イギリスは3年前、ヒースロー空港に降り立っただけ。
ハリーポッター、ストーンヘンジ、妖精話、オーラソーマ、フラワーレメディー ・・・
独特な不思議アイテムも多い国です。
もし行けるならば、ロンドンよりも地方がいいなぁ。。。
湖水地方とか、コツウオルズとか。
そんな最近、ちょっとしたご縁も手伝って、
『イラクサの小道の向こう -英国、花とくらす小さな村 』
を読みました。
コツウオルズの中の、「ブロックリー」という小さな村に滞在された
同世代の、お花の仕事をされている女性のエッセイです。
日々の慌ただしさに息切れになった彼女は、ある時、英国に向かいます。
そこで待っていたのは、あるがままの自然や、村の人達との心の交流。
すべてが何をアピールするでもなく、おだやかで純朴。
それらが、固くなっていた心をやわらかに解きほぐしていく・・・
そんなお話です。
紀行文やエッセイは苦手で、基本読まないのですが、
この本は、1ページ目を開いたときから、
すんなり、その世界へと入っていけました。
想像力を駆使しなくても、麦畑の色や、一面の草花のそよぎ、イギリストーストの匂い、
たっぷりの紅茶の香り、サラサラした蜂蜜の舌触り、搾りたて牛乳瓶の音・・・が、
本のあちらから、スーッとやってくるような感じなのです。
その臨場感があんまり心地よくて、ほんとにおいしそうで (笑)、
時おり開いてみたい一冊となりました。
遠くにある、目立つ輝きのあるものに目を奪われがちだった作者は、
この目立たない村で、シンプルな日常の喜びを大切に暮らす人たちや、
自然そのものから、大切な何かに気づかされたそうです。
それが心の中でトロリと熟成され、今後の仕事や人生のベクトルとなっていく。
出会いのレシピって、ほんと絶妙です。
あわてず騒がず、細やかな視線を重ねながら、
ゆったりとした文章の書き方もよいな・・・と思いました。
イギリス好きでもそうじゃなくても、おすすめの一冊だと思います。 → **