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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「友 直子 in 太陽にほえろ!'79」―3

2020-09-15 00:00:08 | 刑事ドラマ'70年代










 
この『太陽にほえろ!』の暗くて寒いトンネル期に、控えめながら暖かい光を灯してくれたのが、庶務係=4代目マスコットガールのナーコ(友 直子)でした。

そのファッションも控えめさをキープしつつ、赤やピンク等の明るいカラーが増えて来たような気がします。

それは彼女の存在がすっかり視聴者に受け入れられ、もはや(浅野ゆう子さんの時みたいな)バッシングの心配は不要と判断されたのと、刑事部屋のセットが以前よりも明るい色合いに変わった影響もあるかも知れません。(具体的には机や椅子が木製からスチール製にチェンジされ、照明もフラットになって明るくなりました)

とは言え陰気な作風の中じゃそれ以上輝きようがなく、出番もなかなか無くてすっかり背景化しちゃった回も少なくありません。

ナーコが輝きを増して来るのもやはり、もう少し経ってあの人が登場し、番組自体が輝きを取り戻してからということになります。(スコッチじゃないあの人です)

ナーコだけじゃなく、もはや死に体のロッキーやスニーカーもあの人によって息を吹き返すことになります。まさに「ドクター」ですよね。

それにしても友直子さん、着実にキレイになって来られました。色気はやっぱり無いんだけどw、そろそろ恋のお話もあっておかしくないお年頃ってことで次回、ゴリラが襲いかかって来ますw
 


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「七曲署捜査一係'79」―2

2020-09-14 15:30:17 | 刑事ドラマ'70年代









 
『太陽にほえろ!』全盛期の女性人気を担ったボンが殉職し、代わってスニーカーが登場してからスコッチが復帰するまで(#364~#399)の藤堂チーム=七曲署捜査第一係のメンバーは、以下の通り。


☆☆☆☆☆


ボ ス=藤堂俊介(石原裕次郎)


ロッキー=岩城 創(木之元 亮)

スニーカー=五代 潤(山下真司)


ゴリさん=石塚 誠(竜 雷太)

殿 下=島 公之(小野寺 昭)

長さん=野崎太郎(下川辰平)

ナーコ=松原直子(友 直子)


山さん=山村精一(露口 茂)


☆☆☆☆☆


この時期に番組の視聴率が急降下し、本来なら'80年夏に(つまり次に降板する殿下の後釜として)予定されてたスコッチ復帰が春に前倒しとなる、いわゆる「テコ入れ」が敢行されることになったのは再三これまで書かせて頂いた通り。

最大の「売り」である新人刑事2人が、いずれも「第二のジーパン」になり損ねたロッキーとスニーカーであったこと、ボンが抜けたせいで女性人気とムードメーカーを失ったこと、そして裏番組としてスタートしたTBSの『3年B組金八先生』が大ヒットしてしまったこと等、いろんな要素が重なった上で初めて直面した「番組存続の危機」でした。

だけどこうして順を追ってレビューを続けて来て、つくづく思ったのは「これは迎えるべくして迎えた当然の危機だった」ということ。

マンネリにはずっと以前から陥っており、それを打破するカンフル剤として投入されたスコッチも転勤という形でいったん姿を消し、その後任として登場したロッキーが著しく魅力に欠け、いつしか視聴者は「ずっと観続けて来たから何となく観てる」「ほかに観たい番組が無いから観てる」「ボンや殿下がステキだから観てる」人ばかりになってしまった。

そんな伏線があった上でボンを失い、スニーカー刑事の売り出しや『金八』対策を怠り、制作陣はストーリーを「大人向け」に深化させることにばかり腐心するという、大きな間違いを犯してしまった。

だけど、それが間違いだったとは今だから言えることで、番組が長寿化して視聴者の年齢層が上がってる筈だから、それに合わせて内容を変えて行かなきゃって考えるのは必然だろうし、現状に満足しないアグレッシブな姿勢の表れでしょうから誰も責めたり出来ません。

こういう時にどうすればいいかっていう手本になる番組が存在しなかった、それだけ『太陽にほえろ!』が連続ドラマとして前人未踏の領域に入ってた、って事なんだろうと思います。

……と、フォローするのが精一杯で、この時期の『太陽~』を振り返るとやっぱり愚痴しか出て来ないのが正直なところ。当時の七曲署メンバーをあらためて見渡しても、輝いてる人が1人もいないんですよね!

