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一句鑑賞

俳句ブログも長くなりました。この歳なりの記事が書ければと思ってますが、やや怪しげな時もあります。よろしくお読み下さい。

葛湯と山茶花を

2015-12-17 22:59:55 | 日記
葛湯
2010-12-04 23:23:52 | 日記
先日、秋月を歩いた。もう黄葉もほぼ散り終えた様子です。
観光客も少なくのんびりと散策できました。
老舗の葛舗があります・・・母への土産に葛湯を少し買いました。
本葛ですからちょっぴりお高いです。体が温まりますね。

横顔はさびし葛湯を吹けばなほ      大石悦子

恋の句の一つとてなき葛湯かな      岩田由美

匙あとへゆっくりもどる葛湯かな     仲 寒蝉


さ食べようと葛湯を吹いています・・・ちょっと寂しげに食べているのです。
なにがあって寂しいのか、それは横顔の・・器を見つめる目元とときに不服気に尖らす口元にあるのでしょうが、私にも分かりません。

葛湯をスプーンで少しずつ食べるのは、ちょっとした贅沢。
恋の句を作れもしない自分が葛湯を食べている、そのギャップを言っているのでしょうか。

以上は女性の句です。
仲寒蝉は男性だと思います・・・知りませんのです、ご容赦。
観察の句ですね・・・一匙食べて器の中の葛湯を見ています。
トロリとした葛が掬われた跡へ戻っているのですね。

どの句も葛湯を見つめながら、見つめている人を詠んだ句です。
それほど温もりを感じさせる葛湯なのです。


今日は今年最後の秋月を歩いてきた



桜の・・・冬木の芽



黄落・・・あいにくの寒波だったが小一時間ほど歩いた。


それともう一つ・・・

山茶花
2010-12-05 22:10:04 | 日記

わが家の白山茶花が咲いた。紅のほうはまだ咲かない。
私は花が苦手であまり詠まなかった。
俳句を始めてからは少しは知るようになったけど。
山茶花は・・・歌で知っていた・・笑

山茶花や金箔しづむ輪島塗      水原秋桜子

冬色の中に紅色の花を咲かせている山茶花は、漆に沈む金箔のようだといっているのでしょうか・・・とくに花の中心にある花粉の色は金を思い浮かべます。
他にも例句がありますが・・・

再会の白山茶花の山の駅       大坪Y子

私が添削指導していた人の句です。
再会の二人はどんな状況だったのでしょうか、それは分かりませんね。
でもいろいろと想像させる句です。
白の山茶花は清楚に見えて、その清楚さの裏には隠れた情熱を感じますね。
わざわざ山の駅で会うのですから、密やかさを感じます。
名詞の他は「の」だけですね(笑)

5年前の記事には白山茶花の画像を載せたのですが・・・





炭火

2015-12-16 21:18:50 | 日記
炭火
2010-11-30 22:35:43 | 日記
今夜はエネルギー問題を・・・と言いましても歳時記の中のお話しです。
燃料として・・・炭・炭団(たどん)・石炭・コークス・練炭がありました。
私は1948年生れですから、すべて知っていますしお風呂を沸かすのは私の役目でした。新聞紙をふんわり丸めて火を点けて、薪を重ならないように隙間を空けて入れます。薪に火がつき勢いよく燃え始めてから石炭を入れるのです。
石炭に火がつくまでは団扇で風を送ったものでした・・・
上記の燃料を今はどこで使っているでしょう?
炭は焼き鳥屋さんで或いは茶の湯で・・・。
もう一般家庭ではまったくと言っていいほど使われていませんね。


わが母とゐるごとく居て炭火美(は)し    岡本 眸

火鉢に手をかざしたりしながら、その場を離れられない作者なのです。
いつかも母とこうして火鉢に暖を取ったのに・・・。
その美しい炭火を見ていると、母と居る安心感といいましょうか、そんな感じを持った作者なのです。
「ゐるごとく居て」この中七が全てです。
美しいのは炭火の色だけではありません。
お母さんもです。


