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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『ST/赤と白の捜査ファイル』2014

2019-10-13 00:00:16 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2014年の夏シーズン、日本テレビ系列の水曜夜10時「水曜ドラマ」枠で全10話が放映された科学捜査ドラマ。

今野敏さんによる警察小説『ST/警視庁科学特捜班』シリーズを原作とし、2013年に単発スペシャルとしてドラマ化した作品の連ドラ化。2015年には続編となる劇場版も公開されてます。

巷に溢れ返って見分けもつかない謎解きドラマ群の中にあって、本作は現代ならではの切り口で刑事たちの個性をユニークに描いており、また実力派を揃えたキャスト陣の魅力も相まって面白かったです。

法医学のスペシャリストだけど対人恐怖症の捜査官・赤城(藤原竜也)と、責任感は強いけど気が弱いエリート警部・百合根(岡田将生)の頼りないコンビが難事件を解決する、いちおう科学捜査ドラマではあります。

「いちおう」って書いたのは、科学捜査を謳いながらプロファイリング物の色合いが濃いのと、社会人としては問題だらけな刑事たちの成長を描くドラマになってるから。私はそこが気に入りました。

科学捜査チームを変人の集まりみたいに描くのが昨今の流行らしく、それは現実の科学捜査に携わる皆さんに失礼じゃないかと思うんだけどw、本作に登場する「ST」チームの面々は全員、変人を通り越してほとんど「病人」ですw

志田未来さんは優秀なプロファイラーだけど秩序恐怖症だし、芦名 星さんは聴覚がずば抜けてるけど閉所恐怖症だし、窪田正孝くんは武術の達人だけど先端恐怖症で自閉症だし、三宅弘蔵さんは僧侶と兼業だしw

当時プライベートで多部未華子さんのカレシだったらしい窪田くんには、さらに「警察犬並みの嗅覚」まであってw、『デカワンコ』と同じ日テレの刑事ドラマだし、こりゃ偶然とは思えない設定ですよね。(後に窪田くんは多部ちゃんに捨てられ、『東京スカーレット』の水川あさみさんと結婚する事になります)

ほか、STの監査役を務める理事官に瀬戸朝香、岡田くんの同僚である捜査一課の刑事に田中哲司、柴本 幸、林 遣都、そして元参事官でSTの設立者だけど、今は転職してカフェのマスターになってる渡部篤郎、といったレギュラーキャスト陣。

岡田くん扮する百合根は捜査一課のキャリア警部なんだけど、不本意ながらSTの「キャップ」として問題だらけのメンバーを束ねて行かなきゃいけない立場。

特に藤原くん扮する赤城は天才なんだけど(だからこそ?)他者とのコミュニケーションがすこぶる苦手で、相手の気持ちを思いやる事が出来ない。そういう先天的な病気、と言って差し支えないかと思います。

だからトラブルを起こし易く、いつも誰かがそばについてフォローし、人との接し方を教えてあげなきゃいけない。初回でも赤城が人の気持ちを理解出来ないが為に、被害者があやうく殺人を犯しそうになり、怒った百合根は赤城の頬を叩きます。たぶん、そこまで親身になって赤城と向き合おうとする人間は、これまでいなかった。

それで赤城は「慰謝料を請求するからな」とか言って強がるんだけど、そのあと独りになってから、自分がいつも現実逃避の道具にしてたユルキャラの着ぐるみを、こっそり処分するんですよね。

たぶん赤城は、初めて「自分は変わらなくちゃいけない」って思ったんでしょう。それを観て私はちょっと、ウルっと来ちゃいましたw

私にも赤城と似たような性質があるもんで、悪気はないのに人を傷つけたり、それで自分も落ち込んだりするような事がままあるんですよね。だから赤城のツラい気持ち、引きこもりたくなる気持ちがよく解ります。私はちっとも天才じゃないんだけど。

単に天才の変人刑事が突っ立って謎解きするだけのドラマなら、もう見飽きてますから1話でリタイアした所だけど、本作は違ってました。

藤原くんはこの手の曲者をやらせると天下一品だし、そんな彼を文句タラタラ言いながら放っておけない岡田くんもハマり役です。アニメキャラっぽい志田未来さんには萌えるし、芦名星さんも柴本幸さんも瀬戸朝香さんも、好きですw