いや、あんな小難しくて辛気臭いストーリーばかり続いたら、そりゃ誰も輝きようがないでしょ!って話です。

スコッチの復帰前後に「週刊テレビガイド」誌でレギュラーキャスト陣の座談会が掲載され、そこで露口茂さんに「ロッキーとスニーカーにもっと八方破れな感じが欲しい」みたいなこと言われて、当の二人がションボリしちゃう一幕があったんだけど、私は子供ながらに「山さん、そりゃムチャな注文でっせ!」ってツッコんだのをハッキリ憶えてますw こんなジメジメしたドラマの一体どこで、どうやって八方破れになれって言うの!?って、木之元さんも山下さんも内心ズッコケた事でしょう。

裕次郎さんだって竜雷太さんだって、あんな小難しいドラマで魅力を発揮するアクターじゃないでしょ?って話です。本来は明朗快活な「青春アクションドラマ」を盛り上げる為に選ばれた人達なんだから。

要するに'79年当時の『太陽にほえろ!』は身の丈に合わないことをやってしまった。そして当然のごとく失敗しちゃった。単純にそういう事なんだろうと私は思います。
 

コメント (4)
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『太陽にほえろ!』#387

2020-09-13 22:50:09 | 刑事ドラマ'70年代










 
☆第387話『雨の中の女』

(1979.12.28.OA/脚本=小川 英&石川孝人/監督=竹林 進)

ある雨の夜、土地開発会社の企画部長=西田(大木史朗)が、ショットガンで射殺されるという凶悪事件が発生! 現場に向かう途中、ロッキー(木之元 亮)はバス停に立つロングコートの女を目撃するんだけど、なにせ空気が読めない人なんで見過ごしちゃいます。

ところが、犯人はその女=久子(小林千登勢)でした。団地住まいの平凡な主婦だった彼女は3ヶ月前に首都高速で交通事故を起こし、愛する夫と子供を死なせてしまった。

その事故の原因は、フロントガラスに向かって飛んできたゴルフボール。それはゴルフ場で順番待ちをしていた西田たちが、退屈しのぎで場外に向けて打った球なのでした。

そのとき西田と一緒にいた同僚たちも次々に射殺され、残るはリーダー格の秋吉常務(幸田宗丸)のみ!

ロッキーは久子に同情しながらも、不毛な復讐を阻止するために叫びます。

「やめろぉーっ! やめるんだぁーっ!! やめろぉーっ! やめるんだぁーっ!! やめろぉーっ! やめるんだぁーっ!!」

毛むくじゃらな上に言葉のボキャブラリーがあまりに貧困で、しかも滑舌まで悪いロッキーの説得に呆れた久子は、その毛むくじゃらの脚に散弾をお見舞いし、真っ赤な車で秋吉常務を乗せた車を追跡します。

「やめろぉーっ! やめるんだぁーっ!! やめろぉーっ! やめるんだぁーっ!! やめろぉーっ! やめるんだぁーっ!!」

なおも懲りずに同じ台詞を繰り返しながら、ロッキーは夢中でCOLTローマン4インチのトリガーを引き、久子の車を横転させます。

動かなくなった久子の前で膝をつき、野性の雄叫びを上げるロッキー刑事に向かって、彼以上に空気が読めない秋吉常務がほざきます。

「物騒な女がいたもんですな」

すかさずロッキー炎の友情パンチが炸裂するんだけど、見かけほどパワーが無いもんだから秋吉はヘナヘナと尻餅をついただけ。そばにいた相方のスニーカー(山下真司)は気まずくなって、見て見ぬフリをするのでした。

