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環境と体にやさしい生き方

環境の悪化は生物系全体に大きな影響を与えています。環境と体にやさしい健康的な生活を考えるための新鮮な情報を紹介します。

食糧危機・食品値上げの一方で増える廃棄物

2008年06月24日 | 食生活等
世界的な食糧価格の高騰やますます深刻化する発展途上国の飢餓問題の一方で、日本では毎日大量の食品廃棄物が出ています。

2007年11月20日に農林水産省が公表した「平成19年度食品循環資源の再生利用等実態調査結果の概要」によると、平成18年度の食品産業における食品廃棄物等の年間発生量は1135.2万トンで、前年度とほとんど変わっていません。(前年度のわずか1万トンの減)
食品産業の食品廃棄物等を業種別にみると、食品製造業44%、外食産業27%、食品小売業23%、食品卸売業7%となっています。
また、年間に発生する食品廃棄物等のうちで、売れ残り(賞味期限切れ)や返品が原因で廃棄されたものの割合は、11%(外食産業を除く)となっています。

一方、家庭での食品ロス率は、農林水産省の平成18年度食品ロス統計調査によると、3.7%となっています。1人1日当たりの食品使用量1,122gのうち41.6gが食品ロス量です。
注:食品ロスとは、食品使用量(食料品・調理品)のうち、「過剰除去、直接廃棄、食べ残し」に当たるものです。なお、食品使用量には不可食部分(魚の骨や果物の皮など)は含まれません。

 食品ロス率(%)=(食品ロス量÷食品使用量)×100

平成18年度の人口から計算すると、家庭から年間で約200万トンの食品ロスが出ていることになります。食品ロス量のうち、食べ残し(27%)と直接廃棄(19%)の合計が半分近くを占め、残りが過剰除去(54%)となっています。食品の種類別では、野菜類が最も多く43.9%、次いで調理加工食品15.6%、果実類14.9%、魚介類7.4%、その他の生鮮食品(肉類含む)6.1%などとなっています。

なお、石川県立大学生物資源工学研究所の高月紘教授のグループが、2007年秋に京都市内の住宅地で約50世帯・約100袋分の家庭ごみを調査した結果では、「食べ残し」が42%、全く手をつけていない食品(直接廃棄)が28%となっています。これらの調査結果から、高月教授は全国の家庭から廃棄される食べ残しは農水省データから計算した量よりもはるかに多く、年間で456万トンに達すると推計しています。

視点を変えて農水省のデータから熱量について見てみると、平成15年度の1人1日当たりの供給熱量は2,588kcalで、摂取熱量1,863kcalとの差は約700kcalにもなります。これから計算すると、食品産業と家庭から毎日約4分の1の食品が捨てられていることとなります。


このように大量の食品が廃棄物として排出される主な原因としては、次のようなものがあげられます。

・消費者や販売店の鮮度意識が過剰なため、製造業者の食品の期限表示が短期化している。
・消費者が食品期限表示に頼りすぎている。期限表示の意味をよく理解していない。(安易に捨てすぎる。)
・消費者の購入した食品の管理等が不十分。
・偏食、飽食など、健全な食生活に無関心な層が増えてきている。
・小売店では、人気の無い(回転率の悪い)食品は返品される傾向にある。
・魚介類や野菜などで供給量が安定しないものは、流通ルートに乗りにくく、廃棄されるものもある。
・企業も消費者も食の安全・安心に過剰反応し、健康への影響がない食品トラブルでも安易な回収・廃棄が増大している。(三菱総合研究所の07年の調査では、新聞による回収告知の約4割が健康への影響のないもの)


このように、食品産業、消費者ともに原因があることがわかります。

上記原因のうち期限表示の短期化について、期限表示のある食品が「実際にいつまで食べられるのか」という研究に取り組んでいる甲南女子大の奥田和子名誉教授は、表示の短期化は販売店にとって商品の回転率が高まるメリットがあると言います。また、製造業者も賞味期限が長いと防腐剤などの添加物が多いと疑われるため、より短い期限表示にする傾向があるとも言っています。

消費者も、消費期限(食べても健康に影響がない安全性の限度)と賞味期限(おいしく食べられる目安を示す期限)の表示に頼りすぎる傾向が強く、中にはこれら2種類の表示を混同し、賞味期限が過ぎたら捨ててしまう人も少なからずいるようです。(過去ブログ「賞味期限、消費期限、もったいない」で詳しく書いています。)


大量に廃棄される食品廃棄物等を平成18年度に、肥料・飼料などの食品循環資源として利用または利用するために譲渡されたのは、食品産業全体で約59%(再生利用率)と前年度並みにとどまっています。また、家庭の生ごみの場合、飼料などに再利用されるのはわずか3%です。

ただ、個人的にはいたずらに食品廃棄物の再利用率を高めることには問題があると考えています。食品廃棄物の飼料等への利用については、特に加工品や生ごみの場合、油や塩分、添加物の問題があります。家畜への給餌を考えると、油や塩分を除去することが必要で、これには多くのエネルギーが必要となります。

また、現在ほとんど議論されていませんが、食品添加物の多く入った食品を飼料として再利用することは、巡り巡って人体への蓄積という問題もでてきます。以前、人里に下りてきた野生のキツネが生ごみを食べてアトピーになった写真を見て、あらためて食品添加物の害を痛感したことがあります。

これらのことを考えると、家庭・食品業界ともに、食品廃棄物大量発生の問題点と原因を掘り下げて分析し、それぞれの原因に対応した具体的対策を立て、食品廃棄物の発生を減らすことが最も優先されるべきです。




【参考文献】
農林水産省 平成19年食品循環資源の再生利用等実態調査結果の概要
・農林水産省 統計をみる 家庭での食品ロス、食品産業のリサイクル資源の実態
・日経ビジネス 貴重な食料がゴミと化す(2008.6.16号)
・読売新聞 食ショック第3部 飽食のコスト(2008.6.19~6.21)
YOMIURI ONLINE ニュース 「賞味期限」五感で判断(2006.9.14)


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クローン食品は安全か?

