アラフォーを過ぎてパートに出た主人公・梨花、
その友人の×1の亜紀(西田尚美)と締まり屋の主婦の木綿子(水野真紀)
主人公・梨花は勤める銀行の信頼を置いてくれてる顧客の金を着服していく。
それを始めたのは、お金を扱いなれ、ちょっと借りるだけだからという安易なところからだった。
そして、夢だろうと思いながら、映画の自主制作をする青年・光太に(彼のお爺さんの担当を梨花がしているが、家族を信じていず、金銭を一切渡さない。自分で使って死ぬという主義、それをそのまま光太に渡す、だから罪の意識が薄い)
彼女はお金ではなく、自分が存在しているのかどうか判らなくなっていた。それを改めて教えてくれたのが光太だった。
そして夫との間には子どもができず、夫は自分のことを夫を頼らないと生きていけない女だと思っていたかった。
それがなおさら梨花の孤独を募らせる。それに気付いたのも光太やお金が自由に使えることだった。
安い給料でパートに出る妻を馬鹿にしている夫。その少ない金額があがって、時計を買えば、それよりいい時計を買って返す夫。
梨花の孤独はここにある。
ナニモできない女―――それを望む夫。そうなってしまっているような自分。
落ちていく女の話なのに原田知世の清々しさが、それを感じさせない。
5回で描いていく物語…徐々に着服がばれていくが、その汚さを感じさせないのが、やっぱりこの原田知世という女優の清々しさなんだな。
透明感のある犯罪とでも言おうか…不思議な話に仕上がっている。
デビュー当時から変わらない透明なイメージはいつまでも?
今は「ブレンディ」お姉さん?ママ?
そして映画版「紙の月」は吉田大八が監督で
宮沢りえが梨花を演じる。2015年の公開。こちらはもっと大人版の「紙の月」?