goo blog サービス終了のお知らせ 

一句鑑賞

俳句ブログも長くなりました。この歳なりの記事が書ければと思ってますが、やや怪しげな時もあります。よろしくお読み下さい。

数へ日

2015-12-28 22:31:12 | 日記
数へ日
2010-12-21 22:07:53 | 日記
年用意が気になりますね。あと何日か・・・とつい日数を数えますね。
例句の先達たちは、以外にも慌しくは詠んでいません。

数へ日の火種を珠のごとく埋め       佐野美智

火鉢の種火でしょうか・・・
それを炭を入れるまで、ここに静かにしていてねと、珠のごとく灰に埋めたのです。
そして年を迎える準備をしに、火鉢から離れるのです。

数へ日や昼の木立に子の遊び        岡本 眸

子供たちにとっては正月用意の手伝いはないのでしょう。
いや、かえって外で遊んでくれた方が仕事が捗っていいのですね。

数へ日の数へるほどもなくなりぬ      鷹羽狩行

もういよいよだな、と数えることもしなくなったのです。
押し詰まった日数を、すっと心の中で通過させているような思いなのでしょうか。

数へ日を旅して橋の上にあり        大串 章

旅先の橋の上で今年もあと・・・数日と。
足下には水の流れが続いています、時の流れが止まらないように・・・。

数へ日と言へる瑞々しき日かな       後藤立夫

新しき歳を迎えようとするときの高揚の日々は瑞々しいのでしょうか。


どの例句も、慌てていないですね・・・笑
私もそうありたいのですが、見習いたいものですね。
今夜は例句すべてを鑑賞しました。


五年前の記事でした。

昨年の最後の記事は・・・

ジャズの音に足の爪抓む小指から

くすり指へと膝高く抱き


今年はこれで、良いお年をお迎えください。


http://blog.with2.net/img/banner/c/banner_1/br_c_1690_1.gif

2015-12-27 22:51:52 | 日記

2010-12-19 22:40:54 | 日記
冬の魚と言えばいろいろありますが、今夜は鱈。

品書の鱈といふ字のうつくしや    片山由美子

鱈ははなはだ貪食で、腹がふくれている。と歳時記にあります。
姿は宜しくないけど、調理された鱈は美味なのですね。
品書に、鱈のちり鍋などとあれば、その書かれた文字は美味なのです。

船去って鱈場の雨の粗く降る     寺山修司

鱈を水揚げした船が去って行きます。
その港に雨が降っているのですが、粗く降るといってます。
水揚げされた鱈場に、雨がしとしとなどではなくざざっと降っているのです。
その様を切り取った句なのですが・・・切れが上五に入りますね。
船去って、ここで切れてます。あとの中七下五の音がいいですね!

たらばのあめのあらくふる・・・・ですね。
あ音が働いてリズム感よく読めますね。

船は去ったのですが、これから鱈を大小に分けたり競(ほんとは別の漢字ですが)にかけたりする準備が始まります。その忙しさの気配をも感じます。
雨が粗く降る、ただ激しいだけではない雨なのです・・そこに詩人の心があるのでしょうね。鱈場は働く人の戦場となるのです。



今夜も機序の貼り付けで・・・
昨夜は鍋にしたが、豚ロースのしゃぶしゃぶ。
正月は鱈の鍋にしようかな、メニュー係も年の暮は頭を悩ます。

息白し

2015-12-24 21:40:50 | 日記
息白し・白息(しらいき)・・・
2010-12-15 22:25:40 | 日記
寒い日でした・・・

息白き人重なって来りけり       山口青邨

横断歩道の信号が青になりました。向うから大勢の人が一斉に歩き来るのです。
今日15日は作者の忌日です。

ある夜わが吐く息白く裏切らる     加藤しゅう(木へんに秋)邨

どんな裏切りを受けたのでしょうか。
吐く息の濃さに、その深さを想像するしかありません。
ふぅーっと上向きに吐く息、俯き加減に吐く息・・・

白息をかけて遺愛の眼鏡拭く      角川照子

大切にしている眼鏡なのですね。

身籠りてより白息の濃くなれり     木内怜子

そう、これはお腹の赤ちゃんのぶんも入った白息なのです。
頑張らねばと一息入れたところでしょうか。



5年前12月15日の記事でした。

クリスマスイブの息は如何ですか?