2008年06月16日 | 食生活等
前回のブログで紹介したように、受精卵クローン牛については、すでに日本を含め、先進諸国で市場に流通しています。また、日本では、厚生労働省が4月1日(2008年)、体細胞クローン技術によって生まれた牛や豚とその子孫の肉や乳の食品としての安全性の評価について、内閣府の食品安全委員会に諮問しました。

それでは、クローン牛は食品として本当に安全なのでしょうか?
『農業クローン牛の食品としての安全性の研究』(厚生科学特別研究事業 平成11年度中間報告書、厚生労働科学研究費補助金研究事業 平成14年度報告書)によると、クローン牛の食品としての安全性について、次のように報告されています。

クローン牛の食品としての安全性について

1) ほ乳類や鳥類については、その構成成分であるタンパク質が一部のヒトにアレルギーを招来することはあっても、構成成分自体が毒性や病原性を発現することは知られていない

2) 国内外でこれまでに得られている知見は、生後1ヶ月以上生存した体細胞クローン牛個体は、一般牛と同程度に正常に生育し、一般牛と差異のない生理機能をもつ→ 一般牛に比べ、こうしたクローン牛個体が、ヒトを含めほ乳動物に対して生物作用をもつ物質を多量に産生したり、新規な生物活性物質を産生していることは考えがたい。

3) 肉と生乳の構成成分は一般牛と異ならないこと、栄養機能において一般牛のものと類似していること、ヒトが通常摂取している量に匹敵する量の肉または生乳をラットに給餌しても健康を害さない。

以上より、クローン牛特有の要因によって食品としての安全性が損なわれることは考えがたい。

しかし、クローン牛の死産や生後直死などの発生率は高く、農林水産省の「クローン牛について知っていますか? 早わかりQ&A集」では、その理由としてクローン動物作出技術が十分に確立されていないことなどをあげています。
また、出生時の子牛の体重が平均体重の2倍以上に達する例も散見されています。

その他にも、クローン技術に用いられる電気的細胞融合等の操作や安全性確認の試験内容等を取り上げ、クローン食品の安全性に疑問を投げかける専門家もいるようです。

「食政策センター・ビジョン21」を主宰する安田節子氏は、ウェブサイト『体細胞クローン家畜は食卓に上るか?―厚労省が食品安全委に諮問』で次のように書いています。
しかし、部分比較でよしとするのは拙速であり科学的評価とは言いがたい。通常の有性生殖を経ずに生まれる、自然界では存在し得ない人工的に生み出された実験動物であり、その安全性は全体的観察、長期的試験が必要で、長い時間をかけなければわからないものだ。

確かに、構成成分や栄養機能などの部分的な比較で安全上の問題がないと判断するのは早計ではないでしょうか?

なお、前述の報告書「クローン牛の食品としての安全性」では、研究要旨の後半部分に、次のように書かれています。
ただし、クローン技術は新しい技術であるために、クローン牛由来の食品の安全性については、慎重な配慮が必要である。クローン牛の人獣共通感染症等疾病への罹患、あるいは同牛由来の乳肉における有害化学物質の残留などによって、安全性が損なわれることのないような慎重な対応が必要である。こうした配慮の下に、その安全性を危惧させる要因が新たに検知された場合には、速やかにその要因を排除できる対応が必要である。

しかしながら、現在流通している受精卵クローン牛由来の食品のように、その表示が無い(任意)ままの販売では、安全性を危惧させる要因を検知することは不可能であり、要因を検知できなければ、それを排除することはできません。

これらのことから、私自身としてはクローン技術の安全性については疑問を抱いていますし、行政の取り組みや見解にも不安をもっています。



【主な参考文献】
・クローン牛 解禁を諮問 読売新聞 2008.4.2
農林水産省 クローン牛について知っていますか? 早わかりQ&A集
クローン牛の食品としての安全性の研究
 厚生科学特別研究事業平成11年度中間報告書
 厚生労働科学研究費補助金研究事業平成14年度報告書
 東京大学大学院農学生命科学研究科 熊谷進
農林水産技術会議/家畜クローン研究の現状について
厚生労働科学研究費補助金(ヒトゲノム・再生医療等研究事業)
 バイオテクノロジー応用食品の安全性確保及び高機能食品の開発に関する研究」
 分担報告書 クローン牛の食品としての安全性
 分担研究者 熊谷 進 東京大学大学院農学生命科学研究科

・安田節子のGMOコラム「体細胞クローン家畜は食卓に上るか?―厚労省が食品安全委に諮問」


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クローン家畜流通の時代がやってくる?

2008年06月09日 | 食生活等
米国食品医薬品局(FDA)は本年(2008年)1月15日に、体細胞クローン家畜から生産された食品について、「肉、乳製品とも従来の家畜と変わりがない」として、世界で初めてこれらの食品の販売を認可しました。

一方、日本では、厚生労働省が4月1日、体細胞クローン技術によって生まれた牛や豚とその子孫の肉や乳の食品としての安全性の評価について、内閣府の食品安全委員会に諮問しました。
この日本の動きは、米国だけでなく欧州食品安全機関(EFSA)でも安全性に問題がないと発表するなど、他の多くの国でも同様の判断がなされつつあることによるものです。そしてまた、近い将来、米国からのクローン家畜による食品の輸入問題が生じた場合に備えて、国内法を整備しておくという意味もあるようです。
(後述するように、日本でもクローン技術の研究開発は多くの研究機関で行われています。)

なお、クローン技術には、『体細胞クローン技術』の他に、『受精卵クローン技術』があります。また、一般にはほとんど知られていませんが、『受精卵クローン牛』の肉や牛乳は日本でもすでに流通しています。