「ボス、俺は……殺させてやりたかった……本当は彼女に、秋吉常務を殺させてやりたかった! ……俺は刑事なんです……刑事なんですよ」

七曲署の屋上で、涙ながらに分かりきったことを言うロッキーに、ボス(石原裕次郎)も分かりきった台詞を返します。

「ロッキー、この世にはどうにもならん事があるんだ」

「ボス……」

ロッキーが主役だとつい茶化したようなレビューになっちゃうんだけどm(__)m、色々あった'79年のラストを飾るこのエピソードは、久々にシンプルかつ骨太な初期『太陽にほえろ!』を彷彿させるエピソードで、ハードなカーチェイスも展開されて見応えがありました。

ストーリー自体はマカロニ編『俺の拳銃を返せ!』(#047) のリメイクみたいな感じだけど、そこにロッキーの「初射殺」というイベントが加わったことで印象深いエピソードになりました。

また、良妻賢母のイメージが強かったベテラン女優・小林千登勢さんが初めて殺人犯を演じられるという話題性、しかも台詞が一言しか無いという意外性もあり、こんな迫力あるエピソードがもっと頻繁に観られたら、あれほど『金八先生』に追い込まれることは無かったかも知れません。

少なくともロッキー刑事編としてはベスト3に入る出来映えじゃないかと私は思います。ロッキー主役で良かったエピソードが3本しか無いんだけど。(うそw)
 


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『太陽にほえろ!』#385

2020-08-19 23:23:08 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第385話『死』(1979.12.14.OA/脚本=小川 英&四十物光男/監督=児玉 進)

前回のサブタイトルが『命』で、今回が『死』ですよw 作品としてはそれぞれ力作で見応えあるんだけど、とにかく刑事たちの躍動こそを求めてた当時中学生の私にとって、この暗~い2連発は本当にキツかったです。

特にこの#385はメガトン級に重い内容で、もしかすると『太陽にほえろ!』全エピソードの中でも一番の問題作かも知れません。

でも、繰り返しますが、作品としては決して悪くないんです。出来るだけ重苦しくならないように書きますので、是非とも読んで頂きたいです。


歯科医の息子で浪人生の清(三輪和蔵)が誘拐され、両親に3千万の身代金を要求する電話がかかって来て、藤堂チームが始動します。

すると、かつて清が家庭教師を務めた先の娘で小学生の圭子(中島香葉子)が、怪我をした清が怪しい男に車で連れ去られる現場を見たらしいと、圭子の母親(執行佐智子)から連絡が入ります。

殿下(小野寺 昭)と長さん(下川辰平)が圭子と一緒に現場へ行ってみると、確かに大量の血痕があり、鑑識の結果、それが清の血液であることも確定されます。

刑事たちの捜査により、歯科医である清の父親の患者だった桑山(金井進二)が有力容疑者として浮上、彼が借りてたレンタカーからも清の血痕が発見され、容疑はほぼ確定します。

そして、清の遺体が八王子で発見されます。恐らくレンタカーで清をはねてしまった桑山が、清の学生証を見て歯医者の息子であることに気づき、遺体を埋めた後で身代金を要求したんだろうと刑事たちは推理します。

そこで、圭子から桑山らしき男に追いかけられた!という電話が七曲署に入ります。桑山はしっかり圭子の顔を憶えていたのでした。

急遽ボディーガードを務めることになった殿下は、行動を共にする内に圭子と、その母親の意外な一面を知ることになります。

それは、死んでしまったペットの熱帯魚に対する、彼女たちの反応。圭子は台所にあった食器の皿にその死骸を捨て、母親は「臭いが付いちゃうでしょ!」という理由で娘をたしなめ、ゴミ箱にポイしちゃったのでした。これが衝撃のクライマックスへの重要な伏線になってます。