屈強な相手には全く歯が立たない主役コンビのヘタレぶりも可愛いし、そういう場面になると急に活躍し始める窪田くんがまたカッコいいです。多部ちゃんが気の迷いで惚れたのも、まぁ仕方がないw

メインはあくまで謎解きゲームなのが残念だけど、同じ謎解きでも見せ方に工夫を凝らせばちゃんと面白くなるっていう、これは良いお手本になる作品かと思います。
 

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『東京スカーレット/警視庁NS係』2014

2019-10-12 00:00:34 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2014年の夏シーズン、TBS系列の火曜夜10時「火曜ドラマ」枠で全9話が放映された、東映&TBS制作による刑事ドラマ。

2020年のオリンピック&パラリンピック開催地が東京に正式決定したのを受け、海外メディアに対して日本警察のイメージアップを図るべく新設された、女性刑事をリーダーとする警視庁捜査一課「NS係」のメンバーたちが難事件の謎を解いていきます。

主人公となる熱血若手刑事=鳴滝 杏に水川あさみ、一匹狼を自称するやさぐれ警部補=阿藤に生瀬勝久、中堅刑事に菅原大吉、若手刑事に近藤公園、そして係長の出町警部にキムラ緑子、捜査一課長の岩井に中村雅俊、といったレギュラーキャスト陣。

主役の水川あさみさんは好きだし、その持ち味を活かした明るい作風も好みなのですが……

お飾りで新設された女性リーダーによる部署っていう設定にも、事件や捜査の描かれ方にも、新しさが感じられません。

冒頭、水川さんが犯人を追って走り、銭湯の男湯になだれ込んで湯船に浸かりながら逮捕するというw、アクティブで楽しい場面を見せてくれたのは良かったけど、本題に入ったらすぐフツーの謎解きドラマになってガッカリしました。

独身の水川さんが結婚詐欺に引っかかったり、相棒となる生瀬勝久さんが過去の失態で孤立してたりと、刑事たちのキャラクターが丁寧に描かれてるのはポイント高いんだけど、そこにも目新しさは感じられません。

朝ドラ『ごちそうさん』でチョー偏屈な小姑を快演された、キムラ緑子さんが係長役で良い味を出されてるし、NS係をバックアップする捜査一課長が中村雅俊さんであることも、長年の刑事物ファンには感慨深いものがあります。

でもやっぱり、何かしらのサプライズが無ければ続けて観ようという気にはなりません。冒頭シーンみたいにアクティブな描写や、お色気サービス等がもっとあれば、また違って来るんですけどねw

いやマジメな話、刑事ドラマなんて基本的にやる事はどれも同じですから、捜査以外の部分でいかに独自性を見せられるかが勝負ですよね。

だからこそ私は、刑事ドラマを観るのが好きなんだろうと思います。決まり事や制約が多くて個性を出しづらいジャンルにおいて、創り手や演じ手たちが懸命にアイデアを絞り、何とか新しいものを提供しようとする、そんな姿勢を見るのが好きなんですね。

その点で、この『東京スカーレット』はマトモ過ぎました。水川さんを主役にするなら、もっと弾けたドラマが観たかったです。
 

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『TEAM/警視庁特別犯罪捜査本部』2014

2019-10-05 00:00:25 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2019年の春シーズン、テレビ朝日系列の水曜夜9時枠で全9話が放映された、テレビ朝日&東映の制作による警察ドラマ。凡庸なタイトルから当たり障りの無い内容を想像してたら、意外とこれが攻めてるんですよね!

小澤征悦さん扮する主人公=佐久晋吾は、警視庁刑事部捜査第一課の「管理官」なんです。つまり『踊る大捜査線』でロト7狂の柳葉敏郎さんが演じた「室井さん」と同じ役職です。

その室井さんがスピンオフ映画で主役になりましたから、管理官がメインになるのは初めてじゃないにしても、珍しい事に変わりはありません。

佐久さんはノンキャリアから出世した設定ではあるんだけど、管理する側の人間が連ドラの主役を務めるのも珍しく、これは『隠蔽捜査』の好評が後押しになったのかも知れません。

それにしても、この佐久さんのキャラクターが凄い! まず、ビジュアルからして異彩を放ってます。画像をご覧ください。つのだじろう先生の漫画(恐怖新聞など)みたいな顔してますw