【クローン技術開発の目的】
クローン技術とはどのようなもので、何を目的に研究開発されたものなのでしょうか?
クローン技術とは、遺伝的に同一な個体を作製する技術であり、次のような効果を期待して研究開発されています。

・家畜としての生産コストの低減と品質の向上
(例:少ない飼料で多くの乳量を生産する牛や肉質の良い牛を生産)
・医療分野等での同じ遺伝子を持った実験用動物の大量生産
・病気治療用医薬品(タンパク質)の大量生産
・絶滅危機にある希少動物などの保護・再生

(以上参考:農林水産省農林水産技術会議事務局・生産局「クローン牛について知っていますか? 早わかりQ&A集」)

【クローン家畜の作製方法】
クローン家畜は基本的に次のような方法で作製されます。

(1)クローンを作出したい細胞(ドナー細胞)を、未受精の卵子から核を取り除いた卵子に移植して、電気的な刺激を与えて融合させると同時に細胞分裂を誘起させる。
(2)約1週間培養した後に、別の雌畜である代理母(レシピエント)の子宮に移植・受胎させクローン個体を誕生させる。

これらの方法の中で用いるドナー細胞の種類によって、下記のように『受精卵クローン技術』と『体細胞クローン技術』に分けられます。

受精卵クローン技術
受精後5~6日目の受精卵が16~32の細胞に分裂していく時に、それらの細胞をひとつひとつの細胞(割球)に分けて、ドナー細胞として利用する技術。

体細胞クローン技術
クローンを作出したい家畜の皮膚や筋肉などの体細胞を培養してドナー細胞として利用する技術。


【国内外のクローン家畜の現状】
〈受精卵クローン家畜〉
農林水産省が公表しているデータによると、日本では1990年8月に千葉県畜産総合研究センターで受精卵クローン牛が初めて出生して以来、これまでに43の機関で716頭(2008年3月31日現在)が出生しています。その内訳は次のとおりです。

  ・受精卵クローン牛出生頭数   716頭
  ・研究機関等で育成・試験中 28頭
  ・死産 74頭
  ・生後直死 34頭
  ・病死等 102頭
  ・事故死 19頭
  ・廃用 26頭
  ・試験と殺 46頭
  ・売却がなされた受精卵クローン牛 387頭
    (食肉として処理されたことが確認された頭数 316頭)
    (農家等で飼養中 8頭)
    (不明 63頭)

これから、『死産・生後直死、病死』の占める割合は、約29%で、一般のホルスタイン種の5%と比べかなり高いことがわかります。また、食肉として処理されたことが確認されたものが316頭(44%)で、不明が63頭もいるというのは驚きです。

前述の「クローン牛について知っていますか? 早わかりQ&A集」によると、食肉として出荷されたのは1993年からで、牛乳が出荷されたのは1995年からとなっています。

日本では受精卵クローン牛の肉や乳を販売する場合、表示義務は無く任意としており、その場合「受精卵クローン牛」や「Cビーフ」と表示することになっています。(任意のため、表示する業者はまずいないでしょう。仮に表示しても「Cビーフ」で受精卵クローン牛由来とわかる人はほとんどいないでしょう。)

また、米国やカナダでは、受精卵クローン牛は一般農家で飼養され、これらの肉や乳を一般市場に出荷するのに規制や表示義務はありません。


〈体細胞クローン家畜〉
世界で初めて誕生した体細胞クローン家畜は、1996年に英国のロスリン研究所で誕生したヒツジ「ドリー」です。その後、米国やフランス、日本など数カ国で牛や豚などの作出に成功しています。

日本では1998年7月に石川県畜産総合センターで体細胞クローン牛が初めて出生して以来、これまでに44の機関で551頭(2008年3月31日現在)が出生しています。(体細胞クローン牛の出生は日本が世界で最初)また、牛の他に、体細胞クローンの豚が328頭、山羊が9頭出生しています。なお、体細胞クローン牛の内訳は次のとおりです。

  ・体細胞クローン牛出生頭数   551頭
  ・研究機関等で育成・試験中 86頭
  ・死産 78頭
  ・生後直死 91頭
  ・病死等 134頭
  ・事故死 8頭
  ・廃用 11頭
  ・試験と殺 143頭

これによると、『死産・生後直死、病死』の占める割合は、受精卵クローン牛よりもかなり高く約55%となっています。なお、体細胞クローン牛由来の食品は、これまで日本を含め世界中で市場に出荷されていません(2008年6月現在)が、前述したように米国食品医薬品局(FDA)は、本年(2008年)1月に食品としての販売を認可しています。


次回のブログで、クローン家畜、クローン食品の問題点について踏み込んでいきたいと思います。



【主な参考文献】
・クローン牛 解禁を諮問 読売新聞 2008.4.2
農林水産省 クローン牛について知っていますか? 早わかりQ&A集
農林水産技術会議/家畜クローン研究の現状について
厚生労働科学研究費補助金(ヒトゲノム・再生医療等研究事業)
 バイオテクノロジー応用食品の安全性確保及び高機能食品の開発に関する研究」
 分担報告書 クローン牛の食品としての安全性
 分担研究者 熊谷 進 東京大学大学院農学生命科学研究科