さて、事件は急転直下。桑山は通りがかりの軽トラに放火して殿下の眼を逸らし、まんまと圭子を拉致しちゃうんだけど、なぜか清が拉致されたのと同じ場所で、遺体となって発見されます。そこは建築中のビルの下で、どうやら桑山は7階から転落したらしい。

そして、圭子はケロッと無事に戻って来ます。殿下は、厭な予感を覚えるのでした。

ビルの7階を調べてみると注射器が残されており、覚醒剤が検出されます。桑山が使ったものかと思いきや、注射器からは清の指紋が発見された!

監察の結果、清は車にはねられて死んだのではなく、桑山と同じようにビルの7階から転落して死んだことが判明。すなわち、清も桑山も同じビルの同じ場所から転落して死んだことになるんだけど、そんな偶然が果たしてあり得るのか?

殿下は、死んだ熱帯魚のことを思い出します。もしかして、そんな……そんなバカなことが?

「圭子ちゃん……あの時、あのビルの7階にいたんだね? 清くんと一緒にいたんだね?」

「…………」

恐らく、浪人生活のストレスから逃れたくて覚醒剤を使ってた清が、クスリの作用によって錯乱し、圭子に……そして!

「清くんを突き落としたのは、圭子ちゃんなんだね?」

「……つまんない、遊園地に行く!」

急に不機嫌になった圭子を、殿下は遊園地にしてはやけに地味な施設へと連れて行きます。

「なあに、ここ?」

「監察医務院と言ってね、人間が変わった死に方をすると、ここへ連れて来られるんだ」

「遊園地の方がいい!」

そりゃそうでしょうw だけど殿下は、心を鬼にして圭子を霊安室へ連れて行きます。そこではちょうど、薬を飲んで自殺した青年の母親と妹が、遺体にすがりついて号泣する修羅場が展開されてました。それを見て圭子は衝撃を受けます。

さらに殿下は、例のビルの7階に圭子を連れて行きます。

「お母さんや妹さん、友達のみんなが、あんなに悲しい思いをすると分かっていたら、彼だって、きっと自殺なんかしなかったと思うんだ。彼は、死ぬってことがどんなことか、よく分からなかったんだな」

殿下の言葉を理解しているのかどうか、黙って石を積み上げて遊ぶ圭子の表情からは読み取れません。

「オモチャは、壊れたら新しいのを買ってもらえる。だけどね、人間の命っていうのは、かけがえの無いものだ。オモチャのように新しいものに取り替えたりすることは出来ないんだよ」

殿下は辛抱強く、あくまでも穏やかな口調で圭子に語りかけます。

「熱帯魚にだって、命はあるんだよ? 生きものが死ぬっていうのは、悲しいことなんだ。とてもツラいことなんだ」

そこでようやく、圭子が口を開きます。

「……清お兄ちゃん、怖い眼で睨んだの。誰にも言うなよって、とっても怖い顔で言ったの。だから……」

「だから?」

「お兄ちゃんが帰ろうとした時、背中を押したの」

「…………」

そして圭子は、拉致しようと迫って来た桑山もこの7階まで誘き寄せ、物陰に隠れて背後から忍び寄り……

「怖い顔するんだもの! 怖い顔するんだもの!」

そこで初めて、圭子が涙を流します。自分がやったことの意味が、ようやく理解出来たんでしょう。

真相を聞かされた圭子の両親は、8歳の子供を2日間も取り調べるとは何事だ!と殿下に抗議します。突き落としたら人が死ぬってことが、圭子は子供だから分からなかったんだ、というのが両親の主張なんだけど、殿下は毅然とこう返します。