そしてその顔をピクリとも動かさない無表情ぶりで、いっさい感情を表に出さない。いったい何を考えてるのか、視聴者にも全く知らせてくれない人なんです。

彼が表情を動かすのは、人を利用したり騙したりする時だけ。つまり芝居を打つワケです。同じ警察の仲間でさえ、そうやって掌の上で転がしちゃう。主人公なんですよ?w

「申し訳ありませんが、あなた達は全員、駒です」

↑ これが佐久さんの決め台詞。自分が指揮する捜査員達に対して、最初の挨拶代わりに言い放つ言葉です。

さらに被せて「駒は黙って私の指示に従えば良いのです」とまで言っちゃう。もう一度書きますけど、主人公なんですよ?w

それを聞いた捜査員達がどんな反応を示すかと言えば、そりゃもうカンカンになって怒りますw 上司からそんな言われ方したら、私もカンカンになって怒ると思いますw

しかし、それすらもどうやら、佐久さんは計算してやってるんですよね。彼の言動は全て、事件を解決へと導く為に計算されたものであって、他意は全く無い。言ってみりゃ捜査マシーンです。

上下関係だの縄張りだの組織のメンツだのは一切無視して、出世にも全く興味が無い。そこまでは『隠蔽捜査』の杉本哲太さん=竜崎署長と同じなんだけど、佐久さんには人間味ってヤツが異常なほど備わってないw

軍師としては恐らく竜崎以上の能力を持ってるんだけど、人として共感出来る部分が皆無なもんでw、事件がバッチリ解決しても『隠蔽捜査』みたいにスカッとしない。

こんな主人公は見たこと無いです。素晴らしい!w

果たして最終回に向けて、少しは人間らしい部分を見せてくれるのか? 視聴者がそれまで我慢して観続けられるのか?w 私は是非とも観続けたいと思いました。

佐久管理官と真っ向から対立する捜査一課13係の係長に田辺誠一、かつて同僚だった事から佐久を少しだけ理解してる刑事に渡辺いっけい、どうやら佐久を監視する密命を受けてる管理官付運転手に塚本高史、佐久を駒として使ってる小賢しい刑事部長に西田敏行。

以上が警視庁本部のレギュラーメンバーで、毎回このチームが色んな所轄署に出向いて「特別捜査本部」を立ち上げる。

その度に佐久さんが所轄署員たちに向かって、あの恐怖新聞の顔で「申し訳ありませんが、あなた達は駒です」と言い放ち、全員がカンカンになって怒るのがお約束になってますw

それにしても、見事なほどに女っ気が無い番組です。『隠蔽捜査』には辛うじて青山倫子さんがいたし、竜崎の家族として鈴木砂羽さんや三倉茉奈さんがいたけど、このドラマに女性レギュラーは存在しませんw

なので今回のセクシー画像は、第1話ゲストの三津谷葉子さんです。


☆追記(2014年、最終回放映時の記事)

1本1本のクオリティーは高く、安定して楽しめるドラマでしたが、初回で「うわっ、なんだ? この顔とキャラクターは!?」ってw、驚かされた時のインパクトを、最後まで超える事はありませんでした。

佐久晋吾(小澤征悦)という冷徹な管理官の、人間らしい部分も徐々に見え隠れするようにはなったものの、実体は最後までヴェールに包まれたままでした。

難しいですよね。ホントは人一倍、優しい人なんだって事になれば「安易」「ありがち」「そうするしか無いよね」みたいに言われるし、かと言って冷徹なばかりだと視聴者は離れちゃうだろうし。

ただ1つ、とにかく真実を突き止める事のみに取り憑かれた「捜査バカ」で、自らの出世や組織のしがらみには一切興味が無い人である事だけは、早くからハッキリしてました。

それに、他者の気持ちが解らない人では決してないんですよね。解ってなければ、あんなに思いのまま人を操ることは出来ませんから。

人の気持ちが解り過ぎる(繊細すぎる)からこそ、ああやって常にバリアを張ってないと生きて行けないのかも知れません。

捜査ばかりじゃなく、もうちょっと佐久管理官の内面を掘り下げても良かった気がします。あえて謎のままにするっていうのも有りだとは思うけど、連ドラとしてやや単調になっちゃったのは残念でした。

