HALクリニックの診察室から

Human Active Life…新潟で心臓血管外科のクリニックを開設した医師のひとりごと

こんなの読んだら薬を飲みたくなくなるけど、病気になったらもった大変…

2024-09-01 20:41:02 | 医療
 以前から週刊現代に掲載される「薬の副作用」の記事はときどき目にしていました。
今回は患者さん向けの院内講演会のための資料として買って読みました。






こんなに書かれている記事を読んだから薬を飲みたくなくなりますね(汗)
副作用については、嘘ではないけれど誇張して副作用が重篤に書かれていること、
副作用が薬を飲んだ人誰にでも起こるように書かれていること、が問題です。

 稀な副作用で、長い間薬を使っていて全っ経験がないようなことも
大々的に書かれていて、これは患者さんを脅しすぎだと感じる部分が
多いです。

 週刊現代の記事の最大の問題点は、薬を嫌がって薬を飲まずにいて
病気になるリスクについて全く書かれていないことです。
どんな薬にも副作用はありますが、薬には病気を治療するという効果が
明確です。
だから治療のために薬を使うことは医療の歴史の中で確立してきました。

 週刊現代の記事を見て、自己判断で血圧の薬をやめて血圧が上がって
大動脈解離や脳出血した患者さんを実際に経験しています。
糖尿病の薬をやめて数年後にものすごく悪化して、以前の軽い薬から
強い薬を何種類も飲まなければならなくなったり、目の障害や手の痺れが
出てしまった患者さんも。

 われわれは副作用がないかどうか注意しながら薬を処方しています。
その途中で週刊現代の記事を信じて自分の体を壊さないでください。
薬をやめて具合が悪くなっても、週刊現代は一切責任をとらないので 
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