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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『メゾン・ド・ポリス』2019

2019-12-12 00:00:45 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2019年冬シーズン、TBS系列の金曜夜10時「金曜ドラマ」枠で全10話が放映された、TBS&共同テレビの制作による刑事ドラマ。加藤実秋さんの同名小説が原作になってます。

高畑充希が所轄署の新米刑事に扮し、近藤正臣、角野卓造、野口五郎、小日向文世、そして西島秀俊らリタイア刑事たちに助けられながら事件を捜査・解決していくコメディータッチの作品です。

警察署のシーンがわずかしか無く(従って主人公を目の敵にする上司や嫌味な同僚なども登場せず)、退職刑事たちのシェアハウス「メゾン・ド・ポリス」のシーンが大半を占めてるのが、映像的に新鮮で良かったと思います。

ただしやってることは相も変わらぬ殺人事件の謎解き=犯人当てゲームですから、ちょっと目先を変えたところですぐに飽きちゃうのは目に見えてます。その謎解きがよっぽど巧妙ならともかく、初回の真犯人は容易に予想出来ちゃったし……

これで主人公が例によって「天才の変人」という手垢の付きまくった設定なら、初回リタイア間違い無しのところだけど、天才でも変人でもないごく平凡な新米刑事の成長ドラマが縦軸になってるのと、それを演じるのが芸達者な高畑充希さんであることが、あと1~2回は様子を見てみようという気にさせてくれました。

実際、初回は曲者オヤジたちに振り回される高畑さんの表情を見てるだけで楽しめました。でも、見所がそこだけじゃ1~2回で私は確実に飽きちゃいます。もし、これも初回が2時間スペシャルだったら既に飽きてるかも知れません。

『刑事ゼロ』にせよ『メゾン・ド・ポリス』にせよ、せっかくのユニークな設定が謎解きゲームの単なるスパイスに過ぎないとしたら、それは残念なことです。

特に本作はもっと面白くなる可能性を秘めてると思うので、いっそ謎解き要素をいっさい排除してでも、新鮮なサプライズをもっと見せて欲しかったです。
 

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『刑事ゼロ』2019

2019-12-11 00:00:08 | 刑事ドラマ HISTORY







 
2019年冬シーズン、テレビ朝日系列の木曜夜8時「木曜ミステリー」枠で全10話が放映された、テレビ朝日&東映の制作による刑事ドラマ。2019年秋には続編となる2時間スペシャルも放映されてます。

京都府警本部・捜査一課13係の優秀な刑事である主人公・時矢警部補(沢村一樹)が、犯人追跡中にビルから転落、過去20年間の記憶を失います。

となると、時矢が記憶を取り戻すまでの苦難を描くシリアスなドラマを想像するんだけど、さにあらず。記憶喪失がバレたら刑事をクビになる可能性が高いため、時矢はそれを上司や同僚たちに隠しながら捜査しなくちゃならないっていう、ちょっとした笑いを取るためのスパイスに過ぎないんですよね。

本筋はあくまで殺人事件の謎解きであり、20年間の記憶は無くても元来優秀な刑事ですから、見事な洞察力・記憶力・推理力で事件を解決しちゃう。結局は昨今の主流である「天才(変人)がただ突っ立って謎解きするだけの刑事ドラマ」で、これまでさんざん刑事役を演じて来られた沢村さんがまたしても主演ですから、新鮮味はカケラもありません。

要するに、ちょっとユニークな主人公をガイド役にして、視聴者が犯人当てを楽しむゲームなんですね。『トレース/科捜研の男』みたいに陰湿なゲームよりはマシだけど、いずれにせよ私のハートには何も響いて来ません。

唯一、時矢警部補の相棒となる新米刑事に扮した、瀧本美織さんの凛としたお姿には萌えますw 朝ドラ『てっぱん』の時は「ウザい」と思ってたのに、やっぱり描かれ方次第です。

