『富江』シリーズの特徴として、主人公がタイトルロールの富江ではなく、彼女に翻弄され恐怖を味わう同世代の女の子、であることも挙げられます。
例えば菅野美穂さんが富江を演じられた第1作では中村麻美さん、宝生舞さんの時は山口紗弥加さん、安藤希さんの時は宮崎あおいさん、といった具合。
で、今回主人公を演じられたのは9歳の頃から女優・ファッションモデルとして活躍されてる荒井萌(現在はあらい美生)さんで、役名は1作目のヒロインと同じ「月子」。富江(仲村みう)の妹という設定です。
その美貌と妖しい魅力によりモテモテの姉=富江に、ずっとコンプレックスを抱いてきた月子の目の前で、富江は鉄骨の落下事故で壮絶な死を遂げます。
ところが1年後の誕生日に、富江はケロッと帰ってくる。父親や憧れの先輩など、月子にとって大事な存在の男たちがみんな富江に魅了され、狂っていく。殺されても殺されても富江は甦り、増殖していく。
といった展開はもはやお約束なんだけど、今回は夢オチ的などんでん返しが用意されてて、実は富江は最初からこの世に存在しない、月子の強いコンプレックスが生んだ妄想上の人物、あるいは月子の別人格なのかも?っていう新解釈が加わりました。
なるほど、そう考えると不条理な展開にも理由づけが出来そうです。理由をつけると逆につまんないって意見もあるでしょうが、もう8本もシリーズが続いてるんだからそういうアプローチもアリだと私は思います。
荒井萌さんはとても熱演されてます。が、あの『ゾンビアス』を観てしまった直後なだけにw、お尻も見せない屁もこかないじゃ物足りなく感じてしまう。これは観るタイミングの問題で、荒井さんには何の罪もありません。
そして月子のクラスメイト=佳恵を演じられたのが、元AKB48の多田愛佳さん。こちらは正直、演技力の面で見劣りしちゃうんだけど、グラビアで披露されてるお尻が素晴らしいもんで掲載させて頂きました。
やっぱり、最後にものを言うのはお尻です。お尻は裏切りません。
2011年春に公開された、井口昇監督によるR15+指定映画。伊藤潤二さんの代表作である不条理ホラー漫画『富江』を実写化した劇場映画としては8作目にあたり、現在のところ最終作となってます。
チョー傲慢で身勝手な性格ながら、その美貌と魔性の魅力で関わった男たちをみな虜にしちゃう富江。
で、やがて独占欲に取り憑かれ、精神を病んだ男が富江を殺しちゃうんだけど、なぜか彼女はケロッと甦る。遺体をバラバラにしようもんなら、そのパーツ1つ1つが別の富江となり、みるみる増殖していく。そこに理由は一切ありませんw
そんな基本ストーリーは全作ほぼ同じで、状況設定だけが変わっていく。富江は無数に存在するんだから、いくらでも話が創れるワケです。
不条理ではあるんだけど、人の人生を狂わせちゃうモテ女やモテ男は現実にも無数に存在するワケで、実は古今東西どんな状況でも成立する普遍的なストーリー。そこが人気の秘密なのかも知れません。
菅野美穂さんに始まり、宝生舞さん、酒井美紀さん、安藤希さん、松本莉緒さん、伴杏里さん、あびる優さんと変遷してきた富江役を今回は演じられたのは、仲村みうさん。ミステリアスという面においては最高レベルに適役じゃないかと思います。
それも含めて本作はシリーズ中で最も原作のテイストに近いと評判で、伊藤潤二さんの「不条理」と井口昇さんの「ナンセンス」、そして両者共通の「グロ」趣味と、確かに理想的な組み合わせかも知れません。
ただし、せっかくジュニアアイドルの頃からエロを追究されて来た仲村みうさんが富江を演じ、井口さんが監督されてるというのに、エロ要素が全く足りてないのは残念としか言いようありません。
そこがメジャーの限界なんでしょうけど、どうせR15+指定になるならエロ表現も自由にさせてあげて欲しかった。井口さんと仲村さんがタッグを組みながら、女どうしの入浴と軽いキスしかそういう見せ場が無いなんて、それは勿体無いにも程があります。
というワケで、異様な世界観は楽しめるし仲村みうさんの妖しい魅力も堪能できるけど、私個人としては物足りない映画でした。
しかし『ゾンビアス』最大の圧巻シーンは、護あさなさんがトイレでウンデッドに襲われる場面でしょう。
そこはトイレというより便所と呼んだ方がしっくり来る、古式ゆかしき汲み取り仕様の和式トイレで、私の幼少期はまだ一般家庭もそれがスタンダードでした。
便器の真ん中に大きく深い穴があり、その暗闇の中からバケモノが這い上がって来るシチュエーションを想像して、背筋に悪寒を走らせるのが日本の伝統みたいなもんでした。
たぶん排泄物ゾンビの映画を創ろうという発想は、そこから生まれたんじゃないかと思います。だとすれば、まさにこのシーンこそがメインイベントと言えましょう。
グラビアアイドル出身の護あさなさんは、演技初体験となる本作で、「脱ぎ」の予定は無かったにも関わらず「トイレで用を足すのに下着を下ろさないのは不自然だから」と、お尻ご開帳を自ら買って出られたんだそうです。素晴らしい!