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遺伝子組み換え食品がはびこる時代

2008年04月14日 | 食生活等
食糧問題が深刻になるにつれて、遺伝子組み換え食品に関する議論が活発になってきつつあります。

遺伝子組み換え作物や遺伝子組み換え食品については、下記の過去ブログで4回に分けて書いています。

1.遺伝子組み換え食品最大輸入国日本
2.身近にある遺伝子組み換え食品
3.遺伝子組み換え食品は安全か?
4.遺伝子組み換え食品の安全性と対策

この中で、
・日本は遺伝子組み換え食品の最大輸入国であること。
・遺伝子組み換え作物(GMO)の種類(HRCs、Bt作物)
・遺伝仕組み換え作物開発の本当の目的は開発企業の売上増大であること。
・遺伝子組み換え作物の栽培面積は、米国やアルゼンチン、ブラジルなどで増えていること。
・遺伝子組み換え作物で多いのは、大豆、トウモロコシ、ワタ、ナタネであり、大豆の半分以上がすでに遺伝子組み換えであること。
・日本で流通している大豆の60%程度は、遺伝子組み換えのものと思われること。
・日本が輸入している穀物用トウモロコシの約50%は遺伝子組み換えのものと思われること。
・日本で遺伝子組み換え作物が多く出回っているにもかかわらず、そのように感じられないのは、表示方法の問題があること。
・遺伝子組み換え作物・食品の安全上の評価基準は、「実質的同等性」という、非常に曖昧なものであること。
・遺伝子組み換え食品(種子植物)の安全性の審査は、基本的に、申請する業者が作成した資料だけに基づいて行われていること。
・遺伝子組み換え食品に関する事件や実験結果から、これらが必ずしも安全であるとは言い切れないこと。
・食糧自給率の低い日本は、食糧の多くを、遺伝子組み換え作物大量生産国の米国に頼らざるを得ないこと。
・消費者としての遺伝子組み換え食品への対策

などについて、書いています。

しかし、好むと好まざるとにかかわらず、また、安全性に懐疑的であっても、遺伝子組み換え食品は増加の傾向にあります。その最大の理由は、急激な人口の増加です。

人口と食糧の関係について書かれた有名な本に、英国の経済学者トマス・ロバート・マルサス(Thomas Robert Malthus 1766~1834)の『人口論』があります。


人口論 (中公文庫)
永井 義雄,マルサス
中央公論新社

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この『人口論』の中に、次のようなことが書かれています。

わたくしは、二つの公準をおいてもさしつかえないであろうと考える。
第一、食糧は人間の生存に必要であること。
第二、両性間の情念は必然であり、ほぼ現在の状態のままでありつづけるとおもわれること。


そこで、わたくしの公準が承認されたものと考えて、わたくしはつぎのようにのべる。人口の力は、人間のための生活資料を生産する地球の力よりも、かぎりなくおおきい、と。
人口は、制限されなければ、等比数列的に増大する。生活資料は、等差数列的にしか増大しない。数学をほんのすこしでもしれば、第一の力が、第二の力に比べて巨大なことが、わかるであろう。


この、人口論の内容が示すのは、人口は掛け算で増えても、食糧は足し算でしか増えないので、人口の急激な増加は食糧不足を引き起こすということです。

事実、人口の増加に食糧の生産が追いつかない事態が生じつつあります。また、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)やこれに続くVISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)などの経済発展は、これらの国の食生活の向上を促し、肉類や加工食品の需要が増えてきています。さらには、バイオ燃料の生産増加に伴って、食糧や飼料としての穀物とエネルギー作物との競合も起こっています。

このため、遺伝子組み換え作物への不信感を払拭できないまま、これらの生産がますます増加していくことになると思われます。すでに、多くの専門家が、「世界的な食糧不足を救うのは、遺伝子組み換え技術しかありえない。」と言い始めています。

遺伝子組み換え作物の生産が世界的に広まった後で、仮に大きな問題が発見された場合、人類を含む生物系全体にとって取り返しのつかない事態となります。
今こそ、食糧問題の根本的な原因である世界的な人口増加に対し、抑制策を含めて、各国が議論すべき時だと思います。




【主な参考文献】
・日経ビジネス 2008年4月7日号 世界鳥瞰On The Globe(FINANCIAL TIMES) 世界を揺るがす食糧危機


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バランスのいい食事とは?

2008年03月24日 | 食生活等
バランスのいい食事バランスのいい食生活とは、いったいどのようなものでしょうか?穀物、野菜、肉、魚介類を均等に食べることでしょうか?
そうではありません!!
多くの人が、食生活について誤った知識を持っているのではないかと思います。

管理栄養士の幕内秀夫氏は、著書『なぜ「粗食」が体にいいのか』のなかで、現代の食生活は「五無の食生活」だと書いています。幕内氏は、「五無」とは、「無国籍」、「無地方」、「無季節」、「無家庭」、「無安全」の意味で、生活に国籍がなくなり、地方の味がなくなり、季節がなくなり、家庭の味がなくなり、安全性がなくなっているといいます。
そして、「粗食」すなわち「日本の豊かな風土から生まれた豊かな食生活」を提唱しています。
(注:紹介の本は、帯津三敬病院名誉院長 帯津良一氏との共著)


なぜ「粗食」が体にいいのか―「食生活」ここだけは変えなさい! (知的生きかた文庫)
帯津 良一,幕内 秀夫
三笠書房

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幕内氏は、この本の中で、無理なくできる食生活について書いており、内容的にまさに我が意を得たりの感があります。詳しくは是非、本を読んでいただきたいと思いますが、その一部を紹介しながら書いていきたいと思います。


健康に関心があり、食生活について真剣に考えて多くの情報を収集すればするほど、何が本当に体にいいのかわからなくなります。なぜなら、ある本では体にいいといって取り上げられているものが、別の本では体に悪いと書かれてあったりするからです。

幕内氏は、「栄養素を考えていると何を食べていいかわからなくなる。」、「栄養素を考えて食事をすることが科学的で正しいというのは錯覚だ。」といいます。これは、「病気にならない生き方」の著者である新谷弘実氏が、「食べ物をある側面からしか見ていないことが問題」という意味のことを書いているのと、共通した考え方だと思います。
病気にならない生き方 -ミラクル・エンザイムが寿命を決める-
幕内氏の言葉を借りれば、「私たちは、その食べ物の良い部分も悪い部分もまとめて食べている。」のです。