ほか、13係の係長に渡辺いっけい、同僚刑事に寺島 進、横山だいすけ、時矢の元妻である敏腕弁護士に財前直見、時矢の叔父 兼 主治医に武田鉄矢、といったレギュラーキャスト陣。

初回2時間スペシャルはゲストも小林稔侍、富田靖子、高橋光臣、徳井 優etc…と豪華でした。が、いちいち初回や最終回を(引っ張る力もないのに)延長する風習もいい加減やめて欲しいです。
 

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『トレース/科捜研の男』2019

2019-12-10 00:00:07 | 刑事ドラマ HISTORY






 
2019年冬シーズン、フジテレビ系列の月曜夜9時「月9」枠で全11話が放映されたミステリードラマ。

警視庁科学捜査研究所の法医科に所属する法医研究員に錦戸 亮、新木優子、小雪、山崎樹範、岡崎紗絵らが扮し、船越英一郎らが扮する捜査一課の刑事たちから目の敵にされながら、緻密な鑑定で難事件を解決に導いていきます。

原作が元・科捜研の研究員という触れ込みの古賀 慶さんが描かれたコミックなので、科学捜査やその組織のリアルな描写が期待できそうです。

初回を観るかぎり、優秀な研究員たちによる的確な鑑定がみごとに事件の真相を突き止める描写には、確かにカタルシスを感じました。

でも……

観てて気持ち良かったのはそこだけなんですよね。他の要素が全然気持ち良くなくて、トータルで見ると圧倒的に「気持ち悪い」←主人公の口癖です。

特に私が不快に感じたポイントを3つ挙げますと……

☆その1/あまりに救いが無さすぎる事件の内容。

初回の被害者である女性は、父親からずっとDVを受けて育ち、だけど婚約者が出来たことに勇気を得て、今もDVを受け続けてる母親を救うため、初めて父親に楯突き、殴られながらも絶縁宣言をした。それでようやく長年の呪縛から解放されたと思った矢先に、なんと隣家に住む赤の他人に殺されちゃった。

つまり作者は、父親が犯人であるかのようにミスリードしておいて、意外な真犯人を最後のどんでん返しに用意していた。父親に殴り殺されるのも勿論むごいけど、それ以上に後味の悪い結末です。

で、娘に何もいい思いをさせられなかったと言って自分を責める母親に、主人公の錦戸亮くんが言うんですよね。「娘さんはきっと、お母さんを(DVから)救うために生まれて来たんですよ」って。

作者はそこで我々視聴者を泣かせたかったみたいだけど、私の涙腺はピクリとも動きませんでした。そんなの、ただひたすら悲惨なだけで、いい話でも何でもない。

こんな陰湿な話を進んで書きたがる作家さんのお気持ちが、私には全く理解できません。主人公が最後に犯人をぶっ殺してくれるなら話は別だけど、なにせ科捜研ですから逮捕すら出来ません。

これから毎週こんな陰気な話に付き合うのかと思うと、早くも私はウンザリしちゃいます。

☆その2/いちいち科捜研を目の敵にする船越刑事。

どうしても主人公を目の敵にする上司や同僚を設定しないと、ストーリーを創れないんですかね、昨今のドラマ制作者たちは? まったく猫も杓子も! ホントにもうウンザリです。

ただ不愉快なだけで面白くもなんともない人間関係を、どの作品も判で押したように見せたがる理由が、私にはこれまたサッパリ理解できません。

創り手の立場になって考えれば考えるほど解らない。私がもしドラマ制作者なら、猫も杓子も使ってるような手法は意地でも使いたくありません。たとえ原作がそうなんだとしても。たとえそれが警察組織の現実なんだとしても。

特に今回は元・科捜研が原作者なだけに、必要以上に捜査課を悪者に描いて科捜研を美化してんじゃないの?なんて邪推したくもなります。

とにかく、その描写はホントに必要なのか?って言いたくなる無駄な設定、あまりにワンパターン過ぎる設定が多すぎる! それが面白ければ文句ないけど、つまらんのだよっ!! 本当に堪忍袋の緒が切れそうです。

