多摩平和イベント実行委員会

多摩の市民グループが「戦後60年」を契機に地域の視点から、「戦後」「平和」「民主主義」を考える

国民投票法の国会通過に断固、抗議する

2007-05-12 21:46:17 | アピール

 ちょっと、安倍さん。何か勘違いされていませんか。憲法改正手続き法案、いわゆる国民投票法案を成立させることと、改憲草案を手に参議院選挙で信を問う、とは、全く異なる次元の話です。内閣総理大臣には、憲法99条で、率先して憲法遵守義務を果たさなければならない責務が課せられています。あなたは、自分の政治信念を憲法以上に優先されようとしています。
 安倍さんは、5月11日の参議院憲法調査特別委員会で「新しい憲法のあり方について議論していく時代になってきた。草案をもとに憲法改正を考えている。国民に対し選挙で述べていく」と発言されました。しかし、今回、成立しようとしている法案は抜け穴だらけではありませんか。依然として、最低投票率も定められていません。公務員や教育関係者への規制や広告規制など、とても論議を成し遂げられた、といえる状況ではありません。
 それだけではありません。改憲手続き法案を成立させると述べる一方で、現憲法の枠内で、集団的自衛権の行使を容認するべく、18日には、首相の私的懇談会を発足させ、解釈改憲を行おうとしているではありませんか。
 7月の参議院選挙で、安倍さんが描いている「新しい時代に見合った憲法を」と具体的テーマを掲げての選挙戦を展開し、有権者の信を問う、との戦略は、かつて、本当に昔の話ですが、ワイマール憲法下のドイツを思い出させます。
 安倍さんをナチス・ドイツのヒットラーになぞらえる気は毛頭ありません。しかし、やっていることは同じではありませんか。国民を知らぬ間に、ファシズムの道に引きずり込もうとする、あなたの政治手法は、あまりに近視眼的で危険です。
 全政治家の皆さん。
立ち止まって、頭を冷やしてよく考えてください。
今、日本という国家がなすべき、国際貢献って何でしょうか。主権在民、戦争放棄といった理念を持つ憲法の改憲ではなく、9条を持つ日本国憲法を国内でも国外でも、その精神を広めていくことではありませんか。
 世界で有数の軍備を持つ、自衛隊を実態に合わせた格好にしたいというのであれば、そのように自衛隊法を作り直せばいいのです。憲法に手をつける必要はありません。憲法より、日米同盟を優先させ、イラクに自衛隊を派遣できる、という判断は、そもそも間違っています。なし崩し的な集団的自衛権行使です。
 専守防衛の立場に戻り、自衛権の範囲での行使に限定するよう、改めるべきです。内閣総理大臣の責務は、憲法の遵守義務が最優先のはずです。

 再度、申しあげます。憲法改正の手続き法を議論することと、戦争放棄を根底とする現憲法の精神を否定した憲法改正を声高に叫び、選挙の争点にする、ということは全く別次元の話です。しかも、改憲をテーマに政権政党が選挙に臨むという姿勢は間違っています。主権在民を踏みにじるものです。安倍さん、自民党の総裁だけでなく内閣総理大臣でもある、あなたの行為は、憲法違反の疑いがきわめて濃い、といわざるを得ません。
 
                                                                             2007年5月12日
                   
                                                                          多摩平和イベント実行委員会
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