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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『だから私は推しました』#03

2019-08-13 00:00:08 | TVドラマ全般









 
ドルオタ活動に夢中になることで生活にメリハリが生まれ、仕事にも良い影響が出てきた主人公の愛(桜井ユキ)。

だけど自分が「サニーサイドアップ」というマイナーな地下アイドルグループを追いかけ、ハナ(白石 聖)という劣等生アイドルを「推し」てることを、会社の同僚たちには言えないでいるし、せっかくハナからプレゼントされた応援Tシャツも人前では着れないでいる。

そんな愛とケンカ友達になりつつあるオタク番長=小豆さん(細田善彦)は、「あんたは所詮、みんながイイね!って言うものしかイイね!って言えないヤツだ」「ハナのこと誰かに紹介したことあんのかよ?」って、ズバッと痛いところを突いて来ます。

最近、俳優さんの台詞回しについて色々書いてるついでに言わせてもらうと、今回の小豆さんはストーリーの核心に触れるけっこう重要な台詞を言ってるのに、細田善彦さんの台詞回しだと(少なくとも私の)耳にぜんぜん入って来なくて、最初に観た時はうっかりスルーしちゃってました。(視聴後に公式サイトのあらすじを読んで、初めてその重要性に気づいた次第です)

元より軽薄なキャラクターで常におどけた口調なのに加え、居酒屋で呑んでるシーンでの発言だったせいもあるんだけど、たとえ同じようなキャラクターで同じようなシチュエーションでも、多部未華子さんが演じてたら全然違ってたと思うワケです。

滑舌の問題もさることながら、一言一句の強弱のつけ方、微妙なアクセントの置き方1つで伝わり方が違って来る。それはもう、技術を磨けばどうにかなるもんじゃなくて、脚本と演出の意図をパーフェクトに理解し、それを最も的確な表現に繋げていく天性のセンスと、頭の良さがものを言う……と、私は思います。

日本トップレベルの女優さんと比べるのは酷なことかも知れないけど、細田さんは「しょせん若手のイケメン俳優」と言われたくなければ自分の力量をもっと自覚すべきだし、ディレクターさんも演出でカバーしてあげるべきでした。

同じNHKさんのドラマでも、こういう些末な部分で『これは経費で落ちません!』とのレベル差が露呈しちゃってる、と私は感じた次第です。

閑話休題。ぽんこつ呼ばわりされても懸命に前を向いて頑張ってるハナを見守る内に、愛も変わっていきます。

サニーサイドアップのゲリラライブを応援するためショッピングモールに駆けつけた愛は、そこでバッタリ「意識高め」の同僚たちと出くわしちゃう。

更にそこで愛の姿を見つけて声をかけて来たハナを、つい他人のフリして無視しちゃった愛だけど、地下アイドルを「誰にも望まれてないのに自分で勝手にアイドルを名乗る、身の程をわきまえない痛い子たち」と侮蔑する同僚たちの言葉を聞いて、ついに立ち上がります。

「なんで? なんで身の程なんてわきまえないといけないの? 誰かの許しが無いとやりたい事もやっちゃいけないの? 誰かに望まれないと立ちたい所にも立っちゃいけないの? 誰が決めたのそんなこと? いつの間にそんな決まりが出来たのかって聞いてんの!」

そして愛は、ぽんこつアイドル=ハナの痛々しい姿に自分自身を重ね、それでも逃げずに前を向いてる彼女に勇気をもらい、応援するようになったいきさつを正直に語ります。

けど、意識高めの同僚たちにはまったく通じません。

「共依存っていうんじゃないの、そういうの。カウンセリングとか行った方がいいと思うよ、マジで」

もちろん、それで納得しちゃったらドラマになりませんから、愛は『凪のお暇』の主人公(黒木 華)と同じように「空気を読む」息苦しい日々といよいよ決別し、それまで着れなかったハナのちょっとダサい応援Tシャツを着て、ゲリラライブを全力で応援するのでした。

