静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

実習船「やいづ」からの報告 (11月30日) 第5次航海 「主直日誌」から 11月14日~18日

2012年11月30日 10時23分22秒 | 24年度 乗船実習
実習船「やいづ」が11月14日に焼津港を出港してから約2週間が経ちました。
学園の生徒達の様子は、水産高校専攻科の生徒さんが書いた「主直日誌」(焼津水産高校ホームページ)から知ることができます。
学園生徒に関する記事や写真を「主直日誌」から抜粋して紹介したいと思います。


 11月14日(水) 天気:晴れ 海の状態:時化
  漁業高等学園の生徒は出港早々荒れていたため、ほぼ全員が船酔い状態でした。
  しかし、弱音を吐かず、やるべきことはしっかり頑張っていたと思います。
  気合が入っているなと感心しました。


       

 11月15日(木) 天気:晴れ 海の状態:悪い
  船内生活では、漁業学園の生徒と一緒に食事や清掃などを行っています。
  漁業学園の生徒は配膳や清掃に積極的に取り組んでいます。
  そのような姿勢を見て私たちも見習わなければいけないと感じています。


     

 11月16日(金) 天気:晴れ 海の状態:おだやか
  今回は、漁業学園の人達に(餌イワシを運ぶ)ラインを作ってもらいました。
  これは単純な作業ですが、やってみると餌をこぼしてしまったり大変です。
  今回は息のあった動きでスムーズに行えました。

  漁業学園の人達は初めてであるにもかかわらず、ほとんどミスなくやり遂げたので驚きました。
  かけ声がとても大きくて見習うことばかりでした。


     

 11月17日(土) 天気:雨 海の状態:鹿児島新港 停泊中
  市場での競りを身近で見ている専攻科と漁業学園の生徒達も真剣に見て、良い体験になったと思います。
  漁業学園の生徒さんとは、朝の市場見学しか行動できませんでしたが、今日も元気に生活していたと思います。


11月18日(日) 天気:晴れ 海の状態:鹿児島新港 停泊中
  今日から生きた鰯の活餌管理が始まりました。
  漁業学園の人達とともに死んだ鰯を掬ったり、魚槽を掃除したり、また死んだ鰯を天秤秤にかけて重さを調べたりしました。
  今回の作業も漁業学園の人達にとっては、新鮮な経験らしく、初めて使う量りの使い方についてみんな集まって学習していました。


     




  

 


 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コモロ連合国の国立水産学校の皆さんが漁業高等学園を視察しました!

2012年11月28日 17時25分35秒 | 日記
コモロ連合国という国をご存じでしょうか?
西インド洋にあるマダガスカルとアフリカのモンザビークの海峡のほぼ真ん中にある島国です。
人口は約84万人で、主な産業は漁業や農業ですが、長く続いた政情不安がなくなり、新しい国づくりが始まったばかりです。

このコモロ連合から国立水産学校の校長ら3名、(社)マリノフォーラムのS部長さん、通訳の方が、漁業高等学園を視察にやってきました。
どのように学校を運営しているのか、学校運営に関する方針やカリキュラムの内容、人材育成の費用対効果、広報などについて知りたいとのことでした。
私の話を熱心に聞いてくださり、漁業高等学園の目指しているものや現状について理解してくれたと思います。

最後に、校長先生が次のように挨拶してくれました。

 漁業高等学園を訪問して本当に良かった。
 コモロの水産学校が目指しているものとほとんど同じであることが分かった。
 まだ歴史の浅くインフラ整備が進んでいないが、今回の視察で学んだことをこれからの学校づくりに役立てたい。

写真は、記念にいただいた国旗と水産学校の校章です。
国旗の4つ星と黄色、白、赤、紫は、コモロ連合国の4つの島を表しています。
また、月のことを「コモロ」といい、国の名前にもなっています。
グリーンは、農業を表しているそうです。




  


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「什(じゅう)の掟」 会津藩童子訓

2012年11月26日 14時41分38秒 | 所感
幕末の戊辰戦争において、会津藩の白虎隊19名が飯盛山で自刃した話は、よく御存じの方もいらっしゃるかと思います。
会津藩では、藩校「日新館」において藩士の教育を行っており、白虎隊の隊員もここで教育を受けていました。

この「日新館」に入学できるのは10歳からですが、入学前の6歳から9歳までの童子教育にも力を入れていました。
「什」とは、藩士の子弟10人前後で組織され、その規範となるのが、「什の掟」です。
小さい子供の時から、人間にとって大切なものを「什」の中で学んでいきます。

残念ながら、学園に入学してくる生徒の中にもトラブルを起こす生徒がいます。
学業以前の基本的な教育ができていればと思うこともしばしばです。
私自身、最近知ったばかりで、恐縮ですが、この「什の掟」を紹介したいと思います。


 什の掟
 1 年長者のいうことに背いてなりませぬ
 2 年長者にお辞儀をしなければなりませぬ
 3 虚言(うそ)をいうことはなりませぬ
 4 卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ
 5 弱い者をいじめてはなりませぬ