☆その3/主人公のあまりに暗すぎる過去。

主人公はどうやら、かつて両親を惨殺され、警察の見込み捜査やマスコミの偏見により犯人扱いされた身内が自殺したという、凄まじく暗い過去を背負ってて、だから自分の勘を過信する船越刑事と対立するワケですが……

そりゃあ、私が大好きなスコッチ刑事やブラック・ジャックなんかも暗い過去を背負ってたけど、そこまで悲惨じゃなかったですよ。いくら何でも度が過ぎてる。

その過去を小出しにして描き、謎で視聴者を引っ張ろうとする小賢しい作劇も私は大嫌い。直球で勝負せえや、直球でっ!!

やたら悲劇を描きたがる刑事ドラマは昔からあったにせよ(Gメン'75とかw)、悲しさの質が違うというか、こんな陰湿さは無かったですよ。ドラマにせよマンガにせよ、昨今は陰湿な作品が多すぎる。

確かに世の中は破滅です。お先真っ暗です。だからこそ、せめてフィクションの世界ぐらい楽しく出来んもんかいな?って私は思う。

特に刑事物なんて、元来はチャンバラ時代劇や西部劇のバリエーションですよ。無力な我々小市民に替わって悪党を懲らしめ、スカッとさせてくれる、そういうジャンルなんです。『太陽にほえろ!』以前は違ったかも知れないけど、『太陽~』を観て育った私にとってはそう。ファンタジーでいいんです。

それともう1つ言いたいのは、作者にとって登場人物は我が子みたいなもんなのです。ちゃんと魂を入れて、愛をこめて書いていれば。

あそこまで陰湿で残酷なことが書けるのは、魂なんか入れずゲーム感覚で話を作ってるか、あるいは作者自身が同じような過去を背負ってるか……それはまず無いでしょうから、登場人物を虐めて楽しむゲームなんですよ結局は。そんな遊びに私は断じて参加したくありません。

力作なのは認めるけど、力の入れどころが完全に間違ってるよと、創り手の人たちに言いたいです。ちゃんと魂を入れて下さい。キャラクターを愛して下さい。あなた方のゲームに付き合うほどこっちはヒマじゃないんです。
 
コメント (2)
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『駐在刑事』シリーズ '18~

2019-12-08 00:00:07 | 刑事ドラマ HISTORY









 
テレビ東京「金曜8時のドラマ」枠にて2018年秋に Season 1 全7話が放映され、2020年冬に Season 2 が放映予定の、テレビ東京&BSジャパン制作によるミステリードラマ。

原作は笹本稜平さんによる推理小説シリーズで、2014年から'17年にかけて5本が制作&放映された2時間スペシャルの連ドラ化です。

取調中の容疑者を服毒自殺させてしまった責任を一人で負わされ、警視庁捜査一課から奥多摩警察の水根駐在所へと左遷された敏腕警部補=江波敦史(寺島 進)が、村のお巡りさんとして難事件を解決に導いていきます。

警察の花形である捜査一課に未練はありつつ、田舎の空気や住民たちにすっかり馴染み、組織のしがらみに縛られない立場で活き活きと捜査する江波のキャラクターが小気味良く、謎解きストーリーも苦痛なく観てられます。

そんな江波をバカにしながら内心は羨ましく思ってるであろう捜査一課の管理官に北村有起哉、刑事に梨本謙次郎、山口祥行、奥多摩警察署の新任署長に黒木 瞳、署長補佐に佐藤寛太、老舗「水根旅館」の女将に市毛良枝、そして水根図書館の司書にして山岳ガイド、水根旅館「休処みやこ」の女将も務める遼子に笛木優子が扮するほか、山口まゆ、つまみ枝豆、眞島秀和、長谷川朝晴、伊東四朗etc…といった面々が連ドラ初主演の寺島進さんを盛り立てます。

