わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

【村長レポート7月19日 NO.244】 ~泰阜村の行政を改めて考えています~

2016年07月26日 | 泰阜村長からのメッセージ
わが泰阜村の村長が、就任以来毎月毎月、村民に向けて発信する「村長レポート」。

2016年7月19日号を紹介したい。


村長レポート 7月19日 NO.244
泰阜村の行政を改めて考えています



 参議院選挙が行われました。泰阜村民の宮島喜文君(田本在住)が自民党の比例候補で立候補し、見事当選いたしました。まずは、村から国会議員が誕生したことがすごいことで、これからの活躍に期待したいと思います。一票の格差が問題とされ、人口が集中する都市は、国会議員の定数が増え地方は減る。長野県も一人となりました。地方の事、特に山間地の現状もわからない国会議員が多くなっていく状況だけに、臨床検査技師会の代表とはいえ、まさに山村代表を参議院に送り出していただいたといえます。送り出していただいた皆様に感謝申し上げます。

 さて、7月は、村からお願いした各地域の道路周辺の草刈り作業を実施していただいている月です。暑い中大変なことですが、誠にありがたいことだと感謝申し上げます。最近は、この草刈含め、道路作業が出来ない人も増え、作業が大変、何とかならないか、といった意見をいただくようになりました。意見としては、県道もやっているが、県道は県でやってもらえないか、担当区域が長いが何とかならないか等です。この答えが難しいのですが、「これは地域の皆さんが自分達の生活のためにやってきたこと。つまり、やらされている作業でなく、必要に迫られて地域のみんなが協力してきたこと。先輩たちの努力をできるだけ継続してほしい」。県道についての意見は、もっともですが、これも県道ではあるが、我々の生活道路であり協力してほしい。県は15年くらい前まで、道路管理のための作業員を雇用しており定期的に手入れをしてくれておりましたが、財政が厳しくなってからその作業員も廃止されました。特に、交通に支障をきたすところは、委託等で対応してくれますが、通常には手が回りません。しかし、泰阜のように、住民の皆様が草刈りをしている状況や花いっぱいで道路の環境維持に努力している地域のことは、よく理解もしてくれています。創年団「ならの会」でも、ボランティア作業で県道の草刈りを実施してくれますがどこの地域でも作業後の道路を通行すると大変気持ちのいいもので、流した汗がその嬉しい気持ちに変わると思ってがんばっていただきたいと思います。ただ、将来どのような形になっていくのがいいのか、それは次の世代が決めていくことかな、と考えます。

 草は、道路だけでなく我が家にもあり大変です。そんな草刈りのことを思いながら今月を過ごしていますが、この時期、売木、下條で村長選挙がありました。ともに選挙戦があり、各候補の主張や考えが新聞報道されました。それを見ながら小さな村とはいえ、村民の声に耳を傾け、とか、村民の要望をよく聞いて、よく対話をして、といった表現の候補が多かったように思います。ここからは、私の推測です。村民の声の中身ですが、地方創生と言われる時代、大きな企業を誘致して人を増やそう、観光開発をして人を呼ぼう、特産品を開発して有名にしよう、といった意見は少なく、実は、うちの年寄りの介護が大変、買い物に行きたくても足がなくてなかなか行けない、保育園で夜の時間でも子どもを預かってほしい、少なく年金から介護保険料や後期高齢者保険料が引かれて生活が大変、といったような声が多かったのでは、と思います。

 繰り返しになりますが、あくまで推測なので分かりません。ただ、私も招待されるお祭り等で何気なく聞く声は、身近なことが圧倒的に多いような気がするからです。行政現場に長くいて、行政をどのように考え、どんな視点を持つべきかいつも考えさせられます。







 今月、行政をテーマにしているのは、「緑のふるさと協力隊」を受け入れて8年目になりますが、今年の協力隊、釜智子さんの6月の活動報告を読んだことがきっかけです。一部をそのまま引用させてもらいます。「泰阜は、イベントが多いし、お年寄りが集まる場や子どもたちが主役なる行事があったり、高齢者を支える制度や活動が多く、活気のある村だなと思う。今まで地方といえば、観光業で人を呼びこむことをがんばっているイメージがあったり、先日、他の村を訪れた際も温泉や名産品をPRしている所が多かった。しかし、泰阜は、知名度の高い村になるよりも村民の住みよい村づくりを進めていることが段々とわかってきて・・・」これを読みながら、東京から来た若者がこのような感じ方をしていることにほっとしました。

 それは、グローバル経済、マネー資本主義と言われる中で、各国が金融政策でどんどん紙幣を印刷し供給し、そのお金が一部のお金持ちに集まり、そのお金により世界の経済が動かされているのでは、と思います。株を一株も持っていない私までが、株価のニュースに振り回されるのもおかしいと思うのですが、これからどのようなことになるのか、まさに不透明です。そんな時の村行政は、この村に住む皆様が今日一日を安心して幸せに生きていけること、つまり目の前のそのような課題に体当たりしていくしかないのでは、と思っています。この思いを表現すると釜協力隊員のいう、知名度の高さより住みよい村に、ということになります。でも、イベントが多くて大変だ、という意見もありますし、行政は、ライフラインと言われる水道、電気、エネルギーの確保。医療の提供、介護の提供、保育園、学校の運営、災害への対応、こういった我々の生活に直結したことの対応が基本と改めて思います。草刈りは、その中の一つですが、それを村民の皆様にお願いしている、ことになります。



今後も、小さな村の首長の言葉を紹介していく。

代表 辻だいち



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