新型コロナウイルスの変異型でオミクロン株というのが、南部アフリカで現れ、ヨーロッパ・アメリカなどで徐々に増えているようだ。変異株の名称がギリシャ語のアルファベット順に付けられているのは知っているが、ミクロンではなくオミクロンというのは聞いたことの無い文字。オミクロンって一体なんだ?と調べたら、オミクロンは ギリシャ語アルファベットの15番目でO と書くらしい。
新たなウイルス変異株で33か所の変異があるということで、従来株(最初に発見された株)ウイルスに対する抗体の一部(または多く?)が効果的に結合しないかも知れないという懸念は強いのだろう。しかし、ワクチンによって作られる抗体のうち、新型コロナウイルス・スパイク蛋白質のどこにくっつく抗体が有効に働いているのかの詳細があまり分かっていないのであれば、結局この変異株への対策もワクチン2度接種者の何%くらいが再感染するか?という臨床データ待ちとなるしかない。
ただ、外国や国内のワクチンメーカーはいち早くこの変異株に対するワクチン作りへのスイッチを入れたようなので、その点では多少の安心感があるが、それでもその認可・不急までには順調に行って半年くらいは掛かるだろう。ワクチン接種者や既感染者の持つ抗体の「質」を探る研究結果が欲しい所だ。並行して、スパイク蛋白質だけに絞らずにウイルス表面にあるいろいろな抗原に対する抗体の複合的な働きにも一縷の望みを持ちたい。
不活性化ウイルスワクチンや感染によって作られる抗体の中に、オミクロン株の変異タンパク質と無関係にウイルスを認識し効果的に排除する抗体や細胞性免疫の働きが見つかることにも期待する。ここでのオミクロン株の出現は、ワクチンによる「中和抗体」産生への期待だけでは、これから先の「対・未知のウイルスの闘いを戦い抜けない」という教訓・啓示であるような気もして来た。