それでは、現代の食生活における問題点は何でしょうか?
幕内氏は、次の5つの問題すべてが問題であり、これらを総合的に考えていくべきだといいます。

1.食べすぎ(摂取熱量に比べ消費熱量が少なくなった。)
2.食生活の欧米化(パン、肉、食肉加工品、牛乳、乳製品、油脂類の急激な増加)
3.ビタミン・ミネラル類、微量栄養素の減少(精製食品の増加)
4.食物繊維の極端な減少
5.化学物質の急増(農薬、食品添加物の増加)



また、理想的な食生活であっても、長続きさせるには家族と2割以上違う食事をしないことが重要で、食生活の改善では、大切なことほど簡単でお金もかからないといいます。
そして、また、「粗食」のすすめとして、大まかに次のようなことを書いています。


・カタカナ食(パン、ラーメン、スパゲッティなど)をやめて、ご飯、味噌汁、漬物、納豆などのひらがな食にする。これで、添加物や農薬がかなり減らせる。

・カロリーのあるジュースなどの飲み物を減らし、番茶や水にする。

・米は未精製のもの、ミネラル分の多い雑穀を入れたものを食べる。

・白砂糖や異性化糖(ブドウ糖果糖液糖)の入った食品を食べない。
(ジュース、ケーキ、クッキーなど)

・副食は季節の野菜を中心にして、動物性の食品は肉を控えて魚介類(特に、イワシやサバ、サンマなどの青魚)を中心にする。

・揚げ物を控える。

・味噌、しょうゆ、油、砂糖、塩は高くても良質のものを選ぶ。
(私は、味噌、しょうゆ、油、塩は、自然食の店で購入し、砂糖はほとんど使いません。)

・水は浄水器を通したものを使う。
(姉妹ブログ「健康とからだにやさしい生活-健康は安全な水から」をご覧ください。)

・ゆっくりと噛んで楽しみながら食事をする。

などです。


幕内氏の本のなかで興味深かったのは、民間食療法の指導者の多くが自らの病気を持っていて、自ら考えた食事療法で治しているということです。彼らは、自分で体験しているだけに、その効果についてすごい自信を持っていますが、それがそのまま他のすべての人に通用するかは疑問です。また、その多くが偏食であるため長く続けると害の方が大きくなります。


興味のある方は、是非、この本を読まれることをおすすめします。
安価で読みやすい本です。
なぜ「粗食」が体にいいのか―「食生活」ここだけは変えなさい! (知的生きかた文庫)
帯津 良一,幕内 秀夫
三笠書房

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【参考・引用文献】
・なぜ「粗食」が体にいいのか 帯津良一、幕内秀夫著 三笠書房
 

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賞味期限、消費期限、もったいない

2008年02月11日 | 食生活等
食品偽装問題等で、食の安全、安心が揺らいでいます。
食品を購入する際には多くの人が、これまで以上に、生産地や原材料、賞味期限などの表示を注意していることと思います。

しかし、表示の中には、信頼性に欠けるものや、見ても理解できないものなども含まれています。また、普段何気なく目にしているものでも、正しく理解していないものもあります。『消費期限』『賞味期限』についてもそうではないでしょうか?

『消費期限』や『賞味期限』は、『期限表示』と呼ばれ、すべての加工食品には、JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)や食品衛生法に基づいて、どちらかが表示されています。(一部の食品を除く)
それぞれの意味は次のとおりです。

【賞味期限 Best-before】
おいしく食べることができる期限で、この期限を過ぎても、すぐに食べられないということではありません。
3ヶ月を超えるものは年月で表示し、3ヶ月以内のものは年月日で表示されます。

【消費期限 Use-by date】
表示の期限を過ぎたら食べない方がよいという期限で、年月日で表示されます。品質が劣化しやすい食品が該当します。
なお、弁当類に時間まで記載されているものがありますが、これは「弁当及びそうざいの衛生規範」に基づき、必要に応じて「時間」まで記載する必要があるとされていることによるものです。

注意することは、賞味期限、消費期限ともに開封前の期限が表示されており、一度開封した食品はこれらに該当しないので、消費者自らが判断して、表示期限にかかわらず早めに食べたほうがいいということです。

それでは、これらの表示期限は誰が設定しているのでしょうか?
期限の設定は、食品等の特性、品質変化の要因や原材料の衛生状態、製造・加工時の衛生管理の状態、保存状態等を考慮して、科学的、合理的に行う必要があるという理由から、その食品等について一番よく知っている食品等事業者が行うことになっています。

食品等事業者とは、
1.輸入食品等以外の食品等は、製造または加工を行う者(販売業者がこれらの者との合意等により、代わって表示をする場合は、その販売業者)
2.輸入食品等については輸入業者。

です。なお、一部の業界団体では、自主的に期限表示設定のためのガイドライン等が作成されています。

また、平成17年2月には、「食品期限表示のためのガイドライン(厚生労働省・農林水産省)」が出されていますが、食品の特性は各々異なることから、その名のとおり指針としての位置づけにとどまっています。
すなわち、賞味期限や消費期限の設定は、ほとんど食品等事業者の裁量に任されているというのが現状です。

私たち消費者は、期限表示の根拠には曖昧なものが多く、また食品の状態も保存方法で変わることを認識すべきでしょう。そして、少なくとも賞味期限と消費期限を混同しないで、たとえ賞味期限を過ぎていてもすぐに捨てずに、自身の五感(見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触れる)を使って、確認する習慣をつけるべきでしょう。
こうすることが、自分の五官(目・耳・鼻・舌・皮膚)の機能を高め、「もったいない」というモノを大事にする意識にもつながるのではないかと思います。



