静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

刺し網実習の準備練習

2019年01月31日 10時05分45秒 | 授業・講演

来週は実習船「わかたか」で刺し網実習を予定しています。
そこで、事前に刺し網を収納する練習を行いました。

始めに先生が刺し網の構造を説明。


その後、3グループに分かれて、網をカゴから引き出します。


そして2人で箱に収納していきます。


たったこれだけです。
それでも、いきなり船の上でやったら上手に行かないから練習するんです。
来週は刺し網ができるように天候が荒れなければ良いんですけど。

学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
詳しくはホームページをご覧ください。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940

 園長のつぶやき
学園は漁師の育成校です。
漁業者が減り、漁業現場は危機的な状況です。
学園の使命は若い漁業後継者の育成です。

でも、単純に漁師の人数を増やすことを考えているのはありません。
私が考えているのは、次の人数です。
 受験生と入学者
 卒業生
 海技士試験の合格者
 機関専攻の生徒
 マグロ漁船への就職
この全部を説明すると長くなるので、最後の「マグロ漁船への就職」だけ書きたいと思います。

学園に近い焼津漁協。
水揚げ量トップはカツオですが、金額ベースだとマグロがトップです。
漁協の職員も「うちはマグロの漁協」と言っているくらいです。
組合長もマグロ漁船の船主です。

みなさん、ご存じのように遠洋マグロと言えば給料の多い漁業の筆頭でした。
しかし、マグロの資源減少もあって、今はかつてほどの収入はもらえません。
一方で半年から一年以上になる航海期間は昔と変わりません。
そんなことが、遠洋でも特にマグロ漁師が減っています。
カツオの一本釣りのような華やかさがないのもマイナス要因です。

でも、私はマグロ漁師は魅力がたくさんあると思っています。
例えば冬の味覚である寒ブリ。
10キロを越えれば大物です。
それが、マグロの大物と言えば300キロオーバーです。
自分よりも大きいんですよ!
漁師が狙う魚としては最大です。
マグロ漁師、それはキングof漁師です。

ましてや、日本人が一番好きな魚がマグロです。
それを自分の手で捕った喜びは、他の魚の比ではありません。

漁をするのはミナミマグロの場合、南極に近い海で超過酷です。
寒いし、冷たいし、風は強くて、10mを越える波がある・・・なかでの作業です。
これを「辛いだけ」と思うか「辛そうけど、かっこいい」と思うのか?
世界一高い山エベレストへの登頂だって、「過酷だけど、だからすごい」と思う人は多いはずです。
それがマグロ漁という仕事です。
漁も大変ですが、荒れた海での操船(航海士)やエンジン管理(機関士)だって命がけです。

現在は人気のないマグロ漁だからこそ、就職すれば大事にされるし、役職への昇進も早い。
つまり穴場。
他にも魅力はあるんですけど、長くなるので省略。

大間のマグロのように、近海で捕るのはごく一部。
ほとんどのマグロは遠洋で捕ってきます。
学園で一流のマグロ漁師を目指してみませんか?

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マラソン練習2

2019年01月30日 10時55分24秒 | 学園紹介

焼津も風があって厳しい寒さです。。
でも、就職を控えた生徒たち。
海技士試験の勉強だけでは体が鈍ります。
部活の時間を使ってのマラソン練習が続きます。


まずは体をほぐして、スタート。
始めは一列に並んでいます。


7週走る間に、差がつきます。
それでも、最後尾の生徒も気を抜かずに走ります。


今年は何人か韋駄天がいます。
マラソン大会では記録更新があるかも?

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 園長のつぶやき
先日の監査で
「過去にほとんどいなかった三級海技士の合格者が、最近は毎年いるのはなぜか?」
と委員から質問を受けました。

学園と言えば、地元の人は
「やんちゃな中学生が行く学校」
と言う認識です。
何年か前まで、平仮名しか読めない生徒いました。
だから五級海技士だって合格するのは大変なことでした。
試験問題が読めませんからね!

委員への私の回答は
「自主的に学習する生徒が増えたから」
です。
もちろん、高卒者の入学が増え、基礎学力は上がっています。
平仮名しか読めない生徒もいません。

それでも、三級に合格するのは簡単ではありません。
海技士の重要性を理解し、進んで学習する生徒だけが合格できます。

漁師に頭はいらない...なんて過去の話です。
無資格、未経験でも雇ってくれるところはあります。
だからといって、資格や技術を持っている人とは就職してから差がついていきます。
学園はたった一年ですが、されど一年です。
努力次第で大きなものを得ることができますよ。

