事ドラマに新鮮さを求める方が不毛なのかも知れないけど、新番組なんだから何かしらの新しさは示して欲しいです。当然の欲求です。

結局「誰がどう演じるか」で観るか観ないか決めるしか無く、椎名桔平さんは良い役者さんだと思うけど、私の眼差しを釘付けにするだけの魅力は(今回のキャラクターには)無いと言わざるを得ません。

ほか、強行犯係の係長に要潤、ベテラン刑事に松重 豊、紅一点に小野ゆり子、心理カウンセラーに板谷由夏、本庁捜査一課刑事に北村有起哉、夏目刑事の妻に吉田 羊、娘に山田杏奈、小料理屋の店員に藤本 泉、といったレギュラーキャスト陣。小野ゆり子さんは前年に大森南朋さんと結婚されたばかりでした。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『刑事110キロ』シリーズ '13~'15

2019-09-04 12:00:15 | 刑事ドラマ HISTORY









 
第1シリーズ全8話は2013年、第2シリーズ全6話は翌'14年、それぞれ春シーズンにテレビ朝日系列の木曜夜8時枠で放映されました。制作はテレビ朝日&東映。

交番巡査を長年勤めてた体重110キロの巨漢・花沢太郎(石塚英彦)が、京都府警本部の捜査一課長=錦織警視(高畑淳子)にその才能を見込まれ「課長付き特別班」の刑事に抜擢され、培って来た洞察力と持ち前の人懐っこさ(相手を油断させる笑顔)を武器に難事件を解決していく、石塚さんのキャラありきの刑事ドラマ。

楽しそうだけど「お涙頂戴」の匂いがしたもんで私は敬遠してたんだけど、最終回を観てみるとウェルメイドかつ真摯な作品で面白かったです。

レギュラー登場人物の1人である小鍋屋の女将・あかね(竹下景子)は、かつて芸妓だった時に殺人罪で逮捕され、服役後に社会復帰した人なんだけど、ひょんな事からそれが冤罪である可能性が出て来ちゃう。

本人は「間違いなく自分が殺した」「もう罪は償ったんだから蒸し返さないで欲しい」って言うんだけど、どうやら芸妓時代に妹分だった女性(中原果南)が真犯人で、彼女が当時お腹に宿してた子供の将来を守るために、独り身だったあかねが罪を被ったらしい。

課長は「真実を追及することが刑事の使命」と言い、両者に自白を促すんだけど、あかねに惚れてる太郎は「誰も幸せにしない真実」を暴くことに意味があるのか?と葛藤し、苦しみます。

通常の刑事ドラマなら、最終的には「真実の追及」を選択するしか無いワケだけど、本作は物的証拠が無いことを理由に「本人たちの意思に任せる」っていう結論を出すんですよね。あえて真犯人を見逃すワケです。

これはなかなか画期的で、最終回だから出来たことかも知れないけど、見応えがありました。

モラル的に正しい結末なのか否かは置いといて、惚れた相手の犯罪に悩み苦しむ主人公の姿には『太陽にほえろ!』のDNAを感じました。その相手役がまた、昭和の清純派女優を代表する竹下景子さんですからね。

レギュラーキャストは他に、課長付き特別班の同僚刑事に中村俊介、星野真里、捜査一課一係の係長に石丸謙二郎、刑事に陣内 将、刑事部長に嶋田久作といった面々。

好評につき続編も創られたワケですが、第1シリーズでは平均12.1%あった視聴率が、なぜか第2シリーズでは7.7%に落ち込んでます。私は未見なのですが、第2シリーズは作劇が倒叙法(冒頭で真犯人を明かす)に変更されたそうで、その影響もあったかも知れません。

そのシーズンはテレビ朝日の番組全体の数字が奮わず、テレ朝の社長が「(同時期放映の『BORDER』『TEAM/警視庁特別犯罪捜査本部』等も含めて)原因は刑事ドラマの不調にある」とし、具体的には「内容が女性視聴者に訴求できてないから」そして「謎解き要素が足りていないから」と発言されたそうです。

つまり、かねてから私が辟易してる「女性視聴者に媚びた番組創り」と「ひたすら謎解きに終始する作劇」が、視聴率を稼ぐための2大必須項目になっちゃってる。そこにいくら文句をつけたって、そりゃ変わるワケがない。

もしかすると、ドラマ制作の現場で働いてる人たちの方が、私なんかよりよっぽど辟易されてるかも知れません。刑事ドラマが「女性向けの謎解き物」ばかりになってから、もう10年以上は経ちますからね。(そのマンネリ感こそが低視聴率の原因かも?っていう発想は無いのか社長には?)