【参考文献等】
農林水産省/JAS法および食品衛生法に基づく期限表示について
農林水産省/食品の期限表示について
食品の表示に関する共通Q&A
食品期限表示のためのガイドライン
いばらき食の安全情報 Web Site中の「弁当及びそうざいの衛生規範について」
・日経ビジネス2008年2月4日号 偽装の裏にあるもの


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中国製ギョーザに農薬

2008年01月30日 | 食生活等
中国製ギョーザで10人中毒症状 農薬検出 千葉・兵庫(朝日新聞) - goo ニュース

今度は、中国製冷凍ギョーザから農薬が検出されました。グローバル化した世界では、至るところに危険が潜んでいます。

今回検出された農薬は、日本では農薬の登録がされていない有機リン系の「メタミドホス」のようです。手元にある 『農薬毒性の事典』によると、用途は、「殺虫剤。有機リン系の薬剤で、野菜等に適用される。」と書かれています。


農薬毒性の事典
植村 振作,辻 万千子,河村 宏
三省堂

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『農薬毒性の事典』は、農薬の全般的な説明と個々の農薬の用途・毒性・残留性等が書かれており、一家に一冊あってもいいのではないかと思います。


『農薬毒性の事典』によると、中国の研究では、オスのマウスへのメタミドホスの投与で、精子の運動性の減少や精子異常の増大が見られたそうです。また、妊娠したマウスへの投与で、仔の体や行動上の発達に影響が現れるとの報告もあるようです。

【残留性】(農薬毒性事典による)
 ADI 0.004mg/kg体重/日
 国産農産物に検出されるのは、農薬に使われたアセフェートの代謝物と思われる。


【参考】
ADI(一日摂取許容量): 人が一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康に影響をおよぼさないと判断される量

・ADI(mg/㎏/日)=NOEL(mg/㎏/日)×1/100(安全係数)

・人1日許容摂取量=ADI×体重(㎏)


現状では、中国国内で規制が強化されて危険な製品が生産されなくなることは、早々には期待できません。また、モニタリング検査の実施率は全輸入件数の3~5%程度ですので、これらの危険な製品が日本国内に入ってくる前に水際で完全にシャットアウトすることも不可能です。

安全の確認が難しいものは極力避ける努力が必要です。




当ブログの中国製品に関する過去の記事もぜひご覧ください。

中国製子供服からも危険物質発見

危ない中国製品の今後のゆくえは?

中国製品にひそむ健康リスク



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メタボとトクホ

2007年11月18日 | 食生活等
メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を予防するため、多くのトクホが開発・販売されています。トクホを効果的に利用していくにはどうすればいいのでしょうか?

今や、健康食品やサプリメントの売上は1兆2,000億円超(2006年度実績)となり、巨大な市場として確立されています。これは、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病に対する消費者の認識が高まるにつれて、さまざまな機能性食品が商品化されたことによります。ちなみに、日本人の死因の3分の2は生活習慣病であるといわれています。

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは、内臓脂肪型(内臓肥満、腹部肥満)の肥満にある人が、高血糖症、高脂血症、高血圧症などの動脈硬化の危険因子を2つ以上持っている状態をいいます。なお、内臓脂肪型肥満はウエスト周りが、男性で85cm以上、女性で90cm以上とされています。

医学界では、肥満、高脂血症、高血圧、糖尿病「死の四重奏」と呼んでいます。これらの病気が合併すると、眼底の異常、心筋梗塞、大動脈瘤、脳梗塞、狭心症、腎臓障害などを引き起こします。

死の四重奏をはじめとした生活習慣病に関わる専門医と食品企業が一体となって、2007年6月30日にトクホの将来を考えるための「トクホ臨床懇話会」が設立されました。トクホ(特定保健用食品)とは、「生活習慣病を予防することを目的とした食生活の改善を助ける食品で、法律でヘルスクレーム(健康表示)が認められているもの」です。トクホの市場規模は大幅な伸びを示しており、2006年には、大衆薬の売上を抜いて7,000億円を超えるまでになっています。

トクホ臨床懇話会の構成員は、生活習慣病の専門医、薬学・栄養学の専門家、食品研究者及びトクホのメーカーで、次の3つの研究班で活動することとしています。

・ワーキンググループ1
 トクホが予防医療に役立つことを立証する臨床試験の実施
・ワーキンググループ2
 メタボリックシンドローム患者の食生活パターンの類型化とその改善策の提示
・ワーキンググループ3
 医師が認証し提唱する機能性成分の評価

なお、現状ではトクホは食品との位置付けのため医師が治療に用いることはできません。また、その効果は薬と異なり即効性はなく、弱いものです。
しかしながら、今後、医療の現場でも医師自身が食や栄養に対する知識を有し、個々の患者に合った食生活の改善指導を行う必要性がますます高まっていくことと思われます。また、このような知識を持たない医師は、淘汰の憂き目に遭う時代が来るかもしれません。


一方、生活者の側から考えた場合、トクホだけに頼るのではなく、生活習慣そのものを変えながら、個々の症状に合ったトクホをうまく利用することが必要です。
千葉大学副学長でトクホ臨床懇話会の代表世話人でもある齋藤康氏は、人間の野生生物と異なる摂食行動が生活習慣病を作り出していると言います。この摂食行動とは、「空腹を感じなくても食べる。」という行動です。

齋藤氏は、「“空腹”という体の中からの信号に従って、必要なものを必要なだけ食べるという習慣を取り戻すこと。」、そして「生活のリズムをつくること。」が大切だと言います。
具体的には、
・食事の回数が不規則な人は、それを是正する。
・間食が多い人は、回数を減らす、低カロリーのものに変える。

などです。

また、頻繁にテレビなどで流されるコマーシャルに踊らされること無く、トクホの健康表示と関与する成分を確認して適切な利用を考えるべきでしょう。
「トクホの健康表示と関与成分」は、『トクホ臨床懇話会 知って得するトクホのページ-トクホの健康表示と関与成分』を参照してください。
当該サイトに、血圧、血糖値、中性脂肪、体脂肪、コレステロール、おなかの調子、カルシウム、骨密度、鉄分、虫歯などに関するそれぞれのトクホの関与成分が紹介されています。


【参考文献】
・Nikkei Business 2007.10.29 Special Issue

【関連ブログ】
日本でも栄養不良による不健康が蔓延


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砂糖と油脂が健康を阻害!!

