今年の桜
2023-04-08 | 日記
4月の6日・7日と言えば、昔は学校の入学式があった頃。大学は最近、何かの都合か入学式が4月早々に行われているようだが、自分にとって記憶に残る入学式は「桜の花の下で」というもの。小学校の入学式の日、校庭を囲むように桜の花が咲いていたのを覚えている。また、かつて大学入試発表の合格電報の代表的電文に「サクラサク」が使われたのも、「桜の花の下での入学式を迎えられることになった」という意味だと思っていた。
何故か「桜の花の下での卒業式?」というイメージが作られた近年、かと言って「桜の花と新一年生」というイメージも残っているので、3月の卒業式シーズンと4月の入学式シーズンの両方でニュースに「桜の花も咲いて・・・」というフレーズが使われるという、不思議な年が続いている。それに合わせてかどうか、近年は2月末に「どうかすると、梅に先駆けて咲く」河津桜という品種が増えて来て、2月末から4月初めまで「桜」を話題に出来る時代にはなっている。
ところが、今年の桜はまさに「卒業式の花」になってしまった。入学式シーズンのこの4月6・7日には、近くの桜は既に散って「葉桜」になっている。今年の桜の下で入学式を迎えたのは東北地方だけのようだ。単純に「地球温暖化の影響」とだけ言っていていいのかどうかは分からないが、季節感はどうやらこれからも大きくズレていくらしい。俳句流行りの近頃だが、この「温暖化」の下で「季語」も季節の実態とはズレて行くのだろう。「季節のズレ」の違和感を表す言葉が、却って今の季節感を表すようになるのかも。