井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

ヤマモミジに似るが紅葉の仕方が少し違うハウチワカエデ

2010年12月18日 | 日記
美しく紅葉するカエデの仲間、「○○モミジ」などモミジと呼ばれるものが多いが、ハウチワカエデは「カエデ」と呼ばれながら美しく紅葉する。



ハウチワカエデの葉と翼果です。
「ハウチワ」は天狗の「羽団扇」からの命名。ヤマモミジなどの葉が普通7裂なのに対して、ハウチワカエデの葉は9~11裂が普通です。
園芸の世界で、美しく紅葉する系統を「モミジ」と呼ぶのなら、ハウチワカエデではなく、ハウチワ「モミジ」と呼ぶべきかと考えますが、何故か「カエデ」です。
この仲間には、「オオイタヤメイゲツカエデ」など変異種が多いとされています。



ハウチワカエデの芽吹きです。
ヤマモミジとは、冬芽も芽吹きも似ていますが、ハウチワカエデの芽吹きで特徴的なことは毛が多いことです。成葉になる頃には毛は落ちていきます。



ハウチワカエデの花序です。
雄性雌雄同種なのはヤマモミジと一緒です。両性花では子房がすでに翼果の形になりつつあり、この点もヤマモミジと同じですが、ハウチワカエデの場合子房にも花柄にも毛が多い点が少し違っています。
紅葉の仕方もヤマモミジと少し違っています。葉緑素の回収とか、赤の色素アントシアンなどの移動が、葉脈内部で何故かストップしてしまうようで、葉脈部分で色の変化が現れるものが多く見られます。
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