2007年11月12日 | 食生活等
加工食品には多くの砂糖と油脂が使用されており、これらの摂りすぎが健康を害しているということは、多くの医師や専門家が指摘しています。この度(2007年9月24日)発行された書籍「美味しい食事の罠 砂糖漬け、油脂まみれにされた日本人」もその一つです。著者の幕内秀夫氏は栄養管理士で、日本国内の伝統食や民間食療法について研究し、フーズ&ヘルス研究所の代表や学校給食と子どもの健康を考える会の代表も務めています。

美味しい食事の罠―砂糖漬け、油脂まみれにされた日本人 (宝島社新書 246)
幕内 秀夫
宝島社

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幕内氏は、安い食事ほど油脂と砂糖でごまかされていると言います。油脂を使うことで、そのコクのある味が素材の味をごまかして美味しくさせています。また、砂糖を多く使うことで甘く調理された料理は、その甘さゆえに食べ始めたらもっと食べたくなります。

また著者は、食費にあまりお金をかけていない人ほど、油脂と砂糖をたくさん食べている傾向にあるといいます。街中にあふれるコンビニエンスストアでは、利益率の高い惣菜コーナーを拡充する傾向にありますが、ここに並んでいる弁当やサンドウィッチで手軽に食事を済ませる人が増えています。これらの惣菜には、油脂と砂糖がふんだんに使われています。

経済の原理からいうと、業者は、できるだけ安い食材を使って美味しくて満足感を味わえる食品を作ることで利益を追求しています。食品原料の高騰が続き、その価格を丸ごと商品価格に転嫁できなければ、鮮度の落ちた安い食材を油脂や砂糖でごまかす業者も多くなる可能性があるのではないかと思います。


日本人の平均寿命は全体的に高くなっていますが、地域的に見てみると大きな変化が現れています。前述の幕内氏はその著書で、平均寿命の県別順位で沖縄県の男性が前回調査の4位から26位に転落(※)した内訳を書いていますが、これによると、50歳以上の死亡率は全国平均を下回っているのに、50歳以下は全国平均を上回っています。つまり、高度経済成長期以降の食の欧米化の中で育った沖縄の人たちは、平均寿命が低下しているのです。
(※厚生労働省大臣官房統計情報部・平成12年都道府県別生命表の概況による平成7年と12年の比較)

沖縄は、人口10万人あたりのハンバーガーショップの普及率が全国トップといわれており、2006年の総務省の「家計調査年表」では、油脂にかけている費用も全国平均の4,312円に対し、その約1.5倍の6,266円で全国一となっています。また、沖縄の男性の約半数(46.9%)は肥満だと言われています。(前述「美味しい食事の罠」より)
しかし、このような状況は沖縄に限ったことではなく、製造・販売会社にとって経営効率がよく、消費者の嗜好性を高めた「油脂と砂糖にまみれた食品」は増える一方です。


それでは、美容と健康に気をつけてダイエットしている女性は、本当に健康でなのでしょうか?このような女性の中には、ご飯を食べずに、菓子パンやマーガリンをたっぷりつけた食パンを主食にして、サラダにはたっぷりのドレッシングをかけている人も多いのではないでしょうか?また、ファーストフードで簡単に食事を済ませてしまう場合も多いのではないかと思います。
 
油脂は、もっとも酸化が進みやすい食物です。一般的に市販されているオイルの多くは、「溶剤抽出法」といって、原材料にヘキサンという化学溶剤を入れてドロドロにしたものを加熱し、油を溶けさせたうえでさらに高圧・高熱下で溶剤だけ蒸発させるというやり方で作られています。この方法で抽出された油は、「トランス脂肪酸」という体にとって非常に悪い成分に変わってしまうので、腐敗しないかわりに、体に害を与える成分が含まれています。

マーガリンは、このトランス脂肪酸を多く含んでいます。マーガリンの原材料である植物油は、もともと溶剤抽出法で抽出されたトランス脂肪酸を含んだ油ですが、これに水素を添加し、不飽和脂肪酸を飽和脂肪酸に人工的に変化させているのでマーガリンは植物油であるにもかかわらず固まっています。
マーガリンと同じくらい多くのトランス脂肪酸を含む油に「ショートニング」があり、スナック菓子(クッキーやスナック類)やファストフード(フライドポテトなど)に使われています。


砂糖や油脂の摂り過ぎによる健康上の問題は、すぐに現れずに中高年になってから様々な病気として現れます。また、これらの病気を発症する年齢は徐々に早まってきています。私たちは、もっと古くからの日本食の良さを見直して、意識して油脂や砂糖を控えた食生活を送る努力をすべきでしょう。その際、主食の米については、栄養価の高い玄米の利用をお奨めします。この場合に注意したいのは、農薬や化学物質は「ぬか」の部分に蓄積されやすいので、有機無農薬のものを選ぶということです。また、玄米に押麦、あわ、きび、アマランス、ひえ、そば米、はとむぎ、キヌアといった雑穀の中から5種類ほど選んで混ぜたものを主食にすることもおすすめです。

どうしても白米が食べたい、玄米は食べにくいという人でも、白米に玄米や雑穀を混ぜて食べるだけで、便通が格段によくなります。太りすぎの人は老廃物が排出されて適正な体重に近づきます。一方、やせ型の人は、栄養の吸収率が高まり体重がふえてきます。
 
食生活については、下記ホームページにも詳しく紹介しています。
「環境と体にやさしい生き方-快適健康生活」


【参考文献】
・「美味しい食事の罠」 幕内秀夫著 宝島社 2007.9.24発行
・「病気にならない生き方」 新谷 弘実 サンマーク出版 2005


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地産地消は安全で環境にやさしいか?