それは他のキャラクター達にも言える事で、まぁ渡辺いっけいさんは美味しいポジションだったし、西田敏行さんはマイペースで適度に遊んでおられたけどw、田辺誠一さんや塚本高史さんはほとんど見せ場ナシで終わってしまい、なんだか勿体ない気がしました。

西田さんのスケジュールが取れなかったのか、代わりに佐藤浩市さんが同じポジションで出られた回があったけど、別に誰が演じても成立しそうな、ホント代役そのものでしたw 思えば贅沢な番組です。

ある意味、そういう部分で創り手は遊んでおられたのかも知れません。佐久晋呉っていうのは「策士」をもじった名前みたいだし、デン!デーン!っていう太鼓の音で始まる大袈裟なBGMも、私は毎回クスッと笑わずにいられませんでしたw

重厚なコーラスによるテーマ曲も「サクサクサク、サークサクサク♪」ってw、主人公の名前を呼んでるみたいに聞こえたりして、小澤さんの恐怖新聞顔と絶妙なアンサンブルでしたw 創り手のささやかなお遊びだったのか、私の勝手な解釈に過ぎないのか判らないけど、とにかく楽しませて頂きました。

さて、シーズン2はあるんでしょうか? 視聴率を稼げる=女性人気を集められる番組でないのは明らかですからw、難しいですよね。ここまで女性に媚びない番組って、ほんと今どき珍しい。

そういうブレない姿勢が、私は天晴れだと思います。だけどその反面、1人ぐらい女性レギュラーがいても良かったのでは?とも思います。だって、むさ苦しい画像しか載せられないからw
 
 

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『ビター・ブラッド/最悪で最強の親子刑事』2014

2019-10-04 00:00:14 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2014年の春シーズン、フジテレビ系列の火曜夜9時枠で全11話が放映された、コメディータッチの刑事ドラマ。雫井脩介さんの警察小説『ビター・ブラッド』を映像化した作品です。

新米刑事の佐原夏輝(佐藤 健)が、配属先の銀座警察署刑事課捜査第一係に張り切って出勤してみたら、自分を指導する先輩刑事の島尾(渡部篤郎)が長年会ってなかった実の父親だったから驚いた!

愛人を作って家を出て行った父親とコンビを組む羽目になった夏輝が、そのにっくき父から刑事魂を学び、失敗を繰り返しつつも成長していく姿が描かれます。

そんな基本ラインに加え、主人公がよく走り、妹とアパートで同居し、所轄署が舞台で各刑事にニックネームがついてる点から見ても、明らかに創り手は'70年代の刑事ドラマを意識しており、そう言えば名高達郎&金子信雄の主演による『おやこ刑事』なんて番組もありました。

いかにも軽いノリは'80年代ドラマをも彷彿させ、確かに懐かしさは感じるんだけど、ターゲットはあくまで2010年代の若い女性視聴者たちですから、我ら昭和世代の男を唸らせてくれるような要素はほとんど無い、と私は感じました。

主役=佐藤健くんの走る姿がちっとも格好良くないのが、私にとっては致命的だったかも知れません。チビの私が言うのも何だけど手足が短く、フォームも全然美しくない。'70年代の刑事ドラマを意識するなら、そこはもっと拘って研究して欲しかったです。

拳銃は使うけど格闘シーンがほとんど無いのもマイナスポイント。その辺はやはり女性視聴者を意識しての事だろうと思います。つまり、私みたいなオッサンは最初から相手にされてない。残念です。

ちなみに主人公=佐原夏輝のニックネームは「ジュニア」、父=島尾は「ジェントル」でした。

そして夏輝と同時に配属された新米女性刑事=前田 瞳に忽那汐里、チェイサーこと稲木刑事に吹越 満、バチェラーこと古雅刑事に田中哲司、スカンクこと富樫刑事に皆川猿時、タカこと鷹野刑事にKEIJI、課長の鍵山刑事に高橋克実、生活安全課の課長に相島一之、島尾父子をつけ狙うサイコキラーに及川光博、そして夏輝の妹(すなわち島尾の娘)に当時売り出し中だった広瀬すず(初っぱなから下着姿披露!)、といったレギュラーキャスト陣。

華やかなメンバーだし、作風も明るくアクションもあって私好み……である筈なのに、どうにも乗れないのはやはり創り手との世代間ギャップなんでしょう。本当に'70年代ドラマを愛する人が創ってたら、それだけで何か感じるものがある筈ですから。
 

