ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
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『文人たちの句境』

2020-04-15 22:54:47 | 
『文人たちの句境』 関森勝男 中公新書
 文人の俳句は面白い。なぜかといえば、発想が自在で、飛躍もあり、ものの核心を衝いているからである。彼らは佳句を作り、人と競おうという気負いはなく、肩肘はらず、しかし精神は集中させ、普段の息遺いで句作しているからだ。
 気に入った句に付箋をつけていたら、付箋だらけになってしまった。万太郎や龍之介が好み。
春の日やボタン一つのかけちがへ 久保田万太郎
数の子に命久しき歯音かな 尾崎紅葉
凩や目刺に残る海のいろ 芥川龍之介 
持てあます西瓜ひとつやひとり者 永井荷風
腸に春滴るや粥の味 夏目漱石 病み上がりの句
葉柳や盥の水のきぬの浅みどり 泉鏡花 色がきれい
白はちす夕べは鷺となりぬべし 三好達治
影ふかくすみれ色なるおへそかな 佐藤春夫 ミロのビーナスを見ての句。目のつけどころがスゴイ
花冷えや眼薬をさす夕ごころ 横光利一
しべりあの雪の奥から吹く風か 寺田寅彦
コメント
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