蔵王遠景
2022-05-26 | 日記
「ここから蔵王が見えるんですよ」と、知人が建物の端っこのドアの所に案内してくれた。そこには、遠景の輪郭を描いたシールが貼られ、遠くに見えるいくつかの山や目立つ建物の名前が記されていた。
遠くの蔵王には、まだ残雪が残っていた。遠い昔に連れ合いと一緒にバスで行った蔵王山や、そこで見たコマクサ、そして「お釜」の縁から覗き込んだことなどを思い出しながら蔵王遠景を眺めた。そう言えば、以前にこの町にいた頃には、この町から蔵王の遠景を見たことが無かったと。
自分がかつてここに居た頃には、結局、この町のほんの一角だけで駆けずり回り、ゆっくりと郊外に出てこの町やそれを取り囲む山々のことを眺めることも無かったのだ。今になって、かつて自分が住んでいた町の良さがを少しだけ深く知ることが出来たような気がした。