鼻水

2015-12-20 23:58:42 | 日記
水洟・鼻水
2010-12-28 22:41:11 | 日記
これから年始にかけても寒波到来の予報ですね。
こう寒いと風邪まで引かなくても鼻水が出ます・・・。
数年前に大分県臼杵市へ行ったときに・・・
行った理由は、町並みの通りの電信柱が地中化されたからでした。
単なる興味本位、それと臼杵の石仏をまだ見ていなかったのが理由です。
行ってみて一番驚いたのは、野上弥生子記念館があったことです。
それから港に突き出すように、フンドーキン醤油の工場があった。

その記念館での一番の驚きは、弥生子自身の展示もさることながら、漱石関連の資料であった。
中でも、漱石宅に置いてあり、来訪者がといっても当時の文学者たちが自由に書いていた画帳があった。
それは直接触れることはできないが、開かれた頁は芥川龍之介の河童の絵だった。
驚きました!!真剣に他の展示を見ましたね・・・。
短冊がさりげなくありましたが・・・直筆で、もちろん。

水洟や鼻の先だけ暮れ残る       芥川龍之介

有名な句ですね、その実物を目に出来たのですから嬉しかったですね。
この句は辞世の句と言われていた時期があったようですが、本人がお気に入りの句であって多くの人に書いていたそうです。
でも弥生子とは漱石門下で、家も近くて親しいお付き合いがなされていたそうです。
たぶん、臼杵の酒や醤油も芥川へ届いていたかも知れませんね。

大分県臼杵市、再び行きたい町なのです。
大林監督の映画のロケも行なわれた道がありますね・・・名が浮かびません。
臼杵へ行かれるのなら、野上弥生子記念館は外せませんよ!

お風邪など引かれませんように、明日からこの鑑賞はしばらく休みます。
再開は・・・明けて7日ごろかな?

では良いお年をお迎え下さい・・・といいながら鼻水をティッシュで・・・笑

以上5年前の記事。





秋月の田圃ですが、刈り取ったあとから稲の芽が伸びてました・・・
遠景の山はうっすらと雪を・・・柘植の原生林のある古処山ですね。
先週18日に歩いて来ました。
もちろん秋月ラーメンの食べ納めと・・・月の峠のカレーパンを買って来ました。

年の暮

2015-12-19 23:41:34 | 日記
年の暮
2010-12-26 21:23:55 | 日記
年の暮・歳暮・歳末・年末・年の瀬・年の果・年暮るる・年詰まる・・・
一年の終わりですね。
皆さんはどんな思いで今を過ごしてらっしゃいますか?
例句を見ると・・・芭蕉さんは旅を続けていますね。

年暮ぬ笠きて草鞋はきながら       芭蕉

笠は蓑笠でしょうか、保温性が良かったでしょう。
昔はよくぞと言いたいほどのいでたちでの旅だったのですね。

旧里(ふるさと)や臍の緒に泣く年の暮   芭蕉

芭蕉のどの時代の句かは知りませんが、年の暮にもどったふる里で思いもかけずに臍のを見せられたか、その話を聞くかしたのでしょう。
思わず涙したのです、それは年の瀬でもありますから子供時代の事が蘇ったのかもしれませんね。

町工場かたことと年暮るるかな      星野石雀

押し詰まっても、まだ仕事をしている町工場。
ただそれだけの情景ですが、そこに働く人の生活まで見えてきませんか?
働いている人の手、指の爪は沁み込んだ油汚れは黒くなります。
一年中、その手指で働いてきたのですね。
働く彼にはどんな夢があるのでしょう・・・一日の仕事を終えてどんな楽しみがあるのでしょう。
もう年も暮れようとしているのに・・・想像し過ぎでしょうか?
他の例句もいいですね・・・何故か、町工場が目にとまったのです。



この記事の町工場の句ですが。
陽水の曲にありますね・・・♪
曲名は直ぐに浮かばないが・・・・この町で205人が産まれ♪203人の死亡♪
町工場で働く者の手を歌ってましたね、あとで調べよう。