あれから3年の月日が流れていた――。
松島(そんど)教坊もそれぞれ人が入れ替わり、新しい、童妓たちが修練を積んでいた。
ジョンバンと姿を消したミョンオルも全く見つからずにいたが、その中で3年経とうとも未だ探しているのはピョクケツだった。
2人は山の古い家を修繕し、そこで1年を過ごしていた。
追ってが来ると逃げる、そんな生活を繰り返していたが、やっと1年ここで落ち付いていた。
さすがにメヒャンも、もう探すのを止めろというが、ピョクケツはその気配はまるでなかった。
初めて愛した女が逃げたのが許せず、友情すら捨てて、逃げたジョンバンも許せなかった。
しかしそういうメヒャンもミョンオルを探していた。探しているから、プヨンに行首の座を譲らない。
しかしプヨンもライバルたるミョンオルと戦わずして行首の座を手に入れようとはもう思っていなかった。
メヒャンが探さなければ自分が探し、きっちり勝負をつけたいと思っていた。
なんか、みんな、異常にひつこい気がするが…。
静かな生活を営んでいるジョンバンとミョンオル。しかしミョンオルは見つかれば、判書たるジョンバンをたぶらかし一緒に逃げた罪で死刑となってしまう。
お互いに幸せか?聞くが、あなたが幸せだったら幸せだ、そんな答えが返ってくる。
しかしミョンオルはどこかで芸をしたいと思う気持ちを忘れきれずにいた。
メヒャンに同じ妓生(きーせん)が聞く。何故、ミョンオルがそんなに大事なのだ?プヨンは剣舞、鳴鼓舞を収め、鶴の舞まで覚えようとしていた。その修練の熱心さに、自分ならプヨンを新しい行首にプヨンをするという。
メヒャンはミョンオルは芸人としては大事に思っている。
しかし、1つ1つの山を乗り越えてきたプヨン、凡才の自分たちのような者が最後に乗り越える大きな山だ。その為にどうしてもミョンオルが大切だという。
そして、ジョンバンを頼っていた王もまだ薄情なジョンバンを諦めきれずにいた。
ジョンバンは村の者に字を教えていた。
両班(やんばん)ではないから、科挙は受けられない。しかし雑職の役人ならなれる。
外国語ができれば通訳になれる。人材を活用できるように教えていると言った。
ミョンオルの母はいつも、愛する人のために食事を作り子どもを産むそれが、女の幸せだと教えていたが、それがよく理解できないとミョンオルは思う。もう戻れないけれど、芸のない生活はつらいものだった。
しかし子どもを宿したことでミョンオルの気持ちも変わりかけていた。
そんなとき、王が学識で人柄のいい人材を求めていると聞き、字を教えてもらっている男が役所にジョンバンのことを届け出た。
ジョンバンは両班の子だが、側室の子なので、そういう仕事にはつけないと嘘をついた。
しかし役所の役人は、ミョンオルたち若夫婦に見覚えがあった。
ジョンバンもまた仕事への、王にの忠誠を忘れぬことができなかった。
そんなとき行商をしている女が、松島の方を回って噂話を仕入れミョンオルに話した。
ミョンオルの母が病気だというのだ。
急いで荷物をまとめ出すミョンオルだったが、それは2人を捕まえようとする、ピョクケツの流したデマだった。ジョンバンはまた嘘かもしれないと止めるが、ミョンオルは母を1人で行かせられないという。
2人は夜な夜な馬を飛ばした。
その頃、役所では手柄を立てたい役人が街の人相書きの2人がジョンバン夫妻に似ていることに気づき、大きな魚を釣り上げたと喜んでいた。
松島に向かっているらしいと噂を聞いたメヒャン、教坊の人々はなんとしても2人を逃がそうとした。
けれど、馬で戻る途中休みを取ったミョンオルは、ジョンバンはこのまま戻ったらどうだという。自分は母を看取れば殺されても構わないという。ジョンバンは一生罪悪感を背負って生きろというのか、もうミョンオルが手を話しても2度と離さないと決めたと言い張る。
ピョクケツは、ミョンオルが現れるのを今か今かと手下に見張らせ待ち続けていた。
そんなとき、偶然といえ、母が心が落ち着かないとオムスと共に寺へ拝みに出かけた。警備の厳しい、城下を見て、ジョンバンも1度寺に身を寄せようと言い出した。
山寺付近では、ミョンオル夫妻と母が上手く体面を果たしていた。
元気なの?お前が元気であるならそれでいい、母は見えぬ目で娘の顔を撫でた。
ピョクケツも母親が寺に出かけたことから、慎重なジョンバンの性格なら、直接教坊へ行かず、寺のものを動かすかもしれないと寺にも手下を送ることにした。
しかし寸前の所で、ミョンオル達は逃げおびた。
2人は途中で別れ、先に隠里に帰ったジョンバンは村人の男から役所の者が来て張り込んでいる。頼まれていたコムンゴは手に入れたからそれを持ってすぐ逃げてくれという。
ミョンオルは気がえ、髪を結い、子どもができていることを確かめ隠里に戻ろうとしていた。
村人の男は奥様だけでも家に帰っているかもしれないから知らせに行く。ジョンバンには逃げろというが、放っておけないジョンバンは一緒に行き、敵に囲まれる。別方向から帰って来たミョンオルの姿を見つけると自分が声を放ち、自分1人が捕まろうとした。
それを見たミョンオルは真っすぐ足を進めた――――。
やっぱりミョンオルがどうしても幸せそうじゃない。母になれることだけは喜んでるけど、それ以外は幸せそうじゃない。芸に生きると運命づけられた者は、そうなのかね…。