今夜も貼り付けで・・・寒波の夜。

マフラー

2015-12-14 23:30:39 | 日記
マフラー
2010-11-28 21:54:31 | 日記
夜が冷えます。
ファンヒーターだけでは脚が冷えますのでひざ掛けをしています。
ひざ掛けは季語の中にあるかなと探しましたらありません。
防寒用に身に付ける物の季語には、頬被り・耳袋・襟巻・マフラー・ショール・手袋・足袋。
子供頃に耳袋を、すっぽり被って耳の他に頬から顎へ覆うものを着けた記憶があります。なんか戦闘機の操縦士みたいな感じでした。
ひざ掛けはないのです、季語となってもいいのにと思いますね。

ひざ掛けの中の組むひざ高くして    拙

逢ひに行く緋のマフラーを背に刎ねて  辻田克己

デートに行く青年です・・・たぶん。マフラーを背中に刎ねるくらいですから。
気持ちがマフラーを巻くときから入ってますね・・・笑
私はやや地味な青年でしたから、緋色のマフラーなどは持ちませんでした。
冬はいつも、刑事コロンボが着ているステンカラーのよれよれのコートを着ていました・・・笑
伯母から、汚いコートだねと言われたことを思い出しました。
いい伯母さんでした。



今夜も昔の記事の貼り付けでした

河豚汁

2015-12-13 22:37:15 | 日記
河豚汁(ふぐじる)
2010-11-25 22:01:56 | 日記
明日は寒波が西日本にと気象予報士はコメントしています。
寒くなりそうです・・・そんな夜は温まる鍋や汁物がいいですね。
歳時記には鍋物汁物がたくさん載っています。
今夜は・・・河豚汁・・・ふぐと汁・ふぐ鍋・ふぐちり・てっちり・河豚の宿とありますが・・蕪村も恋をし恋を失ったのかな。

逢はぬ恋おもひ切る夜やふぐと汁     蕪村

昔は河豚で中毒が多かった。
逢えぬ恋ならいっそ思いを断ち切るためにふぐと汁を食べたのです。

あら何(な)ともなや昨日は過ぎて河豚汁  芭蕉

昔は生死を覚悟して食べていた・・!?


今夜も5年前の記事を張り付けました。
ずっと何年も書いていたのですが、ある事があって全記事を削除しました。
その中からフラッシュメモリーに入れてた分を拾い出して張り付けています。

 
白子ちりなど美味ですね。
河豚汁も美味、アンコウ鍋もまた美味・・・
寄せ鍋、水炊きなどなど・・・
素出汁にニンニクを丸ごと数個入れて豚肉のしゃぶしゃぶでホウレンソウ、常夜鍋は我が家の定番ですね。

寒さに向かって蓄えは(笑)ありませんが、せめて食べるものだけでもと。
すき焼きは焼くので鍋の分類に入るのかな?



五月に収穫したサクランボの紅葉です。桜黄葉かな?

2015-12-11 23:36:22 | 日記

2010-11-24 22:14:41 | 日記
1週間ほど前の夜に・・・ウォーキングしていると・・・2・30メートル先に、
ん!?犬?・・どうも違うなーと思ったのは狐ではなかったのか。
わが町は800メートルの連山の麓から扇状地状に広がっている町です。
麓から町へはまだ林の丘などが繋がっていて、狐が出ても不思議ではない。
なぜ狐だと思ったのかは、その姿も似ていたけど犬だと入り込まない急傾斜の草むらに入っていったのです。
それに野良犬は今はほとんど居ませんからね・・・。

細りゆく夜毎の月よ狐鳴く     長谷川草々

鳴き声を聞いたことはありませんが・・・。
細りゆく月は我が身なのでしょうか、それに狐が鳴くのですから尚更に寂しく詠嘆しているのでしょう。

ウォーキングコースを横切った影は、狐だったのだろうか。
夢のような一瞬でした。



5年前の記事を張り付けた

寂しい夜独り古い家に坐していると狐の声が聞こえるかもしれません(笑)
狐の声は想像の中で聞こえてきたら一句できるかな。