静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

焼津漁港の水揚金額が459億円で全国第1位!

2013年03月28日 13時10分05秒 | 日記
全国主要漁港の平成24年の水揚げ統計がこのほどまとまりました。
焼津漁港の水揚金額は459億円、全国第1位となり、また、水揚げ量は184,380トン、全国第2位となりました。
主な水揚げ魚種はかつお・まぐろ・さば等ですが、漁業高等学園の卒業生が乗船している船が獲ってきたものが何割か含まれているはずです。

この学園は生徒数も少ないですが、長年の積み重ねにより地域漁業や水産業の果たしている役割は大変大きいと自負しています。
次代を担う漁業後継者の育成を続けることは、第1次産業としての水産業の将来を支えることにつながります。

もう一つ、平成23年の都道府県別の漁業・養殖業総生産量がまとまりました。
静岡県は20.3万トンで、北海道の130.7万トン、長崎県29.1万トンに次いで第3位となりました。
静岡県の順位は、平成21年が19万トンで第8位だったように年によって大きく変化しますが、順位が上がったことはうれしく思います。

  

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TPP参加で水産品の生産減少額2500億円

2013年03月25日 16時17分35秒 | 所感
3月21日の水産経済新聞に、TPP関税撤廃で、水産品の生産減少額は2500億円に達すると報じられていました。

関税を撤廃した場合の経済効果についての政府統一試算をまとめたもので、13の水産品目が対象となっています。
特に、本県に影響の大きいカツオ・マグロ類では、生産減少額は約570億円、生産量減少率は27%に達するとされています。

試算の考え方は「缶詰のうち下級品と鰹節類が一部を除いて置き換わり、生鮮食用向け並びに高級缶詰が残る」というものです。
そのほかにも、アジ、サバ、イワシについても生産減少率が示され、それぞれ47%、30%、45%と大幅に減少するとされています。

現場で漁業に携わっている漁業者や関係組合、また私達の学園にとって、この生産減少率の大きさをどのように考えればよいのでしょうか?
どのように試算したのか、生産が本当に減少するのか、具体的な本県漁業や水産業への影響はどうなるのか、分からないことばかりです。
知らないまま、対策が講じられないまま、漁業や水産業が衰退してしまうことだけは避けなければいけないと思っています。

国会のTPP質疑を聞いていても、農業関連の質問がほとんどで、水産関連はほとんどなかったです。
交渉参加が表明された15日に、この試算が示されたとのことですが、もう少し早く公表してもらいたかったです。

漁業後継者育成はこのTPP参加とも密接に関連しており、これからも注視していきたいと思います。
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第43期生 生徒作文(2) ~この1年で得たもの~  

2013年03月22日 10時40分54秒 | 学園紹介
僕は21年生きているが、この1年は色々なことがありすぎた。
この1年を細かく振り返っていたら、この紙1枚ではとても書ききれないので、大きく2つのことを書こうと思う。

まずは、実習についてであるが、実習は入学してから卒業までずっとやってきた。
中でも 「差し継ぎ」 は、一番楽しかった。
最初の 「3本差し」 が全くうまくいかず、不安だったが、数を重ねていくうちに少しづつできるようになったのが面白かった。

特に、1番最後にやったクロスロープの 「8本差し」 は、1、2ヶ月かかったが、きれいに丸くなるとかなり嬉しかった。
2月には、網実習をやり、最後の方にやった少し複雑な網直しは大変だったが、キチンと直せた時の達成感は大きかった。
網実習の終わりに、網の袋を一から作った。

中々うまく出来たと思うし、自分で作った物ということで、こんなことも出来るんだなと思った。
ここでやった実習は、これからとても大切になるものだと思うので、ここでの経験を活かしていきたいと思う。

次は、勉強について書こうと思う。
この1年の勉強量は、小中高の12年間を合せても足りないくらいの量だった。
僕は、もともと勉強が大嫌いだったので、本当に辛かった。

入学前も取れる資格はしっかり取ろうと思い、そのためには勉強だなと思っていたが、ここまで勉強漬けになるとは思わなかった。
そのおかげで、第二級海上特殊無線、小型船舶一級、「機関の四級」 、「航海の五級」 に合格することが出来てよかった。


特に、「機関の四級」 と 「航海の五級」 なんかはこの先、日本人の船員には必ず求められると思うので、
筆記試験だけでも取ることが出来て本当に良かったと思う。
後は、3年船に乗り続け、きちんとした(海技士)免許にしたい。

