愚ダメ記、真誤付き、思い津記

日記?趣味?妄想?

英国女王の逝去

2022-09-18 | 日記

英国女王・エリザベス二世が亡くなり、世界の多くの国からの弔問・追悼の言葉が届けられているという。エリザベス二世は在位70年に及ぶ長い間の英国君主だったという。今から70年前と言えば1952年となり、第2次世界大戦が終わって「東西冷戦」が本格化し、極東では朝鮮戦争が勃発し、ヨーロッパではベルリンの壁出現前夜の緊張の中での即位だったことになる。

 第2次世界大戦以前の「日の沈むことの無い大英帝国」が徐々に力を失い、大戦後の「米国、ソビエト連邦」という2つの超大国の支配へと変化していく中で、英国もインドなどの独立によって植民地を失い、「植民地経営」による利益を失って行く時代をエリザベス二世は「統治」したことになる。「政治には口出ししない」ということになっていたと言うが、毎週のように首相との対談が行われ、そこでは女王としての「感想」が口にされていたのではないかと推測される。

 その在位期間の中で、2つの超大国の誕生とソビエト連邦の崩壊、ベルリンの壁崩壊に象徴される東西冷戦の終焉と、中華人民共和国の台頭による新たな2大大国支配への序章を見て来たことになる。70年間も世界の重要な国の君主として在位して来たことで、会見した世界各国の首脳の数もおそらく最多となるのだろう。冷戦最中には世界核戦争のボタンに手を掛ける首脳とも直接言葉を交わしたことがあっただろう。世界の主要国にはすべて訪問し、外交の面でも「世界一の外交官」だったと言うこともできるのではないか。

 世界一の諜報機関を持つ英国政府の首相と毎週のように会談していたのなら、必要に応じて重要な外交情報も「細かくは知らずとも」耳に挟んで行動していたはず。少なくとも、重大な外交的状況については肌で感じつつ日々を送っていたに違いない。ロンドン五輪での「ジェームス・ボンドとの共演は女王自らの提案だった」と聞いたが、それは英国女王という立場を世界にユーモラスに「披露して見せた」ということかも知れない。

 いずれにしろ、エリザベス二世は70年間という長い間在位したので、「英国の没落」だけでなく「世界政治・経済における立場の復活」を見ることになり、「東西冷戦の終焉」から「次の2大勢力による緊張への転換期」の前夜まででその生涯を閉じることになったわけだ。かつての植民地独立直後の時期なら、英国だけでなく西欧諸国の「君主」に対する怨念が強く残っていただろう。東西冷戦の最中なら、東側各国からの反応も冷ややかなものだったに違いない。在位70年、英国と世界の様々な時代や思想、経済や政治の変化を体験した「どちらかと言えば運の良い」君主だったと言えるかも知れない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日焼け | トップ | 過去最大の台風 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事