2007年11月05日 | 食生活等
地産地消は本当に安全・安心で、環境にもやさしいのでしょうか?
フードマイレージやライフサイクルアセスメントの観点から考えてみたいと思います。

最近、健康志向の高まりなどもあって、新鮮な地産地消の農産物やその加工品を買い求める人が増えています。休日ともなると、地方の道の駅や直売店などでは多くの消費者でごった返すところも少なくありません。
「地産地消」とは「地域生産・地域消費」の略で、地域で生産された農水産物を、生産された地域で消費することをいいます。この地産地消は、輸送距離が短かいためにフードマイレージの点では環境にもやさしいと言われています。

フードマイレージとは、食料の輸送が環境に与える負荷を「重量×輸送距離」で表したものです。この数値が大きいほど、多くの燃料を使い、大量の二酸化炭素を排出していることになります。日本は食料自給率が40%を割り込んで大量の食料を輸入に頼っており、農林水産省の広報誌「共に生きる都市と農村 次の豊かさへ」「農林水産省地球温暖化対策総合戦略 平成19年6月」をみると、フードマイレージが他の先進国と比べていかに高いかがわかります。

日本の輸入食料のフードマイレージは最も高く、2位の韓国の約3倍です。また、国民1人当りでみると、イギリスの約2倍、ドイツ、フランスの3~4倍、米国の約7倍となっています。
日本のフードマイレージを低減させるためには、食料自給率を高めて、さらに地産地消をを促進していく必要があるといえます。

フードマイレージに関する参考サイト
 ・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 ・EICネット フードマイレージ


しかしながら最近、LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点からは『地産地消は必ずしも環境にやさしいとはいえない』という研究結果もでています。
LCAは『Life Cycle Assessment』の略語で、ある製品が原料の段階から、製造、使用、廃棄またはリサイクル、リユースされるまでのすべてのライフサイクル通して、環境に与えた影響を評価する手法をいいます。

LCAの手法は、工業分野で開発・利用されてきましたが、最近日本では、産業技術総合研究所や農業環境技術研究所、日本LCA学会などで、食品の分野でも研究されてきています。
 ・産業技術総合研究所(産総研)ライフサイクルアセスメント研究センター
 ・農業環境技術研究所(農環研) 物質循環研究領域
 ・日本LCA学会 食品研究会


興味深いのが、日本LCA学会 食品研究会の講演会(2007.8.10「食の持続性を求めて」)の内容です。
この講演のプログラム中、「地産地消と輸入作物」では、トマトのライフサイクルにおけるCO2(二酸化炭素)の排出結果から、輸送時よりも生産時(温室の温度管理にかかる燃料)の環境負荷の方が大きくなり、やみくもに輸送距離を短縮化することが得策ではないと結論づけています。

トマトは、年間を通して店頭に並んでいる野菜のひとつであり、そのほとんどがビニール屋根を使った雨よけ栽培や温室ハウス栽培によるものです。トマトは温度管理のもと育苗を行いますが、その後、農薬、化学肥料、加温用重油(温室ハウス)等が使われます。地産地消のトマトであっても、それが店頭に並ぶまでには、農薬や化学肥料の生産やハウスの加温の過程で、多くの温室効果ガスを発生させているのです。


また、山崎製パンは、日本LCA学会 食品研究会における他の研究会員との共同研究で、国産小麦(北海道産)と北米産小麦から食パンを生産する場合のLCAについて研究していますが、CO2排出量についてはほとんど差がなかったとの結果を発表しています。これは、日本の気候が多雨のため、小麦の乾燥に多くの燃料を必要とすることが大きな理由のようです。


このように、LCAの点からは一概に、地産地消(輸入品に対する国内産を含む)が環境にやさしい食物とはいえません。
一方、栄養価の面から考えると、同じ野菜でも路地物とハウス栽培の物では、路地物のほうが高いのが一般的です。
一般的に、環境にやさしく、安全で安心できる食物は、その地でとれる有機無農薬栽培された旬の路地物だといえます。しかし、地域や季節によってはその地でとれる食物がほとんどなく、健康の維持・増進を考えた場合、国内の他の産地の物や輸入品に頼ることも必要です。


日本LCA学会食品研究会は、食の指標として「持続可能性」を提案して、「食物から得られる価値」と「食物の環境負荷」との関係から「環境効率」を算出することを検討しているようです。

 環境効率=消費者が1日に摂取する食物から得られる価値÷1日に摂取する食物の環境負荷(CO2排出量)


ただし、環境負荷を二酸化炭素の排出量だけで評価することにも問題があるという指摘もなされています。農業環境技術研究所は、平成15年11月に研究成果報告書として発表した「環境影響評価のためのライフサイクルアセスメント手法の開発」のなかで、次の5つの環境影響項目を用いて影響を評価しています。

1.温暖化エネルギー収支CO2
2.温暖化土壌面収支
3.栄養塩類:窒素濃度
4.廃棄物:プラスチック
5.農薬



食品のLCAに関する研究は緒についたばかりであり、これからさまざまな研究を通して明らかになってくるのではないかと思いますが、少なくとも「地産地消が必ずしも環境にもやさしいとはいえない。」ということは認識しておくべきでしょう。


【参考文献】
・日経エコロジー 2007.10
・農林水産省の広報誌「共に生きる都市と農村 次の豊かさへ」
・農林水産省地球温暖化対策総合戦略 平成19年6月
・農業環境技術研究所 ホームページ


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