「好きなことを好きって言えるってさ、イイね!」

そんな愛の台詞も、居酒屋シーンで前振りの台詞を細田さんが(私のハートに残るように)ちゃんと言ってくれてたら、もっとグッと来た筈なんですよね。

まぁそれでも、愛が応援Tシャツを着てることに気づいた、ステージ上のハナの嬉しそうな顔には心を打たれました。これがラブストーリーなら、二人の気持ちが初めて通じ合う至福の瞬間ですよね。

ところで、「依存」っていうフレーズは『凪のお暇』第4話にも違った形で出てきました。社会の中で「空気を読む」ことに疲れたり「依存」に救いを求めることは、今に始まったことじゃないにせよ普遍性がどんどん増し、ドラマでクローズアップされる機会も増えて来ましたよね。

アイドルにハマることが果たして依存なのか(だとしてもそれの何が悪いのか)私には分からないけど、凪が「メンヘラ製造機」と噂される隣人=ゴン(中村倫也)にどんどん惹き込まれ、廃人と化していく姿はなかなかショッキングでした。

「メンヘラ」っていうのはメンタル・ヘルス(精神障がい)をもじったネット造語だそうで、一緒にいる心地好さに中毒性があり、関わった異性がみんな(嫉妬に狂ったりして)精神バランスを崩しちゃうから、ゴンはその製造機。

思い返せば、私の身の周りにもそんな男がいました。そいつといると妙に心地好くて、人生ずっと気楽にやって行けそうな気がして、それまで自分が背負ってた責任を放棄して彼(のグループ)に身を任せようかと思った時期もありました。

すったもんだあって彼とは決別したんだけど、あのまま行ってたら私も廃人みたいになったかも?って思うとそら恐ろしいです。一部の宗教団体にはそれと似たような構造があるんじゃないかと、まぁ個人的には思ったりします。

凪のゴンに対する想いは、確かに恋というより依存なんでしょう。で、ゴンを想って悶々とする凪の様子と、凪を想って悶々とする元カレ=慎二(高橋一生)の様子がシンクロして描かれたのは、二人が似た者どうしであるだけでなく、結局は慎二も凪に依存してるだけってことを、暗に示した演出なのかも知れません。慎二は凪に一方的な癒しを求めてるだけですからね。それを愛とは呼べないでしょう。

つまり良薬と中毒は紙一重。使い方を間違えると症状を悪化させ、同じアイドルオタクでもストーカーまで行っちゃう危険性がある。慎二が今やってることもストーカーと同じですからねw

愛がストーカーに重傷を負わせたいきさつも不明のままだけど、それも依存が過ぎて彼女がメンヘラ化した結果なのかも知れません。同僚に言われた通りカウンセリングを受けるべきだったのかも?w

私自身、刑事ドラマや多部ちゃんへの執着、ブログ執筆への異常な情熱、DVDやフィギュアの収集癖、毎日欠かさないコーヒー、胃腸薬、目薬、火薬、乳首など、数々の依存を抱えて生きてます。どれもこれも、度が過ぎれば何らかの破綻を招くことでしょう。(特に乳首)

『だから私は推しました』も『凪のお暇』も、空気を読みすぎて窒息しそうになったヒロインがオアシスを見つけたものの、依存という落とし穴を前に俊巡する姿を描いてて、一番の天敵が意識高めのOLたちなのも共通してますよねw 私もああいう女たちが大嫌いです。

そんな連中にまったく左右されない『それは経費で落ちません!』の森若さん(多部未華子)は鉄の意志を持ったスーパーヒロインで、依存とも中毒ともまったく無縁な人。(強いて言えば仕事中毒だけどw)

現代ならではの「理想の生き方」を実践してる少数派が森若さんで、本音ではそうなりたくてもなれない多数派が愛や凪、と言えるかも知れません。


PS. それにしても「メンヘラ」とか「コミュ障」「リア充」「バズる」「ディスる」等のネット造語がNHKさんのドラマでも普通に、頻繁に使われるようになって来ました。

若い世代と接する機会が少ない私にはちんぷんかんぷんで、いちいち意味を調べないといけなくて面倒くさいです。ニュアンスは何となく解るけど、ブログに書くとなると正確に意味を知らなきゃダメですから。