「いえ、知っていました。突き落とせば人が死ぬことは、ちゃんと知ってました。知らなかったのは、死というものの意味です」

いいや、情操教育はちゃんとして来た!と言い張る両親に、殿下は言います。

「でも、人の命については何も教えませんでしたね? 生きものの命すべてについてです」

そう、あの死んだ熱帯魚の扱い方に、全てが象徴されてました。この両親の情操教育には、たぶん肝心なことが抜け落ちてた。

両親との長い面談を終えた殿下を、ボス(石原裕次郎)がねぎらいます。

「分かってくれたか?」

「はい。教護院に送られることは納得してくれました。それから、あの子は今、人を殺した罪をハッキリ自覚していることも、分かってくれました」

「そうか……分かってくれたか。よかったな、殿下」

「はい……」

いつものコミカルなBGMは無く、バラード曲も流されず、異例の静けさでこのエピソードは幕を下ろしました。


これは当時、実際に小学生による殺人事件が起こり、世間に衝撃を与えたことを受けて、生真面目な『太陽にほえろ!』スタッフの皆さんが考えに考えた末、再発防止に向けた1つの提言として世に放たれた作品。その言わんとすることは全て、殿下の台詞に集約されてると思います。

この切実なメッセージに、私は大いに同意します。もちろん現実に起こる低年齢者の殺人事件には、もっと多種多様で複雑な原因があるんだろうけど、大人が「命」についてちゃんと教えてない、あるいはその大人自身がふだん考えてないっていう例はかなり多いんじゃないかと思います。

私自身、父親は小学校の教師だったけど、そういうことをしっかり教わったような記憶はありません。(私がバカだから忘れてるだけかも知れないけど)

「命」について私が初めて深く考えたのは、自分の通ってた小学校で『蜘蛛の糸』の絵本が回覧された時だったと思います。それまではけっこう残虐な方法で無意味に虫を殺したりしてたのが、まぁ明らかな害虫は別として出来なくなりました。

その他の道徳的なことも、親じゃなくてテレビや漫画、それこそ『太陽にほえろ!』から大半を教わったような気がします。わざわざ教えなくてもそれくらい解るだろうって、親は意外と思い込んじゃうもんなのかも知れません。

でも、実際はちゃんと教えなきゃ子供は解らない。解らないまま大きくなったら、取り返しのつかないことをやらかしちゃう可能性はかなり高いでしょう。

だから、その警鐘を鳴らすことには大いに意義があると思います。今回のエピソードは子供に対してじゃなく、その親たちに対する強いメッセージ。大人向けの番組を目指す当時の『太陽にほえろ!』の制作姿勢がここにも如実に表れてます。

だけど当時の私は中学2年生、まだまだガキンチョです。メッセージの意味を理解したかどうかは憶えてないけど、毎回続く暗い作風に死ぬほどウンザリしてたのだけは確かです。

いや、もしかすると私がウンザリしてたのは作風じゃなくて、必要以上に複雑な作劇の方かも知れません。今回『秋深く』『命』『死』と続けてレビューして来て、いずれも事件の構造がやたら入り組んでるもんだから書いててホント疲れました。

もっとシンプルにした方がテーマは伝わり易いだろうと思うんだけど、これも番組が大人向けを意識しすぎた結果なのかも知れません。こんなのが毎週続いたら、そりゃ浅いファンはどんどん離れて行っちゃいます。当たり前です。

今回はそれに加えて、8歳の女の子が2人の人間を死に追いやっちゃうヘビーな内容。いずれも正当防衛という救いどころはあるにせよ、その罪を自覚した彼女がこれから一体どんな人生を歩んでいくのか、想像すると胸が締めつけられます。

圭子を演じた中島香葉子さんがまた、この世代の子役としては非常に上手いんですよね。かといって最近の子役ほど上手すぎないのがかえってリアルで、だから余計に胸が苦しくなっちゃう。

如何でしょうか、皆さん。この時期の『太陽にほえろ!』がどんな感じだったか、それをコメディ&アクション好きの私が毎週どんな気持ちで観ていたか、よく解って頂けたんじゃないかと思います。

一方ではトミーとマツが弾けまくり、団長がショットガンをぶっ放し、Gメンが香港でブルース・リーしてたワケです。時代は明らかに軽妙洒脱&荒唐無稽な方向へと進む中、『太陽にほえろ!』よ、どこへゆく?          
 

