世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

OH!水木サン!

2005年08月28日 01時56分02秒 | Weblog
大水木しげる展に行ってきました。
いや、すばらしいものでした。
展示数の多さにも見応えを感じましたし、
なによりも水木しげる先生とその作品群を様々な角度から見せるアイディアに溢れておりました。
これはもう、水木しげるとその作品群が好きで好きでしょうがなければ生まれないものばかりです。
好きで好きでしょうがなくって、そのすばらしさをぜひ皆に見せたい、というか自慢したい。自分のことのように胸を張って。
そんな雰囲気が会場内を行ったり来たりしていました。
お客さんも小学生から水木先生と同年代くらいまで幅広く、皆興味あり気に見ていました。
水木サンの集めに集めた妖怪や妖精たちの、今でいうフィギュアの数々。鬼太郎ハウス、浮世絵の妖怪五十三次まで。
それにとどまらない展示品。実に楽しめました。
最初に掲げられている先生のお言葉から、高知県立美術館の付属展示、ポップ妖怪の世界まで、まるで一度死んでまた生まれ出たようななんとも言えない順路でありました。
水木ファンは行くべしですよ。
水木ファンじゃなくてもおもしろいですよ。行くべしですよ。

水木しげるのなにがすごいって、
ホントにこの人、妖精やら妖怪見てるんですね。
見た、感じた、あれはこの妖怪だ!と作品に描くんですよ。
これは嘘ですよ、フィクションですよ、と言わない。
これは水木しげると釈由美子ぐらいにしか出来ないですよ。
しかも釈由美子は見たものをそのまま絵に描くことはしないわけだから、水木しげるのすごさがどんなものかもうわかっていただけたかと思います。
普通、そういうこと言うと釈由美子みたいに変わり者だよね、って目で見られてしまいますが、水木しげるにはそれをごり押しするだけの説得力という名の画力が備わっているんですね。
実際見るとその画力に圧倒されます。
まあ、要はこんな線ばっかしちまちま描いてられっかよ!ということなんですが。
さすが、こんな線ばっかしで、ちまちま濃淡つけてんじゃねぇよ、この天才!の異名を持つつげ義春をアシスタントにしていただけあります。
そんなんを目の前にすると、もうあっちの世界ってのはどっかあるんだろうな、とぼんやり考えてしまいます。そんなん考え出したら、こういう輩もいるんじゃねぇの、と思いだします。そう思い始めると、こいつら見たことあるなんてすげぇな、このおっちゃん、となり、水木ワールドの永久循環が始まります。まあ、なんてスペクタクル。なんて、素敵。

今の流行ですからね、妖怪。
え?知りませんでした?
流行ってんですよ、妖怪。
まあ、流行に便乗して水木しげる展でも見に行かないと、波に乗り遅れますよ、お嬢さん。
イマドキ、妖怪の名前10こぐらい挙げられなくてなにがイマドキですか。