なんと言うか、日本語が軽くなっちゃいましたね。浅はかというか、みんなが使えば怖くないみたいな連帯感が、気持ち悪いです。

セクシーショットは、サニーサイドアップの劣等生アイドル=ハナを演じる白石聖さんと、リーダー=花梨を演じる松田るかさんです。
 

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『だから私は推しました』#01~#02

2019-08-06 00:00:06 | TVドラマ全般









 
2019年の夏シーズン、NHK土曜深夜の若者向け30分ドラマ「よるドラ」枠でスタートした全8話の新ドラマ。

日々「インスタ映え」するレストランでの食事やイケメン婚約者とのラブラブ画像をSNSにアップし、無理して「リア充」を演じてきたアラサーOLの愛(桜井ユキ)が、その婚約者に捨てられ、ヤケ酒を煽った挙げ句にスマホを紛失。

で、それを拾ってくれたアイドルオタクの「小豆さん」(細田善彦) に会いに行ったその場所は、地下アイドルグループ「サニーサイドアップ」のライブハウスだった!

元気に唄い踊る5人の地下アイドルたちの中で、歌もダンスも明らかに下手くそなのに無理してるハナ(白石 聖)の一見みじめな姿を見た愛は、これまでの自分自身を重ねずにいられず、つい八つ当たりして野次を飛ばしちゃう。

だけど自分みたいにクサったりせず、不器用ながら懸命に前を向いてるハナの姿を見る内、自然と涙が出てきた愛は、ライブに通って全力でハナを応援していくことを誓います。

ゾンビ、そしてボーイズラブと、NHKらしからぬ題材をビビッドに扱ってきた「よるドラ」の第3弾は、大好評だったドラマ10『トクサツガガガ!』と同じく、深いオタク沼にハマった独身OLの奮闘記となりました。

ただし、ストレートなオタク応援歌でファンタジックとも言えた『トクサツガガガ!』とは趣が大きく異なり、ハナが相当タチの悪いストーカーにつきまとわれ、なのに守ってやろうともしない運営陣のいい加減さ等、キラキラした世界の裏側にある暗い現実も描いたシビアな作品になりそうです。

『トクサツガガガ!』の主人公(小芝風花)は周囲への「オタばれ」を恐れてはいたものの、ひたすら自分の好きな道を邁進する、ある意味たくましいスーパーヒロインでした。

それに対して本作の主人公=愛は、黒木華さんが『凪のお暇』で演じてる主人公と同じで、つい周りの空気に合わせて自分を偽ってしまう等身大の弱いヒロイン。こちらの方がより現実的、現代的と言えましょう。

そんな彼女が、自分とよく似た「ぽんこつ」アイドルのハナに元気と勇気をもらい、いかにもヤバそうなストーカー問題に立ち向かっていく。

しかも物語は、警察で刑事(澤部佑w)の取り調べを受ける愛の「自供」に沿って進んでいく、言わばミステリー仕立て。愛はどうやらストーカーを階段から突き落として重傷を負わせたらしく、なぜ彼女が、どういういきさつで犯行に至ってしまったのか?っていう「謎解き」で視聴者を引っ張る仕掛けになってます。

普通に考えれば、ハナに対する想いが両者ともエスカレートしてしまい、愛がそうしなければハナを守りきれなかった、っていういきさつになるんだけど、残りはまだ6話ありますから、多分そんな一筋縄じゃいかない事でしょう。

ハナがソロのアイドルじゃなく、5人グループの一員であることがポイントのような気がします。残りの4人(松田るか、松川星、田中珠里、天木じゅん)がただの脇役で終わるとは思えませんから。けど、あんまりドロドロした話にはなって欲しくないですよね。