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『太陽にほえろ!』#384

2020-08-17 19:19:36 | 刑事ドラマ'70年代










 
☆第384話『命』(1979.12.7.OA/脚本=小川 英&古内一成/監督=櫻井一孝)

ある夜、商事会社で総務課長を務める佐久間という中年男(梅野泰靖)が、建築中のビルの屋上から転落死します。佐久間はその翌朝に友人と釣りに行く約束をしており、自殺とは考えにくく、藤堂チームは事故か他殺の線で捜査を始めます。

ところが、佐久間はノイローゼ気味で3週間も会社を休んでいた事実も判明。その原因はどうやら、学生時代の親友だった不動産会社の社長=黒崎(梅津 栄)に使い物にならない土地を売りつけられ、積み上げて来た財産をほとんど失った事にあるらしい。

調べてみると黒崎のアリバイは曖昧で、現場近くに当夜、黒崎のものらしき車が停まっていたこと、そして屋上で発見されたタバコの吸い殻も彼のものと判明。

佐久間が会社を3週間も休んでいたのは、黒崎の悪徳商法の実態を調べる為だったことも判り、それで弱味を握られた黒崎が佐久間を屋上から突き落とした疑いが濃厚となります。

佐久間と残された家族に同情するスニーカー(山下真司)は、すぐさま黒崎を逮捕せんと息巻くんだけど、先輩刑事たちはあまりに状況証拠が揃い過ぎてることに違和感を抱きます。海千山千の黒崎がそんなヘマをするだろうか?

しかも死んだ佐久間は3週間前に五千万円の生命保険に加入しており、だけど1年以内の自殺は保険金が下りないことから、これは殺人に見せかけた自殺である可能性も浮上。

取り調べに対して黒崎は、電話であの夜、女性に呼び出されて現場に行ったんだと供述します。愛人の友達を名乗ったその女は結局現れず、黒崎は何もしないで現場を去った。すべての謎の鍵は、その女性が握っているに違いない!

それでスニーカーは、佐久間が死んだ場所に献花していた女子高生のことを思い出し、その行方を探します。

するとゴリラみたいな顔をした後輩の吉野巡査(横谷雄二)が、10日ほど前に自殺しそうな女の子がビルの屋上にいるとの通報を受け、自分が駆けつけた時に出会った少女と、その女子高生が「よく似ているであります!」とゴリラみたいな声で叫びます。しかもその時、女子高生は佐久間らしき中年男と一緒にいたという!

「佐久間さんが助けてくれなかったら、私、死んでました」

やっとスニーカーが探し当てた女子高生=良子(柿崎澄子)は、ビルの屋上から飛び降りて死のうとしたところを、佐久間に止められた事実を打ち明けます。

病気で半年間、学校を休んだせいでクラスで浮いてしまったのが原因なんだけど、偶然居合わせた佐久間に本気で叱られ、あんみつをご馳走になった上、文具店で「キミの未来をここに貼るんだよ」とアルバムを買ってもらい、お陰ですっかり立ち直ったと良子は言います。

「あんないい人を殺すなんて、ひどい!」

スニーカーは、ふと疑問に思います。素朴で優しそうで、見るからに正直そうな良子だけど、この事件で死んだのが名前も写真も公開されてない佐久間であることを、彼女はどうして知ったのか?