そして、後輩ができた時に教えることが出来るように、しっかりと身につけたい。
この1年での大きなものは、この2つだと思う。
この2つを土台に、僕の漁師人生をしっかり生き抜けるようにもっと精進したい。




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第43期生 生徒作文(1) ~1年を振り返って~

2013年03月21日 14時58分11秒 | 学園紹介
学園では、3月の海技士臨時試験(筆記)が卒業試験となります。
卒業式を迎えるにあたり、生徒達に「1年間を振り返って」の感想を書いてもらっているので、紹介します。

4月に入学したばかりの頃は、1年間辞めずに続けられるか、心配でした。
入学した生徒の歳はバラバラだし、人間関係がうまくいくかが一番不安でした。
でも、意外とみんなうまく関わっていけたと思います。

入学してからの1年間、色々なことをやったけど、人生で一番短く感じた1年間でした。
最初にカッター訓練があり、最初は息が合わず、まっすぐに進まなかったけど、練習を重ねていくにつれて
真っすぐに進むようになったので、その訓練で団結力がついたと思います。

次に、遠泳で自分はとても泳ぐことが苦手なので、とても最初はいやでしたが、練習を重ねていくうちに、泳げるようになりました。
乗船実習では、自分が一番楽しみにしていたことだったので、カツオの一本釣りやワッチなど他にも色々なことを、学べた実習でした。
無線、小型船舶の試験では、自分自身難しく感じたけど、受かることができました。

2月の(海技士資格)定期試験では、とても不安な科目があったけど、5級機関に合格してよかったです。
3月の臨時試験(4級機関)では、自分自身の実力が分かりました。
科目合格一つできず、終わってしまったので、悔しかったです。

でも、絶対3年の乗船履歴をつけて、リベンジしたいと思います。
この一年間で色々なことを学び、自分自身成長できたと思うので、この学園に入学してとても良かったと今思います。
この学園を卒業することが、スタートだと思うので、ここで学んだことを活かし、これから頑張っていきたいです。
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平成24年度漁業高等学園卒業式 ~園長式辞 抜粋~

2013年03月19日 10時42分19秒 | 学園行事
いよいよ、学園を巣立ち、大海原に羽ばたく時がきました。
学園の教職員にとって、また、続く後輩達にとって、皆さんが頑張っている姿が何よりの励みになります。
学園で過ごした1年間に、自信と誇りを持ち、漁業に従事し、その使命を果たすようにしてください。

今日、皆さんに成績表を渡しますが、これは、皆さんがどれだけ学園の中で頑張ったかの評価です。
本当の成績は、皆さんが現場に出て、どのように働いたかが、皆さん一人ひとりの本当の成績であると考えます。
また、それは、同時に、学園全体の評価でもあります。

学園を卒業したという誇りを持って、挫けることなく、それぞれの船で頑張ってください。
「石の上にも三年」 という諺があるように、特に、最初3年間が一番苦しい時だと思います。
三年間が過ぎれば、仕事も覚えるとともに、仲間と働く喜びを知り、漁業後継者としての自信をもつことができます。

もう一つお願いしたいことがあります。
それは、社会人としての基本的なルールを守り、自分自身を高めていただきたいということです。
今、NHKの大河ドラマ 「八重の桜」 が放映されていますが、江戸時代の会津藩が舞台となっています。

特に、会津藩では藩士の子弟教育に特に熱心で、6歳から9歳までに人間として守らなければいけないルールを身につけさせました。
十人前後のグループでいつも活動し、一人では決して遊ばせませんでした。
十人の決まりは人偏に十と書いて 「什の掟 」 とも呼ばれています。

うそをつくな、卑怯なまねをするな、弱いものいじめをするな、年長者には挨拶をしなさい、年長者に背いてはいけないなど、
現代の子供達ばかりでなく、大人達でさえ忘れてしまいがちな人間として一番基本的なルールを
「什の掟」 として幼い子供頃からに学ばせました。

今年卒業する生徒は、ちょうど十人です。
会津藩士の子弟が 「什の掟」 を学んだように、うそをつかず、自分だけ良ければ良いと言ったような卑怯なまねはせず、
弱いものを守り、年長者にはしっかりと挨拶をして、年長者のいうことには、背かぬように、心掛けてください。

人間としての基本的な姿勢ができれば、上司や先輩達から信頼され、与えられた仕事も楽しく出来ると思います。
皆さんはこれから、社会人として、また、漁業後継者としての長き道のりを、今歩き始めようとしています。
皆さんの前途を祝し、また、幸多からんことを祈りまして、私の式辞といたします。

平成25年3月15日      静岡県立漁業高等学園 園長 町田 益己
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