で、倒叙法にチャレンジした『刑事110キロ2』や『BORDER』みたいな意欲作、『TEAM』みたいな異色作は会議室の連中にことごとく駆逐されちゃう。(『BORDER』が単発にせよ続編制作が叶ったのは、視聴率が右肩上がりに上昇したのと、ギャラクシー賞など複数の賞を獲ったからでしょう。それでも単発ですからね)

肥大化した多くの組織と同じで、いっぺん全滅でもしない限り体質が変わることは無いんでしょう、永遠に。クオリティーが落ちようがマンネリと言われようが、視聴率さえ良ければ『相棒』も『ドクターX』も延々と続いていくワケです。破滅です。

セクシーショットはレギュラーキャストのお一人、星野真里さん。刑事ドラマのゲスト出演は多いけど、刑事役レギュラーは本作が唯一かと思われます。萌えますw
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ダブルス/二人の刑事』2013

2019-09-04 00:00:05 | 刑事ドラマ HISTORY








 
2013年の春シーズン、テレビ朝日系列の木曜夜9時枠で全9話が放映された刑事ドラマ。制作はテレビ朝日&MMJ。

新宿中央警察署の新設部署「刑事課特殊係」に赴任した二人の肉体派刑事、伊藤英明&坂口憲二の活躍が描かれます。

特殊係の同僚刑事に夏菜、内田有紀、近藤芳正、係長に平泉 成、捜査第一係の刑事に堀部圭亮、井坂俊哉、係長に室井 滋、課長に杉本哲太、署長に橋本 功、といったレギュラー陣。

そして第1話の犯人役が青木崇高、第2話が滝藤賢一&安田 顕と、今となってはかなり贅沢なキャスティング。

だけど放映当時、私はこの番組をあまり評価してませんでした。脚本の稚拙さが目につくし、各キャラクターの描かれ方も凡庸で魅力に乏しく、せっかくの豪華キャストがほとんど活かされてない。

何より、肝心の主役二人にこれといった個性が与えられず、ただ似たような熱血刑事が二人いるだけ、にしか見えないのが致命的。

私はてっきり、主役二人のキャラが被ってることを笑いのネタにする戦略だろうと思ってたのに、そんな茶目っ気も全然なくて、ホントに当時は驚きました。一体なんの為に、わざわざ似たタイプの二人を揃えたの!?って。

肉体派コンビならせめて、眼を見張るようなハードアクションを見せて欲しいんだけど、それも何だか淡白で消化不良。期待してたからこそ失望も大きく、かなり辛い評価になりました。

今あらためて観ても、そういった感想は変わりません。心底、勿体無いなあって思います。

けれどやっぱり、ただ突っ立って謎解きするだけの刑事物を観てるよりは、ずっと楽しいんですよね。イキのいい刑事が汗を流して全力疾走し、悪党を思いっきりぶん殴る姿を見るのは、やっぱり気持ち良いもんです。

近年でも『BORDER』や『CRISIS』といった作品が素晴らしいアクションを見せてくれたけど、お話が重いのが私にとってはマイナスポイント。

この『ダブルス』ぐらいの軽いタッチで、もうちょっと脚本のしっかりしたアクション刑事ドラマがまた創られることを期待してます。頑張れ、アクションドラマ!
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『めしばな刑事タチバナ』2013

2019-09-03 12:00:11 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2013年の春シーズンにテレビ東京の水曜深夜枠で全12話が放映された、週刊アサヒ芸能の連載マンガを実写化した45分枠(正味30分)の連ドラ。佐藤二朗さんが主演してること以外、全く予備知識なく観たもんで、驚きましたw

いちおう事件が起きて、容疑者が城西警察署に連行され、主人公の立花警部が取り調べをするんだけど、全編ひたすらメシの話しかしないんですよねw タイトルの「めしばな刑事」とはそういう意味だった!