後に『過激派オペラ』でも大胆ヌード&振りきった演技を披露される主役の中村有沙さんも、この『ゾンビアス』が初脱ぎ作品。NHK教育『天才てれびくん』シリーズでレギュラーを務められた子役出身の方で、自分の殻を破りたいとの思いからヌードもアクションも放屁も全身全霊で演じてくれてます。
そんな中村さんの覚悟がきっと、護さんはじめ共演者たちにも伝染したんでしょう。この映画は女優さんたちの演技から伝わって来る熱量がハンパなくて、究極にバカげた内容なのに不思議と感動しちゃうんですよね。
逆に護さんや菅野麻由さんの熱演、あるいは奥村優希さんの堂々たる悪役ぶり等が中村さんに刺激を与える相乗効果もあっただろうし、そういうキャストを集めた時点でこの映画は成功を約束されたようなもんだと思います。
とはいえ、なにしろ内容が徹底的に下品ですからw、その熱量に見合った評価はなかなか得られないかも知れません。そこがもどかしいし、ちょっと切ないですね。彼女たちの頑張りがもっと報われて欲しい!
グロが苦手にも関わらず、私は本作のDVDを買ってしまいそうです。それだけの価値が、彼女たちの演技には絶対あると思うから。
『ゾンビアス』には『悪魔のいけにえ』はじめ古今東西の名作ホラー映画へのオマージュ、パロディーが散りばめられてるそうだけど、そっち方面はあまり観ない私にはピンと来ません。
それでも最後まで楽しめたのは、前回書いたとおり若手女優陣の頑張りと、井口昇監督こだわりのお尻ショットの数々に因るところが大きいかと思います。
お尻のクローズアップが多いのは勿論、中村有沙さんや護あさなさんがパンティーを脱ぐシーンはしっかり背後からお尻目線で撮ってくれるし、菅野麻由さんの半ケツ場面はお尻をどこまで出すかミリ単位までこだわっておられるしw、中村さんがウンチを我慢しながらトイレに向かう、ただそれだけのシーンを「お尻の動きが違う」と10テイクぐらいNGを出したり等w、この映画の主役はお尻なんだ!と言わんばかりのこだわりよう。おしり星人を自称しながら今までこの映画を見逃して来た、我が身を恥じ入るばかりでございますm(__)m
ゾンビたちも全員後ろ向きでお尻を突き出しながら迫って来るし、クライマックスではヒロインの中村さんが、おならのジェット噴射で空を飛ぶというw、誰もが幼児期に妄想するジョークを大真面目に実行してくれて、さすがに失笑を禁じ得ませんw でも素晴らしい!
と言いつつ最も我々の股間を刺激してくれるのは、敵役の奥村優希さんにセーラー服を破られ、片乳がはだけた状態のまま戦う中村さんのお姿かも知れません。その前に自らおっぱいを全開にするシーンがあるんだけど、破れ目からチラチラ見える乳首の方が数百倍エロチックで、井口監督は本当によく解ってらっしゃる方だと思いました。
そんなヌードあり、オナラあり脱糞ありの主演映画を、中村さんのご両親が劇場鑑賞された時、お母様は大喜びされたけどお父様は終始無言だったそうですw どうですか皆さん、ご自分の娘や孫娘がこんな映画に出演したとしたら?w
『電人ザボーガー』の井口昇 監督による2011年公開のR15+指定映画。恐ろしい寄生虫により誕生した排泄物まみれのゾンビ=ウンデッドが、キャンプを楽しみにやってきた若い男女を襲う!
……という設定に全てが集約されてます。エロ、グロ、ナンセンスの三拍子揃った本作こそが、井口昇監督の真骨頂。私は決してファンじゃありませんw
エロは勿論ナンセンスも大歓迎だけど、グロの要素だけはどうしても好きになれない。ただし受けつけられないほど苦手でもないから、良くも悪くも大してグサッと来ないワケです。
だけどこの『ゾンビアス』は、井口監督が「アイドル映画のつもりで撮った」と仰ってるだけあり、若手女優陣がとにかく素晴らしいです。
初々しいヌードとシャープなアクションで魅了してくれた主役の中村有沙さん、シャワーシーンにレズシーン、半ケツ披露と頑張ってくれた菅野麻由さん、おっぱい要員なのに脱糞シーンでお尻も全開してくれた護あさなさん、童顔なのに誰より強い眼力で悪役を怪演してくれた奥村優希さん。
みんな例外なくお腹を下してウンチを我慢する演技、おならを連発する演技までやらされ、おまけに闘う相手は糞尿まみれのゾンビたちですから、さぞかし地獄の撮影現場だったろうと思いきや、メイキングを観るとクランクアップが寂しくて泣いちゃう位に皆さん、心底から楽しんでおられる!w
そこまでやらなくたって仕事は他にいくらでもありそうな、華も実力もお持ちの女優さんばかりなのに、「あっ、出ちゃう!」「いやん、もう我慢できない!」「ぷう~っ!」「ブリブリ~ッ!」ですからねw
女優さんにそういう演技を楽しませてしまう魔力こそが、井口監督の売れっ子たる所以なのかも知れません。彼女たちにとって井口さんは、鬼監督どころか「癒し」の存在だと言うんだからホント驚きです。
それだけ、無邪気なお人なんでしょう。私は井口さんの出世作『片腕マシンガール』や『デッド寿司』『ロボ芸者』といったグロアクション映画を観て、如何にもマニア向けで海外市場を狙った「あざといヤツ」だと思ってたんだけど、どうやら誤解みたいです。この人は、ホントに心底からエロ、グロ、ナンセンスが大好きで、それ以外に興味が無い人なんですよね。
監督が心底から楽しんでおられるもんだから、現場にいるスタッフ&キャストもみんな釣られて楽しくなっちゃう。これは井口さん最大の武器であり、他者がいくら努力したって得られるもんじゃない「才能」だと思います。羨ましい!
間違いなくド変態なんだけどw、明るく堂々と貫き通せば変態性も武器になる、魅力になる。
こんなネット世界でチマチマやってないで、明日から家庭でも職場でもみんな堂々と、自分の変態ぶりをアピールしましょう! 私はやめときますけどw