昔から、洋館と呼ばれるものに弱い。
羊羹は、苦手だけれどね・・・(笑)。
異人館だとか、そこまで洋館洋館していなくても、
街並みに溶け込んだ、古い洋館が好き。
石畳の静かなアプローチ。
手入れされすぎていない木々の間を抜ける。
扉を開くと、そこには、やわらかな空気と時間が交差している。
悲喜こもごもの感情の影も、今ではすべて風化し、
そこに住んでいた人たちの穏やかな記憶だけが、
壁紙や木の棚に留まっているみたい。
以前・・・そう、たしか以前、ここに住んだことがあった・・・
そんなデジャヴさえ、感じられる懐かしい匂いと、
奇妙なやすらぎと、
窓辺の光の澱のダンスと・・・。
階下の広い居間には、暖炉に、揺り椅子に、風景画にドライフラワー。
赤い段通に低く積まれた古本に、画集に、片隅の足長ランプ。
無垢の木枠に、分厚いカーテンに、深緑色のフリンジ。
積み重なっていく時の流れが、かたちに こころを与えてゆく。
明るい午後の冬の日には、
澄んだ青い光をまとった妖精が洋館を訪れる。
・・・ことも、あるかもしれない。
ティンカーベルのように、きっと軽やかに、無邪気に。
そこは彼女にとっても、お気に入りの場所のはずだからね。
追伸たまたまカメラのレンズに青い光が入ったようなのですが、
写真を眺めている内に空想しちゃいました・・・