しかも、第1話のお題は立ち食いソバ、第2話は袋入りインスタントラーメンと、身近なものばかり。「食」をテーマにしたドラマは女性向けと私は決めつけてましたが、本作に限っては男性向けでしょう。

なにしろ婦警役のレギュラーが、AKB48でお色気担当だった河西智美さんに、セクシーグラドルから女優に脱皮中の間宮夕貴さんと佐々木心音さんという、キャスティングから見ても明らかにオッサン目線w 素晴らしい!

Wikipediaによる原作漫画の解説には「従来のグルメ漫画と趣を異にするのは、素材・栄養・調理法などに触れることが非常に少なく、店のサービス体制や歴史、あるいはその商品の価格・コンセプト・登場した時代背景や変遷に焦点を当て、さらには食べるシチュエーション・食べ方・食感にまで言及しておきながら味のことにはほとんど触れず、題材となる食材への『愛情』を語り尽くす点にある」と記されており、ドラマ版はそれをほぼ忠実に映像化してます。

グルメには全く興味が無い私だけど、こういう庶民的なものなら楽しめるし、特に第2話のお題=袋入りインスタントラーメンは私が地球上で最も愛する食品ですからw、笑ったし勉強にもなりました。

袋入りインスタントラーメンの王様が「サッポロ一番」であることに異論は無いし、その中でも「しょうゆ味」を推す立花警部は「さすが、分かってらっしゃる!」って思ったしw、その残り汁で雑炊を作るとメチャクチャ美味いっていうのはトリビアでした。

他にも「チャルメラ」「出前一丁」「チキンラーメン」「うまかっちゃん」「マルタイラーメン」「昔ながらの中華そば」「中華三昧」「マルちゃん正麺」「日清ラ王」等が登場し、勿論どれも素晴らしいんだけど、私がこよなく愛する「エースコックのワンタンメン」がスルーされてたのだけは残念。

チキンラーメンをお湯無しで噛ることを「専門用語でストレートと言うんだ」にも笑いましたw 専門用語ってw

徹頭徹尾そういう話しかしないもんで、これを「刑事ドラマ」のカテゴリーに入れて良いのか迷いましたけど、立花警部のメシ話が最終的には事件解決に繋がっていくシステムに、一応なってるんですよねw だからこれも一応リッパな刑事ドラマです。

ただ、その回のテーマとは関係ない、タイアップのお店を紹介するコーナーがある辺りに、民放テレビの限界を感じたりはします。そればっかりは仕方がないんでしょう。

毎回取り調べ室に乱入し、立花警部と激論(例えばサッポロ一番とチャルメラ、どっちの醤油味がチャンピオンか?などw)を交わすコワモテ課長に小沢仁志さん、副署長に温水洋一さん、情報屋に梅垣義明さん、といった俳優陣が脇を固めておられます。

食のウンチクもさる事ながら、佐藤二朗さんの話芸が全編に渡って楽しめる点でも、これはなかなかの掘り出し物かも?
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『実験刑事トトリ』シリーズ '12~'13

2019-08-25 00:00:16 | 刑事ドラマ HISTORY









 
NHKの土曜夜9時「土曜ドラマ」枠にて、第1シリーズは2012年の秋に全5話、第2シリーズは翌'13年の秋に全6話が放映されました。

『妖怪人間ベム』『TIGER & BUNNY』等を手掛けた西田征史さんによるオリジナル脚本で、動物学者から警視庁捜査一課の刑事に転職したばかりの中年新米デカ=都鳥博士(ととり ひろし=三上博史)が、実験に実験を重ねて論理的に事件を解決していく倒叙ミステリー。

私の場合、真犯人は誰なのか?とか、主人公の知られざる過去の秘密とは?とか、そのテの作劇にはあまり興味が湧きません。そういうのは作者が勝手に頭の中で考える事で、そんな赤の他人の1人遊びにつき合うのがバカらしく思えちゃうんですね。

予想もつかない大どんでん返しが!みたいなのも、よっぽど上手く仕掛けてくれれば楽しめるけど、別にそんなの無くてもいいよって思っちゃう。

謎解きよりも登場人物たちのキャラクターや人間模様、どんでん返しよりも感情移入出来る人間ドラマ、あるいは見応えあるアクションでこそ楽しませて欲しい。

それって結構ハードルの高い注文なのかも知れません。謎解きやどんでん返しのシナリオは、それほど才能が無くても2~3人で知恵を絞れば書ける筈です。

だけど面白いキャラクターや人間模様、感情移入出来るドラマは、書く人自身の人間性がものを言います。思慮深さや人間観察眼、感性が無ければ書けません。それこそが「才能」ってやつだと私は思います

