ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『胎児のはなし』『父からの手紙』『わるい食べもの』

2019-09-12 21:30:20 | 
『胎児のはなし』 最相葉月 増﨑英明 ミシマ社
 超音波診断によって「胎児が見える」ように――。新時代の産婦人科界を牽引した「先生」に、生徒サイショーが妊娠・出産の「そもそも」から衝撃の科学的発見、最新医療のことまで全てを訊く。
 読んでいて、おもしろく、勉強になった。一番驚いたのは、父親のDNAが胎児を通して母親に入っていること。その他、胎児は肺に肺胞液という界面活性剤を作って貯めておくとか。胎児は母にとって異物だが胎児を包んでいる羊膜は、受け入れられているとか。帝王切開の切り方とか。科学が発達してもまだまだわからないことがいっぱい。胎児って不思議、命って不思議。

『父からの手紙』 小杉健治 光文社文庫
 家族を捨て、阿久津伸吉は失踪した。しかし、残された子供、麻美子と伸吾の元には、誕生日ごとに父からの手紙が届いた。十年が経ち、結婚を控えた麻美子を不幸が襲う。婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として逮捕されたのだ。姉弟の直面した危機に、隠された父の驚くべき真実が明かされてゆく。
 ところどころ、「ん?こんなの言ってたっけ?」と思うところはあったが、二つの話が交錯するストーリーがそう来たかという感じで、おもしろかった。グイグイと一気読みだったが、文庫の裏に書いてある感動作とは思わなかった。

『わるい食べもの』 千早茜 集英社
 「いい食べもの」はもうたくさん。気高き毒気が冴えわたる、異色の食エッセイ。
 ユーモアのある文章で楽しく読んだ。食をテーマに上手にまとめてあるなという感じで、おもしろかった。給食の牛乳が私も嫌いだったなとか、飲んだ後には私は明石焼きが食べたくなるなとか、トットちゃんの「海のものと山のもの」を私も覚えているとか、身近な話題で親しみやすいし。「Mind your own stomach」の章は、拍手もの。「みんな同じ外見ではないように、食への姿勢も味覚もそれぞれ違う」それなのに、それをとやかく言う人は「本当に相手のことを考えているか。ただ、自分の思い通りに人を動かしてみたいだけじゃないのか」
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