井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

手のひら状の葉だが鋸歯を持たないイタヤカエデ

2010年12月19日 | 日記
イタヤカエデは北海道のカエデ類の代表でもあるし、北海道の針広混交林の構成樹種としても重要なものである。



イタヤカエデの両性花です。
雄性雌雄同株で、一つの花序に雄花と両性花が混生する。花弁は5個でヘラ型、萼片も5個で長楕円形。花柱は渦巻状で、子房は翼果への成長を感じさせる。
ヤマモミジやハウチワカエデの花が赤であるのに対してイタヤカエデの花は黄色。ヤマモミジなどが紅葉するのに対してイタヤカエデは黄葉する。



イタヤカエデの若果実です。
子房は若果実に成長し、翼果の形がしっかり出来ている。2個の分果からなる翼果はカエデ科共通の特徴で、熟した翼果は二つに分かれ、それぞれがプロペラのように回転しながら風に乗って飛ぶ。風散布である。
イタヤカエデの葉は、ヤマモミジと同じ7裂が普通だが、ヤマモミジには鋸歯があるのに対して、イタヤカエデの葉には鋸歯はない。



イタヤカエデの実生です。
イタヤカエデの実生は、山道で割りとよく見かける。双葉から本葉をを出し、対生であることを示している。
春先に出す樹液は、カナダ産のサトウカエデ程ではないが、シラカンバなどよりはずっと糖度は高い。
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