『実験刑事トトリ』シリーズの場合、犯人は最初から判ってます。謎解きの答えが先に提示され、主人公がそこに行き着くまでの過程を楽しむドラマです。

『刑事コロンボ』で広く知られるようになった「倒叙法」の作劇で、上手くやれば通常の謎解き物よりずっと面白くなるんだけど、チャレンジする創り手が極めて少ないのは、やっぱりそれだけハードルが高い手法なんだろうと思います。

そう考えれば『古畑任三郎』シリーズを創った三谷幸喜さんは、才能だけじゃなくとても勇気のある方なんでしょう。「コロンボのパクり」って言われるのも覚悟の上なワケですから。

『トトリ』の創り手たちも同様です。巷に溢れ返る謎解きドラマの中でも、本作の面白さは群を抜いてます。同じ「ホームズ&ワトソン」スタイルでも香取くんの『MONSTERS』とは大違いw

古畑にせよ都鳥にせよ、やっぱりキャラクターが魅力的なんです。もちろん田村正和、三上博史という優れた俳優さん達が演じなければ、その魅力は充分に発揮出来なかった事でしょう。

動物学者から刑事に転職した変わり種で、何か疑問が湧くとすぐ実験して確かめないと気が済まず、それがいつも結果的に事件の謎を解く鍵になる。

こういうマニア気質のキャラクターを演じる役者さんは、ハマり過ぎると気持ち悪いし、かと言ってかけ離れたキャラでも成立しない。三上博史さんは、神経質さと大らかさを同時に表現出来る演技力と、生まれ持ったチャーミングさで、都鳥刑事をとても魅力的な人物に仕上げてくれました。

それと、古畑任三郎に今泉くんという良き(?)相棒がいたように、都鳥刑事にも安永刑事(高橋光臣)というチャーミングな相棒がいて、この2人の掛け合いが絶妙なスパイスになってます。

『トトリ』の場合は「40代の新人刑事」であるのがミソで、ずっと歳下の頼りない安永が彼を「都鳥くん」って呼んで、どう見ても安永より優秀な都鳥が「先輩」って呼んで敬語で話してる様が、そこはかとなく可笑しいw

それで安永は調子に乗ったり、時には「僕なんかより都鳥くんの方が……」ってイジケたりして、都鳥が気を遣って「そんな事ないですよ先輩」って慰めたりするw

高橋光臣さんの如何にも実直そうな佇まいが、そんな安永刑事にピッタリなんですよね。当たり役だと思います。

このコンビ以外は、仕事してるのかしてないのかよく分かんない部屋長の三船(笹野高史)と、同じくただ座ってるだけの内勤員=弥生(高橋 愛、第2シリーズから登場)の2人しか刑事部屋にいないのが、またシュールなんですよねw

ほか、バラエティー番組の人気司会者=マコリン(栗山千明)が、なぜかいつもテレビを通じて謎解きのヒントを与えてくれます。こうして書いてみると、相当ヘンな刑事ドラマですね、これw

かと言って小ネタ遊び優先で人物描写がおざなりにされる事もなく、犯罪者側のドラマも丹念に練り込まれてます。

シーズン2の第1話は、コンビでの仕事で高い評価を受けて来た建築家の男女が、男性側の結婚&独立によって関係が崩れ、計画殺人に発展しちゃうという『刑事コロンボ』にもありそうなストーリーでした。

だけど富や名誉が動機なんじゃなくて、実は心に秘めた愛情が悲劇を生んだんですね。パートナーの結婚相手を殺しちゃった女性建築家は、彼よりずっと歳上なんです。

彼女、殺害は認めても、彼への思慕は最後まで隠そうとする。木野花さんの好演もあって、仕事一筋に生きたオールドミスの悲哀が胸に迫って、私は泣いてしまいました。

粗製乱造と言わざるを得ない謎解きドラマ大繁殖のなか、さすがNHKと言うしかないクオリティーの高さで、これはオススメしたい作品です。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする