井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

花の形から風媒花と考えられるヤマグワ

2011年03月06日 | 日記
「クワ」といえば「蚕」、養蚕は中国で5000年前から行われていたという。養蚕用のクワは「マグワ(真桑)」で、中国産ということで「トウグワ(唐桑)」とも呼ばれていた。



ヤマグワの冬芽です。クワ科クワ属。
卵形で淡褐色。芽鱗は4~7枚、割と見分けやすい冬芽である。前年枝は先が枯れて仮頂芽(カチョウガ:側芽が頂芽のような働きをする。)をつくる。葉痕は扁円形で、維管束痕はリング状になる。



ヤマグワの雄花です。
雌雄異株で、開葉と同時に雄花を開く。カバノキ科やブナ科の尾状花序とは少し様子が違うが、目立つ花弁などもなく風媒花だと考えられる。



ヤマグワの雌花です。
雌しべだけの花で、長い花柱の先に2個の柱頭がつく。
養蚕に使われるマグワは遅霜の害に弱く、北海道ではヤマグワが代わりに使われたが、葉の質が硬く質は落ちるという。それでも開拓使の時代にいろいろチャレンジし、それが「桑園」の地名に残っている。
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