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ヨハネの黙示録9章

2021年09月13日 07時01分06秒 | ヨハネの黙示録
ヨハネの黙示録9章 主の解放、償い
1.食い荒らすいなご(9:1-11)
第五のラッパが吹き流されると、一つの星が天から落ちたと言います。しかもそれは、無機質な物体ではなく、生き物です。鍵を手にしていて、底知れぬ穴を開くとあります。古代のユダヤ人は、死人や悪霊の住む場所として、底知れぬ穴があると考えていました。ですからそこから出て来たいなごは、悪霊のようなものなのでしょう。何とも不気味です。彼らは、さそりが持つような力を持っていて、人間を食い荒らすのです。しかも彼らが苦しめるのは、神を信じない人々です。ただ、それは、5ヶ月という限定的な苦しみです(5節)。生命を奪うまでには至りませんが、死を願っても死ぬことのできない苦痛です(6節)。
 さて「そのいなごたちの姿は、出陣の用意が整った馬に似ていた。頭に金の冠のようなものをかぶり、顔は人間の顔のようであった。」「女の髪のような毛があり」歯は獅子のようで、鉄の胸当てをつけていると言います。なんとも、いただけない姿、形ですね。そして、底知れぬところの使いを王としている。一つ統制のとれた大群です。彼らの名はヘブル語でアバドン、ギリシア語でアポリュオン、どちらも、滅びとか破壊を意味することばです。なんだろう。ヨハネは、映画、新世紀エヴァンゲリオンに出てくるような怪物を見ているのでしょうか?
これもユダヤ人の知識的前提を抑えたいところでしょう。旧約聖書のヨエル書(1:1-5)には、食い荒らすいなごのイメージが出てきます。それはいなごの大軍勢によって農作物が被害を受け飢饉となって人々が苦しんだ時代に書かれたものですが、そこにはイスラエルを略奪するアッシリア軍が象徴的に語られています。ですから、黙示録のこの記述も、文字通り不気味な怪物が現れる、というのではなく、歴史上に繰り返される自然災害や侵略、戦乱のイメージを語っているに過ぎません。ただ、ここで大切なのは、苦しめられている対象です。つまり、この時代苦しめられていたのはキリスト者でしたが、その立場が逆転すると言っているのです。時代が変わって弾圧する者が弾圧される、これは確かに歴史的に起こってきたことですね。大戦中、宮城遥拝や従軍慰安婦、強制労働など他国の自由を踏み躙った日本や、民族的な弾圧を加えたドイツが、戦後いまだにその賠償を求められているようなものでしょう。
 ともあれ、七つのラッパに伴うしるしの細かな意味はわからなくても、全体の印象でとらえていくと、あれやこれやと思い当たることがあって、ああ、これも人類史の衝撃的で破壊的なシーンの数々であると理解することができるのです。
2.ヨエル書のメッセージを思い起こす(9:12-21)
ただ、注意すべきは、こうして封印に伴う災いの記事の後に、さらに詳しくラッパに伴う災いの記事を重ねて書いたのは、同じことを冗長に繰り返しているだけではないことです。ヨハネは先の8章で出エジプトのイメージを借りて、地上に起こる災いを詳しく描きました。旧約聖書の知識のない日本人にとって、それは恐怖感を与えるだけかもしれません。しかし聖書に通じたユダヤ人であるなら、その記事から出エジプト記を思い起こすことができますし、そうなれば、イスラエルの叫びに応じた、神の解放がもうそこまで来ているというメッセージとして受け止められるのです。同じように、この第五のラッパの災いも、旧約聖書の理解があれば、ヨエル書の預言を思い起こさせる内容になっています。そしてそこには、主が苦しみに償いを与え、繁栄を取り戻す恵みのメッセージがあります。つまり、さらに強い励ましのメッセージがあるのです。実に、日々の聖書通読の成果が問われるところですね。
6章では、正しく生きることが決して報われない、愛することが報われない、無駄死にだと思われる状況が続き、殉教者たちが我慢できなくなって叫んでいます。これに答えて、神は、7章で、約束の出エジプトが、もうすぐそこまでやってきていると語りかけています。そして、この8章からは、殉教者の苦しみが報われることを、ヨエル書を思い起こさせることで、語りかけているのです。ヨエルは言います。「いなご、あるいは、バッタ、その若虫、噛みいなご、わたしがあなたがたの間に送った大軍勢が食い尽くした年々に対して、わたしはあなたがたに償う。あなたがたは食べて満ち足り、あなたがたの神、主の名をほめたたえる。主があなたがたに、不思議なことをするのだ。わたしの民は永遠に恥を見ることがない。」(ヨエル2:25-26)では今日もよい一日となるように祈ります。

<クイズコーナー>
最初に昨日のクイズです。「黙示録のオリジナルリーダーは誰で、それはどんな意図を持って書かれましたか?」答えは1世紀のキリスト者であり、迫害の困難の中にあって信仰に立つことを促すためでした。では今日の聖書クイズを一つ。9章の背景となるいなごの災い、そこには、旧約聖書の何書を背景としたパロディがありますか?①ヨエル書、②イザヤ書、③エレミヤ書、答えはまた明日、今日もよき一日となるように祈ります。


<天草さんのフォローアップ>          
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