ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『インドラネット』『ブックセラーズ ダイアリー 』

2022-08-25 09:53:28 | 
『インドラネット』 桐野夏生 角川書店
 平凡な顔、運動神経は鈍く、勉強も得意ではない――何の取り柄もないことに強いコンプレックスを抱いて生きてきた八目晃は、非正規雇用で給与も安く、ゲームしか夢中になれない無為な生活を送っていた。唯一の誇りは、高校の同級生で、カリスマ性を持つ野々宮空知と、美貌の姉妹と親しく付き合ったこと。だがその空知が、カンボジアで消息を絶ったという。空知の行方を追い、東南アジアの混沌の中に飛び込んだ晃。そこで待っていたのは……
 誰が味方で誰が敵なのか。続きが知りたくて、一日で読了。圧倒された。
 何もできないくせに女性蔑視などする晃のダメっぷりがクソ。だが、見知らぬ土地で自分の甘さから騙され、困難に立ち続けるうちに成長していく。
 ラストはどうなんだろうなあ、結構衝撃的だった。

『ブックセラーズ ダイアリー  スコットランド最大の古書店の一年』 ショーン・バイセル 矢倉尚子訳 白水社
 30歳のとき、クリスマスの帰省中に、立ち寄った老舗古書店「ザ・ブックショップ」を衝動買いしてしまう。諸手続きをへて翌年手に入った店は、いまや10万冊の在庫を擁するスコットランド最大の古書店だ。かつて国内最悪の失業率に苦しんでいたウィグタウンも、書店の町として知られるようになり、町にも店にも世界中から観光客が訪れる。とはいえ、由緒ある築約200年の建物は維持費がかさむ。厳冬期には客足が途絶え、一方で暖房費はばかにならない。さらに大手書店チェーン、のちには巨大資本アマゾンと電子書籍化という手ごわいライバルが行く手に立ちふさがる。時に奇天烈、時に傍若無人な日々の客たち。有能だけど変人の度が過ぎる従業員。大人気イベントである秋のブックフェスティバルで起こる騒動の数々。
 私が衝撃を受けた『白の闇』(ジョゼ・サラマーゴ)が本に載っていたと友達が教えてくれたので、読んでみた。
 なんといっても、店主の文が皮肉がきいてユーモアがあり、魅せられる。釣りに行ったり、友達とお酒を飲んだりと生活を楽しんでいる感じがいいと思った。
 そして、古書店でのお客の立ち振る舞いを読んで、お客さまは神様ではないのだから、お店では常に謙虚にいこうと心に誓った。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『老いる意味』『死亡告示』 | トップ | 「Johnny's Festival ~Thank... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事