井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の樹木ウォッチング・サルナシ6

2023年02月03日 | 日記

サルナシの雌花。マタタビ科マタタビ属。
サルナシの雌花、雄しべ・雌しべが揃っていて形は両性花、雄しべが機能しているがどうかは普通わからない。なので、雌花より両性花という言い方のほが良さそう。
自生種ではどうか分からないが、栽培種ではいろいろ品種がつくられていて、多くの場合「自家結実性」があり、1本の樹で実が成る。
サルナシの雌花は多心皮で、花柱も心皮の数だけ放射状に広げる。学名(属)の「アクティンディア」は放射状を意味する「Aktis(アクティス)」に由来するという。また、サルナシをマタタビなどとは分けて「サルナシ科」にするという考え方もある。
サルナシの幼果実。
萼、花弁はほぼ落ち、放射状に広げた花柱は先端部は黒く変色(受粉済みを示す)しているがまだ落ちずにある。子房は膨らんでいるが完熟に向けて更に膨らみを増す。
サルナシの果実。
サルナシの果実は液果、梨に似てサルが好んで食べることから「猿なし」の名がついたというが、北海道には猿は生息しない。代わりにヒグマや人間が好んで食べる。先端には花柱の名残が見える。
サルナシには「シラクチヅル」の別名もある。「シラ」は猿(「ましら)ともいう」のことで、「猿が口にすることの多いつる植物」ということで「シラ・クチ・ヅル」となる。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 北海道の樹木ウォッチング・... | トップ | 北海道の樹木ウォッチング・... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事