浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

生活を破壊してまで・・・

2024-05-18 08:39:44 | 政治

 リニア工事に伴い、瑞浪市で水涸れが起き、大きな問題となっている。全国メディアも報じているが、しかしこれ、当然予想されたことである。地上でリニアを建設すると土地購入などばく大なコストがかかる、「大深度」をトンネルで結べばコストもかからないだろうという浅慮の結果である。

 すでに水問題は、新東名建設時に起きていた。トンネル掘削していたら、周辺の地下水が消え、住民たちの生活が破壊された。

 要するに、近年の大土木工事は住民の生活を破壊してまでも推進されるということなのだ。

 資本はあくなき増殖をめざす。しかし何もしていないと増殖は速度を減じる。そこで考えられるのが、破壊という方法である。大土木工事は戦争と類似する。

 戦争は、Gazaやウクライナをみなくとも、破壊と殺りくを本質とする。兵器で破壊し、そのあとに復興、これら破壊と復興により資本は大増殖する。大工事も同じだ。住民の生活を破壊し、破壊そのもので資本は増殖し、さらに破壊の結果を修復するということでさらに増殖する。

 資本主義というのは、すでに人間というか、住民というか、人びとと敵対関係になっているのだ。敵対的矛盾である。

 グローバル資本主義により国家は後退していくという言説があったが、グローバル資本主義というのは、国境をこえて資本を増殖させるために、国家を従属させ、さらに他国を従属させて、さらに資本を増殖させていくというシステムなのだ。そして同時に、それら国家の国民たちをも従属させる。その点から言えば、国民たちの国家への従属度は強化され、近代社会において誕生したという自立した個人は「時代遅れ」となったのである。自立した個人の消失は、日本においてこそ典型的に現れている。

 

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