単純に、愛が自分の人生を犠牲にしてでもハナを守りたかった、その結果であって欲しいです。そしたら多分、私は泣いちゃうと思います。ストーカー野郎はもう、死ねばいいw

いずれにせよ、そんな悲劇を招きかねない地下アイドルの運営やストーカー対策の現状など、放置されたまんまの現実問題に一石を投じる作品になることは間違いなさそうです。

事件の謎解きはともかくとして、愛とハナがどんな風に変わっていくか気になるので、これは最終回まで見届けることになりそうです。

主演の桜井ユキさんは2011年頃から活躍されてる女優さんで、多部ちゃんの映画『ピース オブ ケイク』('15) 等にも出演されてますが、連ドラの主演は本作が初。これで一気にブレイクされる事でしょう。

ヌード&濡れ場は '17年の主演映画『リミット・オブ・スリーピングビューティー』より。相手役は高橋一生さんです。
 

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『凪のお暇』#01

2019-07-27 12:00:05 | TVドラマ全般









 
2019年の夏シーズン、TBS系列の金曜夜10時「金曜ドラマ」枠でスタートした新ドラマ。

コナリミサトさんの同名コミックを実写化した作品で、主演は黒木華さん。奇しくも映画『日日是好日』で共演したばかりの多部未華子さんの新作(NHKのドラマ10『これは経費で落ちません!』)と同じ時間枠で真っ向対決となりました。(録画して観る我々には関係無いことだけど、視聴率の食い合いにはなっちゃいますよね)

常に周りの空気を読み、無理して周りに合わせて生きて来た28歳のOL・凪(黒木 華)が、そんな彼女を同僚たちが内心バカにし利用してたこと、そして心の支えだった筈のカレシ・慎二(高橋一生)が自分との交際理由を「カラダの相性がいいから」だけと周囲に洩らしてることを知ってしまい、あまりのショックで倒れ、入院したのに誰ひとり見舞いに来ない現実に絶望し、全ての人間関係を断ち切るべく会社を辞め、布団以外の家財一切を捨てて郊外の安アパートへと引っ越します。

そこに住むのは腕にタトゥーを入れた自由人(中村倫也)、パン屋さんで食パンの耳を日常的に恵んでもらう独居老人(三田佳子)、凪を不審そうに睨みつける少女(白鳥玉季)など、一見まともには見えない人ばかり。

ところが勇気を持って話しかけてみると、タトゥー男は穏やか過ぎるほど穏やかな好青年だし、独居老人は貰ったパンの耳で美味しいお菓子を作るなど質素な暮らしを楽しんでる人だし、凪を睨みつけてるように見えた少女も実は、凪がこれまで必死に隠して来た天パ頭が「もふもふのワンちゃんみたいで可愛いから」触りたいのを我慢してただけだったりと、OL時代とは逆の意味で人の多面性を目の当たりにし、心の傷を癒していくのでした。

そんな凪の貴重な「お暇」にズケズケと土足で侵入して来る慎二の高圧的な態度も実は、初めて心から惹かれた相手が凪であることの裏返し、だったりするんですよね。世の中うまく渡ってるように見える彼も、けっこう無理して生きてるのかも知れません。

かように人間とは複雑な生きものであり、読もうったって読めるようなもんじゃない。そんな無駄なことに労力を費やして疲れるより、本当に自分らしく過ごせる空間を見つけようよ、せっかくの労力はそういうことに使おうよっていう、人間関係に疲れてる我々へのメッセージなのかも知れません。

凪は確かに生き方を変えなきゃ窒息しちゃうかも知れないけど、だからといって山口智子さんが色んなドラマで演じるキャラみたいに、やたらめったら明るくてサバサバした人を目指す必要はまったく無い、と私は思います。むしろそのままでいて欲しい。

最近、やたらサバサバした自分をアピールする女性が増えてる気がするんだけど、そんなの格好良くも何ともないですよ。サバサバしてようがジメジメしてようが、ひとり我が道を行く人こそが一番カッコいい。それは男でも同じこと。

凪も性格はそのままで、無理して周りに合わせるクセだけ直せばいい。私に言わせりゃ三田佳子さん演じる独居老人こそ理想の生き方だと思うんだけど、孤独を恐れて自分を偽り、無理して明るく(あるいは強く)見せようとする人のなんと多いことか。