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迫る2月の海技士試験

2019年01月29日 10時49分02秒 | 学園紹介

海技士試験が来週に迫りました。
生徒たちの勉強もラストスパートです。
まずは機関専攻。


そして航海専攻。


残念なことに、一部に取り組み姿勢がイマイチな人もいます。
「就職先が19トン以下の船だと海技士免許はいらないから...」
って思っているんでしょうね。
残念です。
海技士は船乗りの資格。
海で仕事をする上では絶対に役に立ちます。
なにより「がんばって合格した」と言うことが自信になります。
こんな人は、他の授業でも真剣さが見られません。
全部、自分にはね返ってくるよー。

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 園長のつぶやき
今日は本の紹介です。
タイトルはずばり!
  「漁師になるには」
筆者は「海と漁の体験研究所」の大浦佳代さんです。

同じタイトルの本が2005年に出版されていて、アマゾンでは2種類売られています。
大浦さんのものは、出版されたばかり、できたてほやほやです。

この本では漁師の仕事や収入などがインタビューを交えて書かれています。
とても分かりやすい内容になっていると思います。
ありがたいことに、当学園も紹介されています。

この本は、漁師になりたい人はもちろん、保護者の方や進路指導の先生に読んで欲しいと思います。
息子さんが
「漁師になりたい」
と言い出したら、親はビックリです。
素直に同意はできないかも知れません。
ぜひ、この本を読んで漁師という仕事を理解して欲しいです。

この本も残念なことに紙面が限られています。
もし、書いてある以上のことが知りたければ私にご相談くださいね!

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網実習がスタート

2019年01月28日 13時10分42秒 | 実習

三学期の実習で主要課題となる網修繕実習が始まりました。
網実習には外部講師に来ていただいています。


とは言っても、学園職員もマスターしているので、分からない生徒には手分けして指導もします。



これから2月の中旬まで実習を行います。
修繕は頭を使う作業で、簡単ではありません。
できる漁師も減っているのが実状です。
だから修理せずに網を買い替えになることも多くなりました。
もったいないですね。
修繕技術のある学園生は現場で重宝されています。

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 園長のつぶやき
入学した生徒を全員卒業させたい。
これは私に限らず、誰しも思うことです。
しかし、現実はきびしく、また簡単ではありません。

特に自分から退学する生徒ではなく、退学させなくてはならない場合です。
義務教育以外では、学校の最終処分として退学があります。
そして、その判断基準は学校に委(ゆだ)ねられます。

退学者をだすことは、学校にとっても良いことではありません。
しかし、本人にとっては、さらに大きな問題です。

会社員、あるいは公務員でも解雇処分があります。
でも、学校の退学処分とは大きく違います。
学校は生徒の育成を考えなくてはいけないからです。
かと言って、退学させなくては他の生徒に悪影響がある。
この二つを天秤(てんびん)にかけ、職員は悩むことになります。

退学処分も考えなくては行けない生徒がいる場合、職員は一気に仕事が増えます。
これ自体、他の生徒にとって良いことではありません。
かと言って、退学させるのは学校にとっては育成の敗北宣言でもあります。
ただし、学園の場合は卒業後に漁師として送り出す必要があります。
漁師になるための最低限度のレベルになれるかどうかも判断することになります。

どんな理由でも、卒業前に生徒が辞めていくのは職員にとっては寂しいことです。
学園はたったの一年。決して長くはありません。
例え、学園入学前は問題があったとしても、自分の生き方を変えることはできます。
実際に、そんな生徒もたくさんいます。
来年度の入学生は、ぜひ自分を育てる気持ちを一年間忘れないようにして欲しいです。

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びん玉袋完成

2019年01月25日 09時57分11秒 | 実習

「びん(瓶)玉袋」も終盤です。

ガラスの浮き(フロート)であるびん玉は漁業現場では使わなくなりました。
それでも、実習で使ったような樹脂製のフロートにも、この技術は使えます。あるいは重しにも。

また船を係留するときの防舷材(ぼうげんざい)、まあクッションですけど、それにも使います。


さて、実習はいよいよ網の製作と修繕に突入です。

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 園長のつぶやき
仕事がつらくてメンタル(精神)がつぶれることがあります。
一流大学を出たエリートも例外ではありません。
毎日残業が続き、夜遅くまで仕事。
土日も休みが取れない。
これは健全とは思えません。

しかし、遠洋などの大型漁船の仕事はどうでしょう?
一日に20時間の労働が連続するのは珍しくありません。
基本は出港してから帰港するまで休みなしです。
もちろん、肉体的に疲労はあります。
でも、それでメンタルがつぶれることはありません。
漁師はブラックと思っている方もあると思いますが、むしろ逆なんです。

漁師にもつらいこと、ストレスはあります。
その多くは人間関係であったり、魚が捕れなかったりが原因です。
肉体的には大変でも、健全な仕事であると言えませんか?

なにより、自分がやりたいことなら肉体的に大変でも乗り越えることはできます。
そこには大きなストレスはありません。

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