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『ホワイト・ラボ/警視庁特別科学捜査班』2014

2019-10-03 00:00:13 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2014年の春シーズン、TBS系列の月曜夜8時「月曜ミステリーシアター」枠で全11話が放映された謎解きドラマ。

科学捜査班、ボサボサ頭の変人主人公、女性のボス、谷原章介さん等、同シーズン放映の香取慎吾主演『SMOKING GUN/決定的証拠』と被ってる要素が満載の番組です。

ただしこちらは民間の事務所ではなく、警視庁に新設された最新鋭の「特別科学捜査班(通称ホワイト・ラボ)」って事で、科学捜査の内容がより進んでるように見えます。雰囲気だけかも知れないけどw

扱う事件の内容も、従来の番組と何ら変わんない人情話に終始してた香取くんチームと違って、こちらの初回は物質の透明化を可能にする未来的科学を題材に扱い、それが軍事利用されるのを恐れた研究者による犯罪が描かれてました。

つまり科学の発展がもたらす功罪がテーマになってて、この番組が科学捜査のドラマである事をしっかり生かしてくれてるワケです。

捜査班のメンバーも、連ドラ初主演の北村一輝を筆頭に、谷原章介、和久井映見、宮迫博之、藪 宏太と、香取くんチームよりは新鮮さを感じる顔ぶれです。

同じ枠の前番組『隠蔽捜査』は杉本哲太&古田新太と、普段はバイプレーヤーを務める実力派を主役に抜擢してました。安易にジャニーズ保険に頼ってる番組とは、創作に取り組む姿勢が根本的に違ってます。

とは言え、そこは昨今の謎解きドラマですから、それ以上の新鮮さは期待出来ません。。科学を前面に押し出したのも初回だけで、第2話はさっそく子役をダシに使った古典的お涙頂戴ストーリーに落ち着き、私は早くもゲンナリしちゃいました。

そうなると頼みの綱はキャラクターの魅力だけ。むやみに濃い顔をして、無邪気な子供みたいな北村一輝さんのキャラは、私としては好感度大です。谷原章介さんのクールさも好きだし、ボスだからって肩肘張らない和久井映見さんもイイ感じです。

だけど引っ掛かるのが、お笑いタレントの宮迫博之さん。脚本上では明らかにコメディーリリーフとして扱われてるのに、ご本人はやけに二枚目を意識した芝居をされてるんですよねw

例えば、宮迫さんが現場検証の結果を長々と説明してるすぐ横で、北村さんと谷原さんが疑問点について勝手に喋り始める、という場面。

しばらくそのまま説明を続ける宮迫さんだけど、いつまで経っても会話を止めない2人にたまりかねて「うるさいわっ!」って怒鳴っちゃう。

たぶん脚本家さんは、その部分に関しては「お笑い」のノリで書かれたと思うんだけど、宮迫さんがあまりに真剣に怒るもんだから全然ギャグになってない。笑えなきゃ何の意味もない描写です。

いつぞやかのバラエティー番組で、芸人仲間の人たちが「宮迫は役者(二枚目)意識がやたら強い」みたいな事を仰ってました。

宮迫さんは自分にコミカルさを求められてるのを分かっていながら、わざと外した表現をされたのかも知れません。プロの芸人さんが、自分の台詞に笑いのニュアンスが込められてる事に気づかないなんて、ちょっと考えにくいですから。

自分の役割をちゃんと理解出来てないのか、自分がやりたいようにしか演じるつもりが無いのか、あるいは単純に表現力が無いだけなのか……いずれにせよ、あまり良い役者さんとは言えませんよね。

わざわざ芸人さんをキャスティングする理由って、作品に笑いの要素を加えて欲しいってこと以外に無いでしょう? 二枚目芝居なんか求めない筈です。よっぽどのイケメンならともかく……

私の眼から見ると、宮迫さんがこのドラマの足を引っ張ってます。ディレクターさんにはもっとしっかりコントロールして頂きたいもんです。

同シーズンに放映された似たような科学捜査ドラマ2本が、揃いも揃って勘違いタレントを野放しにしてる。その現実こそがギャグです。

セクシーショットは第1話ゲストのお一人、飛鳥 凛さんです。
 

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