凪は山口智子もどきを目指す必要も無ければ、くっつく相手(男)を選ぶ必要もまったく無い。そういうことを真っ当に描いてくれるドラマだとしたら、もしかすると多部ちゃんを差し置いて本作が今季ナンバーワン作品になる可能性は充分にあります。

登場してからほんの数秒でキャラクターを我々に理解させ、同時に共感させ、その後も画面から眼を離せなくさせちゃう黒木華さんの、圧倒的な吸引力。そして性格俳優としての本領を久々に発揮する高橋一生くん。

さらに市川実日子、吉田 羊、片平なぎさ、武田きんにくん真治etc…といったキャストが登場、そしてセクシーショットは凪の元同僚役の唐田えりかさんと、タトゥー男の仲間=エリィ役の水谷果穂さんです。
 
コメント (2)
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『サイン/法医学者 柚木貴志の事件』#01~#02

2019-07-25 00:00:10 | TVドラマ全般









 
2019年の夏シーズン、テレビ朝日系列の木曜夜9時枠でスタートした新ドラマ。韓国ドラマのリメイクなんだそうです。

厚生労働相・警視庁共同管轄の日本法医学研究院に所属する一匹狼の解剖医=柚木貴志(大森南朋)が、なりゆきで新米解剖医の景(飯豊まりえ)とコンビを組む羽目になり、ぶつかり合いながらも様々な事件の真相を究明し、それを隠蔽しようとする権力に立ち向かっていくストーリー。

柚木と対立する法医学教授=伊達に仲村トオル、柚木の元カノにして警視庁捜査一課の管理官=千聖に松雪泰子、その部下に高杉真宙、課長に利重 剛、法医学院メンバーに佐津川愛美、吉田ウーロン太、院長に西田敏行、といったレギュラーキャスト陣。

同じ法医学モノでも、フジテレビの『監察医 朝顔』はより医者モノ寄り、こちらは刑事モノ寄りの作りで、サスペンス要素が多いだけに退屈はしません。

だけど『~朝顔』の丁寧さ、繊細さと比べて、こちらは実にワイルド、悪く言えば大雑把に作られてる印象で、韓国ドラマらしい強引さやテキトーさが随所で眼につきます。そこは日本人の誇りを持って改良して欲しかった。

事件内容や犯人像の陰湿さがまた如何にも韓流で、主人公のキャラクターは好みなのに私はイマイチ乗れません。

それでも切り捨てる気になれないのは、ヒロインの景がすこぶる魅力的だから。横柄で他者を寄せつけない柚木にもまったく臆せず、そのパーソナルエリアにグイグイ入っていく度胸の良さと、真相究明に注ぐあくなき情熱。

そんなアニメ的とも言えるヒロイン像を、飯豊まりえさんが嫌味なく生き生きと演じ、重苦しいストーリーに弾みをつけてくれます。彼女の存在が無ければ、これはちょっと観るに耐えない代物になってたかも知れません。

また、松雪泰子さんが監察医ドラマのパイオニア『きらきらひかる』('98) で演じられた敏腕刑事のその後を彷彿させるキャラクターを演じておられるのも、あの作品のファンだった私としては見所の1つになってます。彼女に馴れ馴れしく接する若手刑事役の高杉真宙くんも、イケメンの割りにはなかなか良い味だしてます。

もちろん主役の大森南朋さんも素晴らしく、これはかなりキャスト陣の魅力に救われてる作品と言えそうです。

けど、それだけで最終回まで観続けるかどうかは微妙なところで、その結論は第3話の出来映え次第という事になりそうです。(初回から引っ張ってる人気歌手殺人事件の真相なんか全くどーでもいい。あんな凡庸なネタで最終回まで持たせられると思ってるんでしょうか?)
 

