静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

遠洋カツオ一本釣り漁船O君の話

2018年10月01日 13時01分34秒 | 授業・講演

近海カツオ船のベテラン機関長の話を聞いたばかりですが、
今回は卒業したばかりのO君が遠洋カツオ一本釣り漁船の話しをしてくれました。
どこかで見た顔だと思った人!
今年の生徒募集ポスター、あるいはホームページのトップでシイラを抱えている人です。


実は彼、遠洋マグロはえ縄漁船を希望して学園に来ました。
それが遠洋航海実習でカツオの一本釣りに魅せられて、進路変更となりました。
今回はちょっと趣をかえて実習棟で話しをしてもらいました。


卒業生が相手だったので、生徒からはつぎつぎに質問がありました。
 現場で使う技術で、学園でやらなかったことは
 学園で何をやっておけばよいか
 今の仕事に思うことは...
まだ就職して半年。
答えにくいことも多かったと思いますが、質問に一生懸命答えてくれました。
仕事に慣れた頃に、また話しを聞きたいですね。

そして、翌日に出航でした!


学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
詳しくはホームページをご覧ください。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940

 園長のつぶやき
学園に入学すると寮生活が始まります。
最初は、周りがどんな人なのか分からずに緊張するし、ストレスもたまります。
それが二週間もすると、だんだん慣れてきます。
さらに時間がたつと、他の生徒がどんな人なのか詳しく分かってきます。
最初は遠慮(えんりょ)していたことが、お互いに気を使わなくなっていきます。
その結果、他の生徒の行動が鼻につくこともでてきます。
こうなると、寮での人間関係をバージョンアップする必要がある場合が出てきます。

例えが適当かわかりませんが、ある人を好きになったとします。
自分にないものを持っていることに惹(ひ)かれます。
・・めでたく、結婚。
しばらくすると、お互いに気を使わなくなります。
始めは自分と違うものを持っていることに惹かれたのに、
こんどは価値観の違いとなって、いっしょに暮らすのが苦痛になります。
日本の離婚率は35%くらいなので、多くの人が経験することです。

寮生活、あるいは漁船での生活は同じ人と昼も夜も付き合う必要があります。
離婚率と比べるのは違うかも知れませんが、35%なら3人に一人。
つまり、かなりの確率で価値観の違う人とはいっしょに仕事をすることになります。
これは漁師の世界に限ったことではありません。
でも、漁師、特に大型漁船では出漁中は同じ人と日夜顔を合わすことになるのでやっかいです。

誰とでも仲良くできる人もいますが、違う人もいます。
努力して、誰とでも仲良くできるかというと、そんな簡単には行きません。

だから、割り切ることも大事です。
「彼は、こうゆう人なんだ」
と、自分とは違うことを許容(きょよう)すること。
これも、簡単にはできません。
でも、自分がある集団のなかで生きて行くにはどうするのか?
どこかで妥協点をみつける必要があります。
相手を変えるより自分を変える方が簡単です。
自分を変えるのは、自分の意志でできます。
寮生活は、そんな人間関係を練習する場所でもあります。

コメント
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