ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『失われた岬』『リボルバー』

2022-02-21 21:51:32 | 
『失われた岬』 篠田節子 角川書店
 以前から美都子が夫婦ぐるみで付き合ってきた、憧れの存在である友人・清花。だが近年、清花夫妻の暮らしぶりが以前とは異なる漂白感を感じさせるようになり、付き合いも拒否されるようになったのち連絡がつかなくなった。清花たちは北海道に転居後、一人娘・愛子に「岬に行く」というメッセージを残し失踪したようだ。彼女の変貌と失踪には肇子という女性が関わっているようだが、その女性の正体も分からない。 時は流れ約二十年後の二〇二九年、ノーベル文学賞を受賞した日本人作家・一ノ瀬和紀が、その授賞式の前日にストックホルムで失踪してしまった。彼は、「もう一つの世界に入る」という書置きを残していた。担当編集者である駒川書林の相沢礼治は、さまざまな手段で一ノ瀬の足取りを追うなかで、北海道のある岬に辿りつくが―。 やがて明らかになる、この岬の謎。
 篠田さんにうまくミスリードさせられた。思っていた真相と違っていた。遡って読むときちんと伏線があって、ちゃんと回収されているのは、さすが。しかし、近未来が出てくるとは思わなかったなあ。
 ラストも思っていたのと全然違った。
 世界へと目を向けずに、のんびりとぬるま湯につかっている日本人への警鐘でもある。

『リボルバー』 
 原田マハ 幻冬舎
 パリ大学で美術史の修士号を取得した高遠冴(たかとおさえ)は、小さなオークション会社CDC(キャビネ・ド・キュリオジテ)に勤務している。週一回のオークションで扱うのは、どこかのクローゼットに眠っていた誰かにとっての「お宝」ばかり。高額の絵画取引に携わりたいと願っていた冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれる。それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。ファン・ゴッホは、ほんとうにピストル自殺をしたのか? あのリボルバーでゴーギャンに殺されたんじゃないのか?
 関ジャニ∞の安田くんの舞台の原作本。いやあ、舞台見たかったなあ。ほぼ、ゴッホのように見えたという安くん。小説と舞台では、話が少し違ったようだが。
 小説は読んでいて、一瞬事実のように思ってしまった。ノンフィクションではないが、錯覚してしまう。原田マハさん、さすが。
 あの時代に高名な画家が綺羅星のごとく現れたのはスゴイなあ。
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「ヘドウィッグ・アンド・ア... | トップ | 俳句生活 兼題「福寿草」で人 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事