~ Mon petit cheri~*

四季を味わいながら、暮らしのセンスアップをめざしています

◆ 節制

2009年02月07日 | 自由詩



北西からの強い風が ひとはけの羽根雲をつれてきた


シルエットのような裸木の映える 空の色
もったいないくらい あかるい陽ざし


   



ウッドデッキは ほとんど光のあふれる部屋になり
猫にだって 春の近いことが感じられてくる



どこかに行ってしまったものたちも
いつかはまた戻ってくる



信じていても   いなくったって



どうお返しすればいいのか と
あいもかわらず わたしは迷い続けているのに





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◆ 月見

2007年10月25日 | 自由詩

高く 高く

どこまでも高く

天空に 輝いておりました。



生れ落ちた わが身のことは

月とて わかるはずがありません。

素性も知らされず 生きていくしかない この理不尽さよ。



こぼれた 雫を

両手で 受け止めながら

もっともっと浄められるよう

十三夜に 願いをかける。



夜明け前の暗さがあってこそ

この輝きが増すのならば

漆黒の闇も

消え入る星屑のまたたきも また

銀河の果てからやってくる 再生の気配。




欠けて 満ちて

満ちて 欠けて



輪廻の円環は 永久(とわ)にめぐる。




今宵も


月は登り  透白光を放つ

けれど 十四夜のそれは 

昨日よりも あたたかく 慕わしい。

母のまぁるい  白い膝のよう。





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◆ 睡蓮

2007年08月17日 | 自由詩


 急がない。

 焦らない。


 
  この場にとどまって、

 この泥の中で

 咲いてみよう。







 するりと

 
 さらりと

 うるはしく。




 ***



 8月12日午後 大原美術館・新渓園内のスイレンさんたち



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◆ watage

2007年05月08日 | 自由詩


たんぽぽの花もいいけれど、
たんぽぽの綿毛もいいよね。

あちこち旅して
新しいふるさとを探すんだ。

わたしが、ふぅってやらなくても
風がふぅって吹いて
軽やかに彼らを運んでくれる。

流れに乗っていれば、
いつかどこかにちゃんと辿りつくさ。

足元でそんなことを教えてくれる。


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◆ 豆を食べながら

2007年02月04日 | 自由詩


節分と立春が続く、2月の 3日、4日の頃が何だか好き。
始まった年は、まだまだ手垢にまみれず新しいし、
1月には、ココロの中でまだ混沌としていた志しのイメージも、
このころになってくると、少しずつ少しずつ、カタチになってくる。

暖冬とはいえ、寒さにやられていた心身も
光の多さ、明るさ、率直さに、少しずつ少しずつ元気を取り戻す。

何もかもが芽吹いてゆくエネルギーを感じている。

強くて、微細なエネルギーは、希望となって、
あなたの心にも降り注いでくれればいいな。


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* 坂の途中で *

2006年10月19日 | 自由詩

ツタがあらぬ方向に、自由に壁を這い上がってる。
それだけでも足を止め、魅入ってしまうのに、
それがモミジの紅葉色とはまた違う、
マジェンダと赤色を混ぜたような、
異国の街の夕日みたいな、甘美な色に染まっている。

おしゃべりなんかとてもできない起伏にとんだ坂の途中で。

昨日、今日、明日・・・

通るたんびに、赤・黄・緑の対比は変化し、
動きはますます、龍のようにダイナミックになって、

とても格好いい自然のアートなのに、
どこかしら痛ましく、
10月がこのまま止まればいいと願った。

10月は尊敬の月。
尊敬とは、つまりその・・・対等であること。


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* Free *

2006年07月07日 | 自由詩

オリーブの葉を銀色にひるがえす風や

朝や

読み進まない本を閉じる幸せ

痛みの中の知性や

市場の脇の見知らぬホームレスや

白い彫像のあたたかな色

幾度も生まれ 幾度も消える雲や

笑い声や

境界のないわたし



タヅナなんて 手放してしまえば

物語なんて 放下してしまえば



扉は消えるのだろう

初めから そこにはなかったのだから・・・



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*影のディテール *

2006年03月15日 | 自由詩
忘れ雪が降ったり、
あかるい日ざしが差し込んだり、
強い風にあおられたり。

涙目になったり、
浅い息をしたり、
深呼吸をしたり。

めまぐるしく変わる、球体の三月。
それは、産みの苦しみなの?

それでも、
いくつかの心地よさを数えて。

時間を、そっと版画してみる。



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* 森をアルク *

2006年03月06日 | 自由詩
   深く、
   静かに、
   純粋に、
   軽やかに、
   鮮やかに、
   内的に、

   森の中をてくてく歩いて、一人で見つけてゆく。

   想いの、想い方。
   夢の、かなえ方。
   万象との、つながり方。

   大きな果樹の木に辿りつくまで。



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* 早春 *

2006年03月01日 | 自由詩

「しばらく海、見てないな~」
  
そんなことに気づかされる 三月の始まり。

梅も 海も  ほころび始める 季節。



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