HALクリニックの診察室から

Human Active Life…新潟で心臓血管外科のクリニックを開設した医師のひとりごと

糖尿病の「物差し」が変わります ^_^

2013-05-19 12:31:44 | 健康
 糖尿病の診断や評価では、「血糖」とともに「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」という
採血データーが用いられます。

従来は、HbA1cの数値によって、コントロールがよいかどうかの評価は
このようになっていました。



数値によって、「優」「良」「可(不十分)」「可(不良)」「不可」に分類されています。
僕は糖尿病の専門医ではありませんが、循環器の外来では糖尿病もある方が多く、
糖尿病の診療も併せて行うことが多いです。
患者さんに説明する上で、昔の通信簿のような評価分けに違和感を感じています。
患者さんにとっても、「不可」といわれると、精神的にダメージを受けて、
糖尿病に対する治療意欲を削ぐことになりかねません。
糖尿病の講演会で、「評価区分の名称を変えた方がいいのでは?」と
発言したりしていたのですが、そのときに「もうすぐ変わりますから」という
答えをいただいていました。
また、脳卒中や心筋梗塞などの大血管予防が問題の心臓血管診療においては、
血圧や脂質異常の管理に力を入れているので、年齢や状態によって「一律の基準」
というのはやや無理があると感じていました。

その答えが出ました!






http://www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_6B756D616D6F746F323031332E706466


糖尿病学会から「血糖コントロールの目標」の改訂が発表されました。
以前のものに比べて、目標別の数値が切りのいい分かりやすく設定されました。
さらに、患者さんに心理的な負担をかける「通信簿的評価」もなくなりました。
患者さんに説明も分かりやすくなったと思います。

糖尿病学会の英断を患者さんへの指導に活用することが出来るようなったので、
われわれ現場の医師はこの目標をどう実現するか頑張り必要があります。
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