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『監察医 朝顔』#01~#02

2019-07-24 00:00:07 | TVドラマ全般









 
2019年夏シーズン、フジテレビ系列の月曜夜9時「月9」枠でスタートした新ドラマ。このシーズンは本作とテレ朝の『サイン/法医学者 柚木貴志の事件』とで法医学モノの一騎討ちとなりました。

法医学者とは死因がハッキリしない遺体を解剖し、事件性の有無を判別する専門医のことで、警察とは切っても切れない関係。

言わば法医学ドラマは刑事モノと医者モノという二大人気ジャンルを合体させたようなもんですから、ある程度の面白さは保証されてます。

本作の場合、ヒロイン=万木朝顔(上野樹里)の父親(時任三郎)が強行犯係の刑事、そして恋人(風間俊介)がその部下というw、切っても切れないどころか切りようの無い関係。ヒロインは職場でも自宅でもデート先でも刑事と一緒にいるワケです。

気の毒なのは、恋人の父親(しかも自分と身長差25センチはありそうな大男w)とコンビで捜査しなくちゃならない風間俊介くんで、この不思議な関係の凸凹刑事コンビが(私にとっては)最大の見所となってます。

でも、これは決してコメディじゃないんですよね。(コメディなら良かったのに、と私は思う)

そして、標準的な謎解きドラマともかなり様子が違う。謎は解くには解くんだけど、各エピソードの中盤で割りとあっさり答えが出て事件が片付き、後半は2011年の大震災で行方不明になった朝顔の母親(石田ひかり)にまつわるストーリーが語られるという、言わば二部構成になってる。(第1話と第2話を観た限りだとですが)

連ドラではあまり類を見ないやり方で新鮮だし、謎解き一辺倒のドラマにウンザリしてる私としては歓迎すべきこと、の筈なんだけど……

こういうドラマで、現実に起こった事件や災害をネタにするのって、なんかズルいような気がしちゃうんですよね。

あのとき母親を一人にしてしまった罪悪感に苦しみ、未だその現実と向き合えないでいるヒロインと、今でもオフ日には現地に赴き、妻の行方を探し続けてる時任さん。

謎解きドラマにそんな背景、重すぎるし生々しすぎるやろ!って私なんぞは思うんだけど、同じような境遇の遺族が現実に存在されてることを思えば、とても文句は言えない。たとえドラマとしてつまらなかったとしても、口が裂けても正直な感想が言えないワケです。

おそらく、時任さんの地道な捜査でひかりさんの遺体か遺品が発見され、現実と向き合う覚悟を決めたヒロインが、解剖……はもう無理としても法医学の力で、母が亡くなった時の状況(例えば家族を守るために何かしようとしてたとか)を解明する、みたいな泣かせ展開になるだろう(でなければネタにした意味がない)と思うんだけど、それを「あざとい」と感じても口に出しづらいでしょ? それってズルくないですか?っていうことです。

もし、このドラマを観るのをやめたくなったとしても、何だかやめづらいですよねw 観るのをやめる=自分は震災やその犠牲者たちへの想いが薄い、みたいな気がしちゃう。それはやっぱズルいですよ。

3.11を忘れちゃいけない!みたいな創り手のメッセージなのかも知れないけど、その話はもっと別のところ(ドキュメンタリー番組とか)でやろうよ、謎解きドラマはあくまで謎解きを楽しむモノにしとこうよって、今までさんざん謎解きドラマを否定しておきながら矛盾も甚だしいけどw、それが私の正直な感想です。

とても真摯な姿勢で、とても丁寧に創っておられるのはヒシヒシとよく伝わって来るんだけど、それがドラマの面白さに繋がるとは限らない。少なくとも私が連ドラに求めるもの(可笑しみやカタルシス)は、この立派すぎる作品には見当たりません。

時任さん&樹里さん父娘のナチュラルなやりとり、時任さん&風間くんの凸凹コンビぶりは観てて楽しいですから、もうちょっと肩の力を抜いた内容、娯楽に徹したドラマだったら、私はハマったかも知れません。

朝顔が勤める興雲大学法医学教室の主任教授に山口智子、同僚に板尾創路、平岩 紙、中尾明慶、志田未来、朝顔の父と恋人が勤める野毛山警察署強行犯係のメンバーに戸次重幸、三宅弘城、坂ノ上茜etc…といったレギュラーキャスト陣です。
 
コメント (4)
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