井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の花・イヌタデ

2018年11月11日 | 日記


イヌタデの群落。タデ科イヌタデ属。
タデの仲間は、道端や耕地など窒素分の多い所に生育するので「窒素指標植物」と呼ばれることがある。但し最近はその呼び方も余り使われていない。
同じイヌタデ属のヤナギタデ(マタデ)の葉には辛味があって刺身のつまに使われるが、イヌタデの葉には辛味がなく、役に立たないということで「犬タデ」と名付けられた。ちなみに「蓼喰う虫も好き好き」と言う時の蓼は、辛味のあるヤナギタデのこと。



イヌタデの花序。
花序は穂状で花を密につける。花は萼が花弁状になり花弁はない。
托葉鞘の縁にはほぼ同じ長さの毛があるが、花茎の節にも似た形の苞があって、その中から数個の花を見せる。
多数ある花は一斉に開花せず、花後も花被(萼)が残って幼果実を包み、蕾と同じに見えてしまう。(宿存萼という)。昔はこの花を「赤のまんま」と呼び、ままごと遊びの赤飯にした。



イヌタデの果実。
イヌタデは夏型の1年草、種子で命をつないでいく。
イヌタデの果実は痩果、3稜形で断面は正三角形に近くなる。イヌタデの雌しべは3数性(柱頭は3裂、子房は3室)で、これが果実の形につながるという。
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