「刑事さん、犯人はまだ捕まらないんですか?」

「……まだ、ハッキリした証拠が無いんだよ」

「本当に何も無いんですか?」

「そうなんだよ……せめて、現場の屋上に、犯人の遺留品でも落ちてたらバッチリなんだけど……」

「…………」

後ろめたさを背負いながら刑事部屋に戻って来たスニーカーに、ボスが問います。

「電話の女の正体は判ったのか?」

「……その女というのは、高校2年の女の子なんですよ。自殺しようとしたところを佐久間さんに助けられて、今では明るく生きてるんです。俺はそんな女の子を騙して、汚い手を打ちました」

「…………」

「ボス、俺は知りたくないんですよ! その子が何をしたか、そんなこと知りたくないです!」

「真相を知りたくない奴にデカは務まらんぞ」

「!!」

「お前がデカを辞めたいなら無理に引き留めはせん。だがな、今は事件解明のために全力を尽くせ。今のお前は、デカなんだぞ?」

「…………」

そしてその夜、先輩刑事たちと一緒に事件現場を張り込みながら、スニーカーは祈ります。

「来ないでくれ……頼む、来ないでくれ!」

だけど、良子は来てしまいます。屋上に置いといた黒崎のタバコの吸い殻を、もっと見つかり易い場所に置き直すために……

「それをそこに置いたのはキミなんだね?」

スニーカーは心を鬼にして、良子を問い詰めます。

「黒崎に電話をしたのもキミなんだね?」

観念した良子は、生前の佐久間に「からかってやりたいヤツがいるから」恋人の友達を装ってこのビルに呼び出すよう頼まれたことを打ち明けます。

薄々、その相手が佐久間を酷い目に遭わせた人間であることを察した良子は、現場まで様子を見に行った。すると黒崎が待ちくたびれて立ち去った直後、佐久間が屋上から飛び降りてしまった。

「分かったんです、おじさんの計画が……私には生きろって言いながら、自分は死ぬ気だったおじさんの気持ちが……そうするほか、どうしょうもなかったおじさんの気持ちが……」

騙されて財産を失った佐久間は、せめて保険金を家族に残すため、そして黒崎に復讐するために、言わば良子を利用したワケです。

「本当は、今度は私が助けてあげたかった……でも、私に出来ることは、もうそれしか無かったの」

かくして、佐久間の死は自殺であることが確定しました。それはすなわち、家族に保険金が下りないことを意味します。

「すみません、俺が余計なことしたばっかりに」

佐久間の墓前で、スニーカーは残された妻(高田敏江)に謝罪します。

「いいえ、刑事さん。これで良かったんです。息子はこう言ってました。とにかく親父は、一人の娘さんの命を救ったんだって……お金のことより、そういう親父を持った誇りの方がずっと大きいって」

「誇り……そうですか……そうですか!」

いい話だし、スニーカーの切なさも伝わって来るし、誰も逮捕されない異色作で私はけっこう好きなんだけど、こうして文章にしてみると内容が複雑で、やっぱり暗いし、映像で観るほどハートに響いて来ないのが残念です。

映像で観ると感動できるのは多分、良子役の柿崎澄子さんと佐久間役の梅野泰靖さんがとてもハマリ役で素晴らしかったから。お二人とも実に「儚い」んですよね!

柿崎澄子さんは第272話『秘密』でもチョイ役ながら強い印象を残されてるし、私の大好きな大林宣彦監督の映画『転校生』や『さびしんぼう』にも出演され、'78年の特撮ファンタジードラマ『透明ドリちゃん』では主演も務められた実力派。

特撮や時代劇への出演が多く、『太陽~』以外の刑事ドラマは『私鉄沿線97分署』第16話ぐらいしかWikipediaに記されてないけど、子役時代にまだまだ出演されてたかも知れません。

梅野泰靖さんは『太陽~』に限らず刑事ドラマでお馴染みの名優で、後にドック刑事(神田正輝)の父親役としてセミレギュラーにもなられます。

さらに梅津栄さんの悪役ぶりもさすがだし、暗いストーリーの中で吉野巡査=横谷雄二さんの無邪気すぎる演技は良い息抜きになったしw、今回は俳優陣の力量でかなり救われたかも知れません。
 


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