ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『世界の果てのこどもたち』

2015-08-17 15:00:07 | 
今日は、神戸ときめき商品券(プレミアム付商品券)の発売日。10時からの販売で私は仕事中なので、子どもに購入を頼む。出勤時に販売所であるコンビニの前を通ると、列に並んだ人に整理券を配っている。慌てて子どもに電話をする。しかし、9時前にはコンビニの整理券配布は終わったという。近くのショッピングモールへ行くように子どもに伝える。が、そこも長蛇の列らしい。子どもは列に並び、ぎりぎり整理券をゲットして、なんとか商品券を手に入れる。
これって、手に入れられない人がたくさんいると思う。一世帯に一冊は絶対買える整理券を渡し、余った商品券は今回のように売るとかできなかったものだろうか。

『世界の果てのこどもたち』 中脇初枝 講談社
戦時中、高知県から親に連れられ、満州にやってきた珠子。そこで、珠子は朝鮮人の美子と恵まれた家庭で育った茉莉と出会う。三人は、遊びに出かけた先で雨にふりこめられ、一つのおにぎりを三人で分け合い、忘れられない一夜を過ごす。しかし、戦争は三人の運命を非情にも変えていく。茉莉は住んでいた横浜の空襲で戦災孤児となり、珠子は満州からの逃避行で誘拐され中国残留孤児となり、美子は日本で朝鮮人として差別をうける。戦後の大きな時代のうねりの中、再び三人は出会う。
この本は、私が今年読んだ本のベスト3に絶対入ると思う。何度、涙がほほを伝わったことか。戦災孤児となった茉莉に近所の人が特別配給のキャラメルをそっと握らせる。すると、別のおばさんがやってきて、茉莉の指をこじあけ、キャラメルを奪って自分の子にやる。このエピソードには、胸がつまった。いくつもの死と向き合い、辛い体験をしても、人に愛され大事にされたという思い出があったから、がんばれたのだろうか。この本を読むと戦争はいけないとしみじみ思う。人間が人間でなくなる戦争が、終わってから70年。まだ100年も立っていないのだ。
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2 コメント

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残留孤児 (ふみ)
2015-08-17 23:18:12
残留孤児の部分がすごく心に残ったわ。なる過程も日本に来る時も。
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衝撃だった (わたさん)
2015-08-19 16:46:10
小説現代で読んでいたのですね。満州からの引き揚げを読んでいて、私は昔読んだ『凍土からの聲 外地引揚者の実体験記』を思い出しました。父親が1人で幼いわが子を殺めるところや、襲撃されるところとか。こんなことは二度と繰り返してはいけないし、他の地域でもあってはならないと思う。
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