多摩平和イベント実行委員会

多摩の市民グループが「戦後60年」を契機に地域の視点から、「戦後」「平和」「民主主義」を考える

「昭和天皇 靖国合祀に不快感」

2006-07-21 00:42:22 | 靖国
 今朝の日本経済新聞が放った「A級戦犯 靖国合祀 昭和天皇が不快感」というスクープは各メディアや政治を含め日本列島をかけめぐりました。言うまでもなく、秒読みに入った小泉首相の8.15靖国参拝など靖国神社問題がクローズアップされていた矢先のまさにビックニュース。
 靖国神社と日本政府との関係は、日本が戦後の新しい時代を迎えてからも続きます。靖国神社はもともと、陸軍省と海軍省とが設立した、まさに軍神の神社でした。しかし、戦争が終わってからも、遺族補償を担ってきた厚生省は、戦死した軍人・軍属の合祀名簿を靖国神社に手渡してきました。靖国神社は、1966年、A級戦犯を含む名簿が渡されていながら、1978年まで合祀を延ばします。その話は事実として、これまでも公にされてきました。今回の故富田宮内庁長官のメモは、昭和天皇自身が靖国神社が1978年にA級戦犯を合祀したことに強い不快感を抱いていたことを示す貴重な資料と言えます。
 大東亜戦争と表記し、あの戦争は聖戦だった美化する現在の「靖国神社」。天皇は、その靖国神社がA級戦犯の合祀に動き出したところで参拝をとりやめる、この歴史的事実の持つ重みは大きいでしょう。
 
 改めて「靖国神社」とは何なのか、日本と韓国の若者たちが戦後60年企画として制作した映画「あんにょん サヨナラ」は、その真実を事実を追う中で明らかにしてくれます。
 多摩平和イベント実行委員会は、8月12日(土)に、一人の韓国に住む韓国人遺族の目を通し、日本の戦争責任と靖国神社の真相に迫る。この映画を上映します。場所は多摩市永山公民館(京王線・小田急線永山駅下車)です。

お申し込みは下記まで。

http://taenoha.com/tamaheiwa


◆富田朝彦元宮内庁長官のメモに関する小泉純一郎首相と記者団とのやりとり
――どう受け止めるか。
 ◇これは心の問題だから、陛下(昭和天皇)もさまざまな思いがおありだったと思う。
――合祀後、天皇が参拝していないが。
 ◇それぞれ人の思いがあるから、私がどうこう言う問題じゃない。
――天皇が参拝できる状況の方がいいのでは。
 ◇それぞれの心の問題だから。参拝されてもいいし、しなくてもいいし。自由ですから。
――追悼施設としてどのようなものが理想的か。
 ◇なかなか結論が見えにくい。
――首相自身の参拝に影響があるか。
 ◇これはありません。それぞれの人の思いですから。心の問題ですから。強制するものでもないし、あの人が、あの方が行かれたからとか、良いとか悪いとかいう問題でもないと思う。
――これからも行くか。
 ◇心の問題ですから。行ってもいいし、行かなくてもいいし、誰でも自由ですね。
――A級戦犯分祀に対する考えは。
 ◇一宗教法人に対して、あああるべきだ、こうあるべきだと政府としては言わないほうがいい。議論は結構です。(7月20日『毎日新聞』)

 何ともイヤハヤ。

コメント
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