そんなキャスト陣のアンサンブルもさることながら、ほかの刑事物には無い最大の見どころは何と言っても、奥多摩の美しい大自然。犯行に山岳救助のノウハウが使われたり等、都会を舞台にしたドラマとはひと味違ったサスペンスも見られて、これは一見の価値ありです。
 

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『ドロ刑/警視庁捜査三課』2018

2019-12-07 00:00:09 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2018年の秋シーズン、日本テレビ系列の土曜夜10時「土曜ドラマ」枠で全10話が放映されたコメディータッチの刑事ドラマ。福田秀さんによる人気コミック『ドロ刑』を実写化した作品です。

警視庁刑事部で窃盗事件を担当する「ドロ刑」こと捜査三課13係に配属された、やる気も根性もないチャラけた新米刑事=斑目(中島健人)が、伝説の大泥棒と云われる「煙鴉(けむりがらす)」(遠藤憲一) と仲良くなり、彼の助言によって窃盗犯を次々に捕らえていくという『ドラえもん』的ストーリー。

放映当時、私は初回の冒頭10分ほど観てすぐに視聴をやめてしまいました。理由は明白、主人公のキャラクターと主役=中島健人くんの演技にまったく魅力を感じなかったから。相棒役=遠藤憲一さんのトカゲ顔もさすがにもう見飽きたし、よほどストーリーが斬新で面白くない限り観続ける理由がない。

だけどこうして記事を書くには最初の2話ぐらいは観ないといけないので、泣く泣くDVDを借りて観直した次第です。

で、初回はやっぱり、犯人役=高橋克実さんの演技ぐらいしか見所は無かったんだけど、そのラストで「ドロ刑」の新チームが結成され、第2話からチームワークが描かれるようになって、初回とは比較にならないほど面白くなりました。

なぜ最初からそうしなかった!?w いくらエンケンさんがサポートしたって、あんな魅力ゼロの主人公がひとりで刑事ドラマを支えられるワケがない! 私と同じように初回ですぐリタイアしちゃった視聴者はけっこうな数おられた筈で、2回目から面白くなっても遅すぎる。要するに「つかみ」失敗なんです。

そりゃあ、今はダメダメな主人公でも成長していくことを前提に、長い眼で見るべきなのは分かってるけど、嫌悪感を抱くレベルまでいくとどうしょうもない。

そこは演じる役者さんの魅力でカバーしなくちゃいけないのに、ファンの方には悪いけど中島健人くんはまるでダメ。大倉忠義くんと並ぶ大根役者と言わざるを得ません。(そう言えば中島くんのお芝居は『ドS刑事』における大倉くんのそれとそっくりです)

だけどチームワークが描かれれば共演者たちの力でいくらかカバー出来ます。おっさんキャラだった『刑事ゆがみ』の時とは打って変わって天然キャラの可愛いボスを演じる稲森いずみさん、珍しくフワフワしてないキャラを演じる中村倫也くん、ゴリさんを彷彿させる丸山智己さん、関西ノリで笑わせる板尾創路さん&江口のりこさん、そこにいるだけで安心する野間口徹さん、コメディーでこそ可憐さが光る石橋杏奈さん、#01犯人役の高橋克実さんに#02犯人役の笹野高史さん等々、主人公を除けばみんな魅力的ですw

『太陽にほえろ!』ばりのニックネームをメンバー全員につけたボス自身がそれを憶えられなかったりw、BGMがなにげに『太陽にほえろ!』っぽかったり等、私のツボを刺激する要素も少なくありません。

窃盗のノウハウをかなり詳細に教えてくれるハウツー物の面白さもあり、それを防犯に役立てるという意義もありますから、主役さえ魅力的だったら私はハマったかも知れず、残念です。

アイドル歌手としては魅力的なのかも知れないけど、俳優としての魅力はゼロ。そんな人(Sexy Zoneというユニットに所属)がゴールデンタイムの連ドラで主役を張れてしまう世の理不尽。ジャニーズ・ハラスメントは未だ健在と言わざるを得ません。
 

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