松島(そんど)教坊もそれぞれ人が入れ替わり、新しい、童妓たちが修練を積んでいた。
ジョンバンと姿を消したミョンオルも全く見つからずにいたが、その中で3年経とうとも未だ探しているのはピョクケツだった。
2人は山の古い家を修繕し、そこで1年を過ごしていた。
追ってが来ると逃げる、そんな生活を繰り返していたが、やっと1年ここで落ち付いていた。
さすがにメヒャンも、もう探すのを止めろというが、ピョクケツはその気配はまるでなかった。
初めて愛した女が逃げたのが許せず、友情すら捨てて、逃げたジョンバンも許せなかった。
しかしそういうメヒャンもミョンオルを探していた。探しているから、プヨンに行首の座を譲らない。
しかしプヨンもライバルたるミョンオルと戦わずして行首の座を手に入れようとはもう思っていなかった。
メヒャンが探さなければ自分が探し、きっちり勝負をつけたいと思っていた。
なんか、みんな、異常にひつこい気がするが…。
静かな生活を営んでいるジョンバンとミョンオル。しかしミョンオルは見つかれば、判書たるジョンバンをたぶらかし一緒に逃げた罪で死刑となってしまう。
お互いに幸せか?聞くが、あなたが幸せだったら幸せだ、そんな答えが返ってくる。
しかしミョンオルはどこかで芸をしたいと思う気持ちを忘れきれずにいた。
メヒャンに同じ妓生(きーせん)が聞く。何故、ミョンオルがそんなに大事なのだ?プヨンは剣舞、鳴鼓舞を収め、鶴の舞まで覚えようとしていた。その修練の熱心さに、自分ならプヨンを新しい行首にプヨンをするという。
メヒャンはミョンオルは芸人としては大事に思っている。
しかし、1つ1つの山を乗り越えてきたプヨン、凡才の自分たちのような者が最後に乗り越える大きな山だ。その為にどうしてもミョンオルが大切だという。
そして、ジョンバンを頼っていた王もまだ薄情なジョンバンを諦めきれずにいた。
ジョンバンは村の者に字を教えていた。
両班(やんばん)ではないから、科挙は受けられない。しかし雑職の役人ならなれる。
外国語ができれば通訳になれる。人材を活用できるように教えていると言った。
ミョンオルの母はいつも、愛する人のために食事を作り子どもを産むそれが、女の幸せだと教えていたが、それがよく理解できないとミョンオルは思う。もう戻れないけれど、芸のない生活はつらいものだった。
しかし子どもを宿したことでミョンオルの気持ちも変わりかけていた。
そんなとき、王が学識で人柄のいい人材を求めていると聞き、字を教えてもらっている男が役所にジョンバンのことを届け出た。
ジョンバンは両班の子だが、側室の子なので、そういう仕事にはつけないと嘘をついた。
しかし役所の役人は、ミョンオルたち若夫婦に見覚えがあった。
ジョンバンもまた仕事への、王にの忠誠を忘れぬことができなかった。
そんなとき行商をしている女が、松島の方を回って噂話を仕入れミョンオルに話した。
ミョンオルの母が病気だというのだ。
急いで荷物をまとめ出すミョンオルだったが、それは2人を捕まえようとする、ピョクケツの流したデマだった。ジョンバンはまた嘘かもしれないと止めるが、ミョンオルは母を1人で行かせられないという。
2人は夜な夜な馬を飛ばした。
その頃、役所では手柄を立てたい役人が街の人相書きの2人がジョンバン夫妻に似ていることに気づき、大きな魚を釣り上げたと喜んでいた。
松島に向かっているらしいと噂を聞いたメヒャン、教坊の人々はなんとしても2人を逃がそうとした。
けれど、馬で戻る途中休みを取ったミョンオルは、ジョンバンはこのまま戻ったらどうだという。自分は母を看取れば殺されても構わないという。ジョンバンは一生罪悪感を背負って生きろというのか、もうミョンオルが手を話しても2度と離さないと決めたと言い張る。
ピョクケツは、ミョンオルが現れるのを今か今かと手下に見張らせ待ち続けていた。
そんなとき、偶然といえ、母が心が落ち着かないとオムスと共に寺へ拝みに出かけた。警備の厳しい、城下を見て、ジョンバンも1度寺に身を寄せようと言い出した。
山寺付近では、ミョンオル夫妻と母が上手く体面を果たしていた。
元気なの?お前が元気であるならそれでいい、母は見えぬ目で娘の顔を撫でた。
ピョクケツも母親が寺に出かけたことから、慎重なジョンバンの性格なら、直接教坊へ行かず、寺のものを動かすかもしれないと寺にも手下を送ることにした。
しかし寸前の所で、ミョンオル達は逃げおびた。
2人は途中で別れ、先に隠里に帰ったジョンバンは村人の男から役所の者が来て張り込んでいる。頼まれていたコムンゴは手に入れたからそれを持ってすぐ逃げてくれという。
ミョンオルは気がえ、髪を結い、子どもができていることを確かめ隠里に戻ろうとしていた。
村人の男は奥様だけでも家に帰っているかもしれないから知らせに行く。ジョンバンには逃げろというが、放っておけないジョンバンは一緒に行き、敵に囲まれる。別方向から帰って来たミョンオルの姿を見つけると自分が声を放ち、自分1人が捕まろうとした。
それを見たミョンオルは真っすぐ足を進めた――――。
やっぱりミョンオルがどうしても幸せそうじゃない。母になれることだけは喜んでるけど、それ以外は幸せそうじゃない。芸に生きると運命づけられた者は、そうなのかね…。