「よみがえる 日新館童子訓」 (會津藩校日新館発行、2007年4月改定、1000円)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「広がる ”派遣教師” 現場で何が」 (NHKクローズアップ現代)

2012年11月22日 09時08分12秒 | 所感
11月20日に放映されたNHKクローズアップ現代では、派遣教師が増えて様々な問題や波紋を投げかけていることが放映されました。
ある私立高校では、進学クラスは専任教師のみが担当、一般クラスは派遣教師が中心となってカリキュラムを編成しているとのことです。
心身ともに伸び盛りの高校生の時に、教師は知識だけを教えるだけでは、不十分と考えます。

私自身、高校時代の個性豊かな先生方から様々な感化を受けてきました。
今思えば、勉強した内容よりも先生方の立ち振る舞いが鮮明に思い出されます。

さて、漁業高等学園ですが、優秀な生徒からどちらかと言えば優秀でない生徒まで入学してきます。
しかも、入学資格が中学卒業から30歳までと幅広いため、能力差は非常に大きいのが現実です。
入学してくる生徒は、最初からスタート位置が異なり、その後の能力の発揮の仕方も違っています。

授業を直接担当している先生方に話を聞くと、優秀な生徒に教えることは、本当に楽であると言います。
優秀な生徒は、教えてもらう→理解する→覚える→試験で覚えたかどうかを確認する、一連の学習が問題なくできます。
1回教えれば、すぐに理解してくれて覚えてくれるからです。

これまでに学園では、海技士国家資格試験の三級筆記試験に6名(航海5名、機関1名)が合格していますが、
いずれも高卒以上で、基礎学力もあり、いわゆる優秀な生徒でした。

一方、先生方が一番苦労するのは、どちらかと言えば成績の良くない生徒です。
教えても、理解してくれない、覚えてもすぐに忘れてしまう、宿題ができないと言った悪循環です。
生徒の方も自分の殻を自ら進んで破ろうとはしませんし、職員室では、先生方のボヤキを聞くこともしばしばです。

しかし、学園の先生方は、生徒数が少ないこともありますが、根気強く指導しています。
優秀な生徒の2倍、3倍の労力をかけて、時には叱り、時には褒めて、生徒の潜在能力を最大限引き出すように指導しています。
就学期間は、たった1年間と短いですが、卒業する時には入学時と比べ物にならないくらい成長しています。

大切なのは、それぞれの生徒の可能性(伸びシロ)を信じて、教え育てていくことだと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

実習船「やいづ」からの報告 (11月20日) 出港からの3日間 (生徒作文)

2012年11月20日 09時05分28秒 | 24年度 乗船実習
実習船「やいづ」は昨日12時に、マリアナ東方海域の実習海域に向かって鹿児島を出港しました。
生徒達は、鹿児島港への入港と上陸でリフレッシュして、新たな気持ちで臨んでいることと思います。
前日のブログでは T君の作文を報告しましたが、もう一人N君の作文を紹介します。

 「ようやくこの日がやってきた」と思った初日、多くの人たちに見送られながら焼津港を出港しました。
 焼津を出てすぐの所で、大漁祈願と安全祈願のお参りをして、「さぁ、いざ大海原へ」と思った矢先、船体が上下左右グラグラ揺れだしました。

 焼津から御前崎までは、風力5~6で酔いがきつくなる程ではなかったのですが、御前崎を返した途端、一層振れが激しくなりました。
 この時の風力は7~8で、メートルでいうと(風速)15メートルを超えていました。
 あまり船に慣れていない身からすると、なかなかシンドイものがあります。

 振れに振れること6時間、これは危ないと思いトイレに直行。やってしまいました。
 気持ちとしては、やってしまったという罪悪感と、その後のスッキリ感があった他、酔っている最中は、食事が喉を通らなかったけど、
 もどしてからは、完食するまでになり、もどして良かったと思います。

 翌日は0-4の航海当直があり、真っ暗な中、灯火を頼りに他の船の位置や灯台の位置を確かめながら進み、2度舵を握らせてもらいました。
 自分が右に舵を切れば船も右に針路を取り、逆もまた同じだと思います。
 この時には、微妙な舵捌きが鍵になり、指示された数値に合わせるのが少し難しかったです。

 3日目の朝、本船は鹿児島の入り口まで来ていました。
 この日は、餌の積込の作業があり、10時半ごろから始まりました。
 自分の就いた仕事は、カメ(水槽)に何倍入れたかを数える係で、大声で61まで数えたので、喉を傷めました。

 この時に学んだのは、餌のイワシが入ったバケツは、平行に移動させることと、操業中に使用するオーニング(屋根)を開き、
 これをロープで縛る方法を教えてもらいました。
 これまでたった3日間だけれど、数多くのことを学べているので、こらからも頑張りたいと思います。


 (掲載の写真は、昨年の乗船実習時のものです)

  


  

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする